187.合宿(?)08~俺の違和感~
冒頭真夜視点。その後から途中まで雷瀬視点。最後、第三者目線。
部屋に荷物を置いて、お風呂に行く。海水まみれだから早く入りたい。お風呂セットを持って実先輩と集合場所に行く。
「真夜、前みたいにお風呂でおぼれないように。」
「実先輩、違います。」
「え??」
「前回だけではありません。毎回おぼれるんです。〝前みたいに〟じゃなくて、〝いつもみたいに〟です。」
「それもっと駄目だから!!」
とは言われてもおぼれてしまうものはしょうがない。私だっておぼれたくておぼれいいるわけではない。それに、水の精霊である水姫姉さんがいるからすぐに助けてもらえるから安心だ。頼りにしてるぜ(W)!
「あ!!」
「如何したの?」
「タオル忘れちゃいました!!」
「え!?」
「私、取りに部屋に戻ります!皆には先に入ってるように言っておいてください!」
「ま、真夜!走っちゃ」
ズコー
走って戻ろうとした私はこけた。
「駄目!!て・・・・・・・・・、もう、手遅れか・・・・・・・。」
と言って、実先輩は私を救助してくれた。そして、走って戻って帰ってこないことを約束した。
(月影が部屋に戻った・・・・・・・・?)
男湯の脱衣所にて。俺は妙な違和感を感じていた。ありがちだと言えばそうなのだが、月影が忘れ物をしたのなんて俺が知る限りない。世話焼きな月影なら余分に持っていて人に貸していてもおかしくはないし、むしろ、そちらの方が自然だ。だから、何かひっかがる。何か思い出せそうなんだけど・・・・・・・・・・・。こう・・・・・・・、咽の奥まで出かけてるんだけど・・・・・・・・・・・。
「よーし!飛び込むぞー!」
と言って、土田が洗面器に張ったお湯を頭からかぶった。土田・・・・・・・・、脱ぎ散らかしやがって・・・・・・・・。子供か!
「土田君、駄目だって!!頭打つよ!!」
水原が土田を注意した。し、心配してるのか・・・・・・!?
「そうしたら馬鹿さ加減がさらに酷くなるでしょ!」
心配するとこそこかよ!?
(はぁ、しょうがない・・・・・・。服畳んでやるかぁ・・・・・・・・・。)
そう思い、俺は土田の服に手をかけた。すると、
バシャーン!!
水飛沫が上がった。土田がお湯に飛び込んだようだ。その水飛沫の音に俺はハッとした。
(何で忘れてたんだよ!!俺!)
俺は手に持っていた土田の服をポイッと放し、自分の服を掴み着始めた。
(早くしないと!!)
「あ、雷君!?何でもう1回服を!?」
と水原が声をかけてきた。
「月影が危ない!!」
俺はそれだけ言った。
「え!!?」
と言って驚いたのは水原だが、聞いていたほかの人たちも驚いたようだ。そりゃぁ、月影が黙っていたのだから他の人が知ってるはず無い。そう、俺以外は。
「俺は先に行く!あんたらは着替えてから来い!!」
「え!?ど、どこに!?」
「月影のとこ・・・・・・・・・・、女湯だ!」
着替え終わった俺は、急いで脱衣所を出て、
(月影・・・・・・・・・、無事でいてくれ!!)
走って女湯に向かった。
雷瀬が去った後。女湯の露天風呂から大きな水飛沫が上がった。女湯と男湯を仕切る壁よりもおきな水飛沫が。それを見た雷瀬を除く男達は危険を察した。
次話は明後日、19日火曜日午前7時にup