199.合宿(?)20~合宿(?)の終わり~
お昼近くなった。学校宿泊中の食事は調理室を借りて自炊する。自炊方法は1泊ずつで2チームの分かれて作る。どっちが上手くできたでしょうか、みたいな。材料の買出しからスタートさせるらしい。
と言うわけで割り箸で作られたくじを引く。割り箸にA,Bと書いてあって、これでチームを分けるのだ。以下3泊目(学校宿泊1日目)の結果である。
A:私,実先輩,瞬君,金島先輩,百合ちゃん
B:土田君,ゆかりん,ライライ,お兄ちゃん,植幸君
「お、終わった~~!!」
と言ってるのは土田君。
「ま、ままだやってみてないだろ!」
とお兄ちゃんが言う。負けず嫌いだからね、お兄ちゃん。
「火室先輩がいる時点で終わった~~!!」
「っう!!」
1泊目のことがあるからね。今回ばかりは言い返せなかったようだ。
「あ、でもゆかりん」
「女の子だからって誰でもまやみん並の女子力が備わってるわけではないんだよ(W)☆」
「そうだったーーーー!!」
ゆかんりんよ、そこは絶対自信満々に言うところではないよ!
「ら、ライライは!?ライライはどう!?」
「多分、無理・・・・・・・・。」
ライライが申し訳なさそうに言った。うん、この態度が普通だよ。
「わーんm(。≧Д≦。)m!」
土田、泣いてないで自分でやると言う選択肢は無いのか?
Bチームの負けはもう確定したので、私達AチームはBチームを放置し、近くのスーパーに買出しに向かった。
「瞬君、何作る?」
「うーん・・・・・・・・・、楽なのが良いよね。」
「じゃあ、カレーだね!実先輩、それで良いですか?」
「うん、良いよ。慧も良いよね?」
「はい。」
そして百合ちゃんには話を振らない。もう、これイジメの域じゃないのかなぁ。まぁ、私は話しかけるけどね!
「百合ちゃんもこれで良い?」
「う、うん・・・・・・・。」
うわー、涙目だよ。絶対イジメじゃない?これ。
「お昼は・・・・・・・・、素麺かなぁ。夏だし。」
「茹でるだけで楽だしね。」
そう!そこなんだよ!そして作るのは瞬君、君だ!
「でも、デザートは欲しいなぁ。プリン作ろっ!プ・リ・ン~!」
「はいはい。それは自分で作ってねー、真夜ちゃん。」
「瞬君のケチッ!」
「それ食事全部僕に作らせようとしてた人のセリフじゃないよね!?」
「バレテタ!?」
「バレバレだよ!!」
そう、あくまでも瞬君任せ。だって、家でもこんな感じだもん♪
「めんどくさいからって何でもかんでも人にやらせないの!」
「だって~、めんどくさいんだもん♪」
「あの、じゃあ私が・・・・・・・・」
おぉ!ここで百合ちゃんが会話に参戦!!だが、何故か百合ちゃんが口を開いた瞬間から空気がズドーンと重くなた。私のみが空気を読まず目をキラキラとさせた。
「ほ、本当!?百合ちゃん!」
やったー!可愛いヒロインによる手作りスイーツだぁ!
「う、うん。良いよ、真夜ちゃ」
「真夜!」
「真夜ちゃん!」
「月影さん!」
男3人から何故か叱られるように名が呼ばれた。
「真夜」
「はい。何ですか?実先輩??」
私が状況が分からず首をかしげていると、男3人がため息をついた。そして、「しょうがない」と言うように、
「真夜」
と実先輩が口を開いた。
「はい。」
(だから何んですかー??)
実先輩は私の肩をつかみ私の目を見ながら、
「プリン」
と言った。
「へ?」
「俺、真夜が作ったプリン食べたいなぁ。」
とおねだりをしてきた。そのおねだりに私は、
「はい!頑張って作らせていただきます!」
(実先輩の頼みなら、喜んでー!!)
と即答した。おねだり実先輩にキュンキュンしてる私は、
「よくやりました、実。」
「ふぅー、これで何とか・・・・・・・・。」
「真夜ちゃんの操り方が分かってきましたね風天先輩。」
「うん。単純な真夜も可愛いよね。」
などと、男3人が話していたなんて知りもしなかった。それどころか、
「あ!干物安い!」
お買い得商品を見つけて喜んでいた。うん、この干物朝ご飯にしよーっと!焼くだけで済むからね☆
次の日の昼。再び割り箸くじを引いて2チームに分けた。以下がくじ引き結果。
A:私,実先輩,瞬君,百合ちゃん,ライライ
B:土田君,ゆかりん,お兄ちゃん,植幸君,金島先輩
「こ、このくじ、絶対混ざってなーい( ; ゜Д゜)!」
おい、土田。このくじ作ったのお前だろ。自分で作っておいて何言ってるんだよ!いや、でも面白いから良いんじゃありません?ライライなんてガチで喜んでるし。魔王はそんなライライに笑顔と言う恐怖を与えてるし。うん、見てる分にはとてもお面白い。
結局、この合宿って遊んでただけだよね!!良いのかそれで!!?
次話は明後日、9日火曜日午前7時にup