020.16th My Birthday(2)~お弁当箱~
お昼休み、あの方がやってきた。
「おい!月影妹!!」
火室先輩なぜか火奈ちゃんお熱事件(?)のときから、何かにつけてはお昼休みここに来てはどうでもいいこといって10分ぐらい絡んだあとに帰る。何がしたいのか、さっぱりぽんである。何で来るのかと文句を言ったら、魔道具を指差して
「こいつのせいだ。文句ならこいつに言え!」
と言われた。あー、分かったから。火奈ちゃんのせいで私以外の女の人と絡めなくなったんですねー。でも、だからって私に絡むのはやめてくれ。私もひまではない。休み時間はラノベを読むんだよ!!二次元についてゆかりん(と時々土田君)と語り合うんだよ!!私に二次元タイムを返せ!!
「あと、その・・・・・・・、月影妹って言うのやめません?妹つけないで普通に月影で」
「じゃあ、真夜。」
はぁ!?何言っとんじゃ、火室!!お前に呼び捨てされる筋合いあは全く無いわ!!と、心の中で暴言を吐いていると
「やる」
箱を差し出された。もう、こうなったいじめてやる!!
「何ですか?これ。」
「気になるなら空けてみればいいだろ。」
女子の皆さんの視線が刺さる中、とりあえず言われたとおり空けることにした。すると、お弁当箱が出てきた。しかも・・・・、
「キャラもの・・・・・・。」
幼稚園児が持っていそうなキャラ物のお弁当箱。おいおいおおい、私のことを相当馬鹿にしてるな!?が、そうではなかった。
「好きだろ?それ。」
正気の沙汰かこいつ!!
「何年前の話ですか!!」
「い、今じゃないのか!?」
「違いますよ!!昔です!!む・か・し!!」
アホだ。こいつアホだ。本気だったのかよ!!そして、後ろにいた瞬君がうけてる。これは笑うよ・・・・・・・・。いや、もう一般常識無さすぎてあきれる。
「って、これ・・・・・・・・・、お姉ちゃん情報ですか・・・・・・?」
「そうだが?」
「・・・・・・・・・・お姉ちゃんにとって、私はいつまでも小さいままなんですよ。だから、何でもかんでも鵜呑みにしないでください。お姉ちゃんの話しは常識で補正して聞かなくてはだめです!!」
「そうだったのか!?」
この人、お姉ちゃんの部下1年間以上やってて知らなかったのかよ!!いや、それ以前にこの人は馬鹿なのか!?いや、設定では成績はいいはずだぞ!金島先輩、風天先輩に続いていいはずだぞ!!とりあえず、一般常識が無いのは間違えない!!ということで、アホ決定。そして、私はいじめると言う目的を思い出す。
「でもどうしたんですか?これ。急に。」
「-っ!!だ、だから、そのー・・・・・・、あれだ!」
「あれって何ですか?」
「だから・・・・・・・、って・・・・・・分かってるんだろ!!」
「さぁ?なんでしょう?」
「-っ!!」
先輩は、どんどん恥ずかしそうに顔を赤くさせる。っふ、ツンデレめ!!いや、あんまりデレぽくないけど。・・・・・まぁ、いいさ。私は悪くない。せいぜい素直になれない自分を呪うことだな!!これが私の仕返しだ!!
「あー、うー」
「で、何です?」
私は首までかしげてやった。
「う~・・・・・・・」
私は、先輩の反応が面白すぎて笑いがこらえきれなくなる寸前だ。
「だ、だから・・・・・・・・・・、た・・・・・・・、誕生日プレゼントだ!!」
おお、えらいえらい。今日はごまかず、ちゃんと言い切った。成長したのう。
「はい。分かりました。ありがたくもらっておきますね。」
と私が言うと、ずかずかと歩きかえっていった。
あー、おもしろかった。
その後瞬君に
「真夜ちゃん、よくあの人にあそこまで言えるよね!」
と爆笑されながら言われた。腹抱えて笑ってたもんね、瞬君。まぁ、今もだけど。
「以外とからかっても怒らないんだよね、あの人。だから自分で言うのも何なんだけど、ついつい調子に乗っちゃうんだよね、私。」
「いいんじゃない?あの人にあそこまでいって怒られない人間てあまりいないし。僕としてはいいもの見せてもらったしね。」
瞬君が爆笑を加速させた。しょうがない。当事者である私も笑いをこらえるの大変だったからね。