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194.合宿(?)15~胆試しとかベタだな!~

 現在、合宿(?)2日目の夜。胆試しをやるそうだ。

 昼間は、昨日と同じ感じだった。あーでも、恐怖の尋問&お説教TIMEがあったけどさ。そのときに、胆試しをやることを言い当てた。いつものことながら、企画したのはあの馬鹿で、実行したのはあのアホである。だってゲームでもあったもん。ライライも突っ込みを入れたことによって覚えてたことばれちゃって、一緒にお説教を受けてたけどさ(ププーW)。そう、この子の胆試しイベント、ヒロインがプチ遭難するんです!そこでとった対策は・・・・・・・・・・・。


「百合ちゃん!私と組もう!!」

「え!?」

 胆試し大会は、2人1組になって旅館の近くにある森の奥にある祠にお線香を立てる、というルール。ヒロインは森の中で迷い、ゲーム仕様で携帯もつながらず、組んだ相手とプチ遭難に遭う。その相手役を私が引き受けることにしたのだ。魔王と何が何なのか全く理解していない植幸君以外には反対されたが、私的にはこの企画をマルッと潰す気がないのならこれが一番良い案だと思う。能力的には私が1番ハイスペックだし、精霊と魔元素を通してなら携帯がつながらない状況でも連絡が取れるし。だからプチ遭難に遭ってもすぐにSOSが出せる。うん、効率が良

い。

「で、でも、真夜ちゃんは風天先輩と・・・・・・・」

「んー?実先輩は金島先輩となんだよー。ライライが、『魔王が怖い・゜゜(ノД`)・!』、って泣き付いてきたのー。」

もちろんこんなの嘘である。こんな嘘を付いたなんて知られたらライライに怒られそうだけど、所詮ライライだし。いつものことなので怖くもなんともないし、怒るのはライライなりの愛情表現(?)なので別に構わない。まぁ、何らかの反応を示して相手にするってこと自体がライライなりの愛情表現だということだ。だから、すぐからかいたくなるんだよね~。怒ってるときが1番面白いし。それで怒ってくれるたびに、友達(まぁ、私の場合〝+同志〟がつくんだけど)だと思ってくれてるんだなぁって実感できるから。何より、私に泣き付くくらいなら、魔王の気合で恐怖と戦うだろう。

 そして、私が百合ちゃんと話している間に、

「よーし!なら、ゆかりん。俺と組もっかぁ。」

と土田君が言い、

「ヤダ。」

とゆかりんが冷たく

「即答!?」

した。

「瞬ちゃーん、ライラーイ、ゆかりんが酷ぃ」

「水原ー、組もうぜ!」

「うん、そうだね。雷君。」

と、瞬君とライライが土田君を

「無視!?」

し、ゆかりんが

「逃げ道なし!?」

となって、18期生の組は決まっていった。他期生は決まっているようなものなので、百合ちゃんは私と組むしかなくなった。


 懐中電灯があるけど森の中は暗かった。そこで私は、

「火奈ちゃーん!」

と、火の精霊である火奈ちゃんを呼んだ。

『うむ、如何したのじゃ?真夜。睦がいないのに妾に用とは?』

火奈ちゃんが仮実体で姿を現した。

 正直言うと、火の精霊の使い道需要は全くといって良いほどない。そのため、お兄ちゃん関連(お兄ちゃんへの嫌がらせのため)で呼ぶのが主となっている。それ以外で呼ぶときは、無性に小さいものを撫で回したくなったときとか、ちょっと話し相手になって欲しくなったときぐらいだ。つまり、たいした用では呼ばないのだ。とは言っても、火奈ちゃんはまだ子供な女の子精霊なので常に「構ってほしい」という気持ちがあるらしい。なのでよく勝手に仮実体の姿で姿を表す。そのため、存在感は私の使役精霊の中で1番ある。

「うーんと・・・・・・・、暗いから、周りを照らして欲しいんだよねぇ。」

『うむ!それくらい構わぬぞ!』

どうやら魔法が使えるのが嬉しいようだ。私は火奈ちゃんを召喚した。すると、火奈ちゃんの姿がスケスケのスケザブローな仮実体から、透けていなく輪郭がはっきりした本実体となった。本実体となったため百合ちゃんにも姿が見えるようなり、百合ちゃんが「こんばんわ。」と火奈ちゃんに挨拶すると、火奈ちゃんは何のコメントも返さず百合ちゃんからプイット顔を背けた。どうやら、百合ちゃんは火奈ちゃんに嫌われているようだ。火奈ちゃんは子供だから感情を隠すなんてできないからすぐに分かる。まぁ、基本的にお兄ちゃんの周りにいる私以外の女の子・女性は嫌いなんだけどね、火奈ちゃん。だから、当然といえば当然である。

 私はこの場の雰囲気を変えるように、

「私のイメージどおりに火出せる?」

と火奈ちゃんに優しく頼んでみた。

『どんな感じじゃ?』

と火奈ちゃんが言う。

「とりあえず、頭の中でイメージするから見てみて。」

『うむ。』

私は頭の中に指示をイメージした。

『できるぞ!』

と火奈ちゃんは言った。私が「じゃあお願い。」と言うと、『うむ!』と返事が返ってきた。それを合図に、綺麗な赤い細かい粒子―――火の魔元素が散らばっているのが一瞬見えた後、その粒子が何箇所かに別れて集まり光を放つ玉が何個もできた。私のイメージどおりに火の玉を作ってくれた。いや、私のイメージよりとても綺麗である。

「わー!綺麗・・・・・・!」

と百合ちゃんが言う。喜んでいただけて何よりだ。火奈ちゃんは私に「褒めて!褒めて!!」という顔を向ける。うん、可愛くて癒される。

「ありがとう!火奈ちゃん、凄いよ!私の想像より綺麗だもん!!」

『これくらい、妾には簡単なことなのじゃ!』

そう言って、火奈ちゃんは一時的姿を消した。

 周りが明るくなったのでプチ遭難へのリスクは減ったはずだ。


 祠にお線香を立て、道を折り返す。もうすでに1回通った道をもう1回通るだけなのでもう大丈夫かな?と思った。でも、世の中はそんなに上手くいかないものなのだ。

「キャッ!!」

「百合ちゃん!!?」

百合ちゃんの目の前には蛇。しかも、

「キャーー!!」

追いかけられている。

(凄い!ヒロインの可愛さは蛇にも通用するんだね!)

追いかけられてるのを傍観していた私は呑気にそんなことを思っていた。蛇までもを魅了するヒロインの可愛さに感動すら覚える。おーと。観察している場合じゃない。助けないと。

 私は百合ちゃん(with蛇)を追いかけた。どうやって蛇倒そうかなぁ。うーん・・・・・・・・・。ちょうど火があるし、火奈ちゃんがいるから、焼き蛇にするのはどうかなぁ?上手くいけば食べれるかもしれない。うん、そうしよう!これで決まり!!

 もう1回言います。でも、世の中はそんなに上手くいかないものなのだ。

「あ」

私はこけた。いつものお約束である。そしてそのままスライディングして、百合ちゃんに衝突。そして・・・・・・・・、

「「キャーーーーー!!」」

2人で崖から落ちた。この森は宿から近い。海と宿は近い。つまり、森と海は近い!だから、崖から落ちれば海である。

 私達は海へドボンした。

次話は明日、31日日曜日午前10時にup

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