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201.偽家族1~兄と妹の仁義亡き戦いin妹高2夏~

偽家族は全6話ですがアルファポリス恋愛対象に応募してる都合で6話中2話だけ投稿させていただきます。

 合宿が終わった2日後。私の本日の予定はフリーだったので、午前中に夏休みの宿題をやった。そして午後は、お楽しみの二次元timeだ。私の部屋にクーラーをかけ、テレビゲーム版の乙女ゲームを堪能する。

(マジイケボー。癒されるわー。)

と思いながら、ベットの上に座り、コントローラーを握りながら、勉強机とは別のテーブルの上に置いてあるお煎餅に手をを伸ばす。この煎餅の私の顔よりひとまわりくらい小さいがとても大きく食べ応えがるところがお気に入りである。大きいから1回手を伸ばせばしばらくバリバリと食べられるので、お皿に手を伸ばす回数が少ない。めんどくさがりな私には嬉しいお煎餅なのだ。そんなお煎餅もあと1枚。後で、瞬君が、別のお菓子だとは思うが、いつの間にか持ってきてくれるとはいえ、それまでお菓子がないというのは凄く残念だ。じゃあ、自分で採りに行けよ!!と言う突っ込みは今さらである。もう何年もこんな感じだからね。

(あれ・・・・・??)

私はお煎餅が入っているお皿の上で手をグーパーグーパさせた。

(無い・・・・・・・・。)

無い、無い無い無ーい!さっきまで会った最後の1枚のお煎餅が無ーい!何でー!?最後にお煎餅を食べたときまではちゃんとあったのに!不意打ちに食らった怪奇現象(?)に、思わずフリーズしていると、

「グモッ!!」

いきなり口の中に何かが突っ込まれた。このあまっじょっぱさのバランスが絶妙なお醤油味・・・・・・・・・、このパリッと感・・・・・・・・・・・・、私が捜し求めていたお煎餅ではありませんか!でも・・・・・・・・・・、何で?円を描いているはずのお煎餅が何で半円状態なの・・・・・・・・?いや、ちゃんと私が今齧ったということは考慮して、だよ。何故?Why!?

(でも・・・・・・・。)

「っま、いっかぁ!」

「良くないだろ!!」

「うわぁぁぁぁ!!」

いきなり声がしたので驚き、座っていたベットから転げ落ちてしまった。イテッ!!頭から落ちちゃったよ!!クリティカルヒットだよ!

「お前なぁ・・・・・・・・・・・・。」

「お、お兄ちゃん・・・・・・・・・。」

床に転がっている私を仁王立ちして見下ろしているのはお兄ちゃんだった。なんだよー、お兄ちゃんだったのかよー。って・・・・・・・・・・、お兄ちゃんが持ってる、そ、それは・・・・・・・・・・・・・!

「あー!私のお煎餅ーーーー!!」

そう、私のお煎餅。しかも半円状態。

「犯人はお前かぁー!!」

「あのなぁ・・・・・・・・・・。」

「私のお煎餅、返せーーーーー!!」

「そこじゃないだろ!オイ!!」

と言って、お兄ちゃんは半円のお煎餅を自分の口の中に入れて、バリッと良い音を立てて1口食べた。

「う~~~~~。私のお煎餅~~~!」

「どうせその前に散々食ったんだろ。どんだけ食いたかったんだよ・・・・・・・・・。」

と、残りのお煎餅を食べ、呆れたようにお兄ちゃんが言った。

「食べ物恨みは大きいんですぅー!」

「お前くらい食い意地が張ってるやつが言うと妙に信憑性があるな!」

「でしょ!」

と私が言うと、お兄ちゃんはため息をつた。

「お兄ちゃん、そんなことで呆れるなんて今更ですよ?」

「あぁ。そうだな。」

と言いながら、お兄ちゃんは自分のポケットをゴソゴソとあさり、何かを取り出して、私の口の中にその何かを突っ込んだ。

「ムフ!」

「・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

(う、ウマーーー!)

口の中に入れられたのは飴玉だった。べっ甲飴。さっきまでお兄ちゃんにプチ不幸が起こる呪いでもかけようと思ってたのに、飴玉の美味しさでそんな怒りは綺麗さっぱり消えた。食べ物って偉大だよねー。口の中で味わうだけで幸せな気持ちになれるんだから。本当に偉大だよ!

「ねぇ、お兄ちゃん。今更なんだけど・・・・・・・・・。」

「何だ。早く言いえ。」

「起き上がって良い?私。」

実は私、ベットから転げ落ちてから今まで頭から落ちてひっくり返った状態のままなんだよねー(W)。

「逆に訊く。何故今まで起き上がらなかったんだ?」

「うーん・・・・・・・・。なんかタイミング逃しちゃって・・・・・・・・。で、起き上がって良い?」

「いいから早く起き上がれ。」

許可が出たので私はヨッコラショと起き上がった。いやー、頭を下にしていたことにより頭に血が上ってクラクラしますなー。・・・・・・・・・・、早く起き上がればよかった・・・・・・・・・・。まぁ、もうすでにやってしまったことはしょうがない。時間は戻らないのだ。私にそんな能力はない。そこまでのチートは持っていない。持ちたくない。人間失敗することは必要不可欠なのだ。その失敗の後、如何するのかで如何成長するのかが決まるのだ。・・・・・・・・・て、この失敗はそこまで大きな話では絶対ないのだが。ま、いっか。

 起き上がった私は、再びベットに座り、もらった飴玉を口の中でコロコロと転がした。うん、和む。美味い。和む美味さだ。変にこった味ではなく定番の味。定番の美味しさ。これこそべっ甲飴である。

(♪~~)

気分はルンルンである。ルンルンな私は足を軽くばたつかせながらべっ甲飴をニコニコと楽しむ。

「お前、単純すぎだろ・・・・・・。」

あ、お兄ちゃんいたんだっけ?べっ甲飴に集中しすぎて忘れてた。お菓子>お兄・・・・・・・・、いや、お菓子≫お兄ちゃんな私はお兄ちゃんの存在を頭の中から抹消していた。自分でも酷い人間だと思う。

「俺の存在を抹消してるし」

「何で分かるの!!?」

「お前が単純だからだ。顔見れば分かる。」

「う~~~~・・・・・・。」

私が唇を尖らせると何故か楽しそうな笑った。

(絶対バカにされてる・・・・・・・・。)

言い返せないのが悔しさを増させる。クソッ!!お兄ちゃんのクセに生意気である。

「別に貶してるわけではないぞ。むしろ褒めてるんだ。」

「それのどーこーがぁー!?」

「扱いが楽でいいところが、だ。」

「褒めてないよね!?絶対!!それただ単にバカにしてるだけだよね!?なめてかっかてるよね!?」

と私が言うと、お兄ちゃんはムッとした。その後、

「俺が褒めてると言っているから褒めてるんだ!!お前は何でいっつもいっつも俺の言葉を曲げて取るんだ!!?」

と怒り出した。

「言ったことはそのまんま取れ!こういうときは深い意味で取るな!!」

「だって嫌味にしか聞こえません!」

「お前相手に俺が嫌味を言うか!」

「言うかどうかは別です!そう聞こえるんです!お兄ちゃんの言い方がものすんごく分かりにくいんです!」

「それを分かってるなら自分の頭でで翻訳しろ!」

「何でそうなるの!?お兄ちゃんがツンツンツーンで、素直という言葉からかけ離れた人間であることが原因で発生した問題を如何して私がそんなめんどくさいことして始末しなくちゃならないんでっすか!」

「それはお前が俺の妹だからだ!」

「だからって兄の失態を妹が後始末するのはおかしいでしょ!妹が兄の面倒を見る!?普通逆でしょ!年上のクセに!」

「っう!」

ヨシ!勝ったー!お兄ちゃんのクセに私に口で勝とうとは。1回転生してから挑むことだな!転生者なめるな!あ、ちなみに、転生者なんだから()の方が年上だ、というツッコミは無しの方向でお願いします。

 さぁーて、スッキリしたところで・・・・・・・・・。

「乙女ゲームplayしますか!」

「す・る・な!」

「えーーー!ちょ、ちょっとぉ!画面の前に立たないで!〇〇様が見えないじゃないですか!!」

クソッ!テレビゲーム型だったのがまずかった。

「平面の人間に様付けするな!!」

「何をーー!!私の〇〇様を愚弄する気かぁーーー!!?」

「平面の人間ごときに本気で怒るな!」

「ご・と・きー!?」

皆さん聞きましたー?この人、二次元を〝ごとき〟とか言いましたよー!今、この瞬間に全宇宙の二次元ファンを敵に回しましたよ、この人!

「ごときとは何じゃ!お兄ちゃんのぶんざい(・・・・)で〇〇様、いや、二次元を貶すな!!」

「お前の優先順位が俺には理解不能だ!!」

「そんなの簡単ですよ!」

私は机の上にあった落書き用紙にマジックで、

「こうです!」

『実先輩≫二次元>お菓子≫・・・・・・(間にたくさんあり)・・・・・・・≫お兄ちゃん』と書いてお兄ちゃんに見せた。

「実は分かる。菓子も1億歩譲ってよしとする。」

いや、多き見積もっても3歩。1億ではない。絶対。

「だが、二次元が俺より上なんだ!!?」

「えー?そんなに上位にランクインしてると思ってたんですかぁ!?自意識過剰にもほどがありますよ!」

「違う!俺は腑に落ちないのは、俺より二次元が上なことだ!」

「そんなぁ、月とすっぽんを比べるようなまねしてぇ。自分でやってむなしくなりませんか?」

「だから何で俺がすっぽんの方なんだよ!!?」

「じゃあ、例えを変えてあげますよ。そうですねぇ・・・・・・・、ピ〇チュウとマグ〇ルゴくらいでどうですか?月とすっぽんよりは差が縮まり過ぎた気もしますけどね。」

「何だ?その・・・・・・、ピカなんとかとマグカなんとかっていうのは。」

「どっちもポケットモン〇ター略してポケ〇ンですよ。」

私は携帯をいじりだした。

「ピカ〇ュウがこれ。」

私がとあるサイトのポケモン図鑑で調べたピ〇チュウを見せた。

「ねずみポ〇モン・・・・・?」

「可愛いでしょ?まぁ、スキルが素早さ以外が低いのが難点ですが、愛玩用としてはお役立ちです。」

「そうだな。」

私はまた携帯をいじり、

「で、これがマ〇カルゴ」

ピカチュウを検索したサイトと同じサイトで調べたマグカ〇ゴを見せた。

「よ、ようがん・・・・!?何だ!?このアホみたいな面は!?」

「ほらお似合い。」

「何処がだ!?」

「アホと言う点です。まぁ、アホな部分が顔と性格と言う点で異なってますけどね。あと、火ですね。ほら、タイプが炎なんですよ。お兄ちゃんの魔法と同じですね。それに防御力が高いっていう点も無駄に身体が丈夫なお兄ちゃんと一緒ですよ!」

「なるほど・・・・・・・、て、納得できるかぁ!!」

「うわー、お兄ちゃん。今のノリツッコミなかなか良かったですよ。」

「もういい!!」

ありゃ?褒めたのに怒られちゃった。

「もぅ。そんなに構ってほしいなら構ってほしいって言えばいいのに。」

「っ・・・・・・・・・・!」

結局、そこなんだよ。自分が遊びに来たというのに、自分そっちのけで私が乙女ゲームをやろうとしてるから拗ねてるだけなんだよこの人。

「素直に『構ってほしい』って言ってくれればちゃんと構ってあげますよ。」

「・・・・・・・・。」

「ほら。」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「早くぅ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

いう気が無いなこりゃ。

「分かりました。思い返してみたら今日来た用件を聞いていなかったので、用件を言う間に素直に言うため、腹をくくってください。」

「そこまでしなくていいだろ!!」

「で、用件はー?」

「・・・・・・・・・・・、マコ。」

「へ?マコちゃんに用ですか?」

マコちゃんは現在小学校のグランドにいる。陸上部ともなると夏休みの間殆ど練習が入っている。今日も、朝の7時から練習で午後の3時に帰ってくる予定だ。まぁ、本当は午前中までなんだけど自主練しているらしい。で、グランドを使えるのが午後3時まで。マコちゃんは毎日その使用可能時間ギリギリまで練習しているのだ。この日ごろの努力がマコちゃんを陸上部のエースにしたのだろう。偉いぞ!マコちゃん!

「違う。マコにも用があるがお前にもある。マコが帰ってきたら、行くぞ!」

「何処に!?」

Where!?とツッコミを入れようとしたら、

「真夜ちゃーん。無事?」

と瞬君がおぼんにお菓子と飲み物を持って部屋に入ってきた。わぁーーー!!何処に行くのか訊いてないよー!タイミング逃したーー!!

「瞬君!何でこのアホお兄ちゃんをオタク(乙女)の部屋に侵入させたの!?」

私は瞬君の両腕をがっしり握り訊いた。

「ち、ち違うよ真夜ちゃん!僕が入れたわけでは決して無いから!玄関からドンドンドアを殴る音がしたから、何事かと思ってドアを開けたら火室先輩が立ってて、いきなり『あがるぞ』って、それだけ言ってズカズカと当たり前のように家に上がりこんできて、真っ直ぐ真夜ちゃんの部屋に行ったんだよ。だから止める隙が無かったの!」

「でも言ってくれれば良かったでしょ!?」

何のために携帯があるんだ?何のための半居候だ!?

「だって、面白いから。」

「え・・・・・・・・・・?」

私はショックで身体から力が抜け、瞬君の両腕から手を離した。しゅ、瞬君・・・・・・・?え・・・・・・?君、魔王みたいに人で遊ぶなんてそんな趣味があったの・・・・・・?ショック!!

「わわわ!!ち、違うから!真夜ちゃんで遊んだとか、そういうのじゃないから絶対!!」

瞬君が私の考えてることを察して慌てて言い訳しようとした。

「本当?違う??」

「うん!違うから!」

「じゃあ、如何して教えてくれなかったの?」

「だってほら・・・・・・・・・、真夜ちゃん、先輩が来てこと全く気付かなかったでしょ?」

「うん。」

「1時間くらい。」

「マジ!?そんなに長時間も気付いてなかった!?」

「うん。それで、長時間気付いてもらえないもんだから先輩相当拗ねてたんだよ。それが面白くって!プププ。」

「あ~、私じゃなくてお兄ちゃんで遊んでたんだぁ。なーんだ、良かったぁ~。」

「おい。それの何処が良いんだ!?」

もちろん、お兄ちゃんのこのツッコミはスルー。

「・・・・・・・て、見てたの?」

「僕、何回も扉開けたんだよ?真夜ちゃんも先輩も全く気付かないんだもん。」

やっぱり酷くない!?

次話は明後日、23日火曜日午前7時にup


~参考~

この201話を書くときに参考にしたサイトのURL。著作権を守るために紹介させいただきます。

・『ポケモン大好きクラブポケモン図鑑』

http://www.pokemon.jp/zukan/

・『ポケモン大好きクラブポケモン図鑑』内、検索結果『ピカチュウ』

http://www.pokemon.jp/zukan/detail/025.html

・『ポケモン大好きクラブポケモン図鑑』内、検索結果『マグカルゴ』

http://www.pokemon.jp/zukan/detail/219.html

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