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161.2年生1学期期末テスト2~何を返せるのか~

「ま、真夜・・・・・・・、さ、慧が言ってたことは・・・・・・・・、え、えーと・・・・・・・」

しどろもどろに弁解しようとしている実先輩に、

「ま、真夜!?」

私は抱きついた。私はしばらく実先輩に抱きついていた。

 どうしてこの人は、私なんかのために頑張ってくれるのだろうか。

(それは、私のこと好きでいてくれているから。)

では、どうしてそんなに頑張ってくれるほど私を好きでいてくれるのか。

(それは・・・・・・・、全く分からない。)

それでも変わらないのは、私がこの人のことが大好き・・・・・・・、愛しいこと。今、膨れ上がったこの気持ちをどう消化したらいいのかが分からなくなった私は、困惑している先輩より大変困っている。

 私のために頑張ってくれるこの人に、私は何をしてあげられるのか、何を返せるのだろうか?

 こんな私が返せるもの。それは・・・・・・・・、

「先輩、少しかがんでください。」

大好きだという気持ちだけ。

「こぅ、・・・・・!!?」

先輩が言い切る前に、私は、先輩の唇に自分の唇を重ねていた。

 数秒後、唇を離して初めて、自分のしたことを理解した。

(ギャ、ギャーーーーーー!!)

私はあわてて先輩に背を向けてお山座りをし、丸くなりながら、

「す、すみません!すみません!!本当にすみません!!」

と真っ赤になりながら、謝罪の言葉を連呼した。

(な、何やってるのーーー!!?私ってばぁーーー!!)

いきなり、あれは無いだろ、おい!!困ってる先輩を、さらに困らせてどーするんだよ!!

「すみません、すみません、すみま」

「真夜」

「せん、すみ」

「真夜」

「ません、す」

「真夜!」

「!!」

パニックになっていて、名前を呼ばれていることに気付かなかった。

「真夜」

先輩がいつの間にか、私の前にしゃがんでいた。

「な、何でしょうか・・・・・・?」

「何で謝ってるの?」

「・・・・・・・、困ってる先輩に、追い討ちをかけてしまったからです。」

っうっう、すみません・・・・・・。

「困ってる?俺が?」

ん?何故、疑問形なんだ?

「困ってたじゃないですか。私が無言で抱きついてたとき・・・・・・・。」

「あ、あれ・・・・・・?そう取られちゃったんだぁ・・・・・・・・・・。」

「???」

「まぁ、困ってたといえば困ってたんだけど・・・・・・・・。」

う・・・・・・、やっぱり・・・・・・・。

「嫌で困ってたんじゃなくて、」

「!」

「むしろ、嬉しかったし、」

「!!」

「嬉しすぎて困ってたといか・・・・・・、」

「?」

「真夜に、じゃなくて、自分に困ってたというか・・・・・・・・・、」

「??」

「何というか・・・・・・・、」

「???」

「えーと、つまり・・・・・・・・、」

つまり?

「だから・・・・・・、そのー・・・・・・、」

「????」

「じ、自分の下心をどう、処理するかで困ってたの!!」

先輩はやけくそになったように言った。

「い、言っただろ・・・・・・・。真夜のことが好きすぎておかしくなっちゃってる、って。し、下心もその1つなんだよ・・・・・・・・・。」

先輩は恥ずかしそうに頬を赤くし、目を泳がせながら言う。

「だ、だから真夜が追い討ちをかけたのは・・・・・・・、困ってる、ていうか・・・・・・・、下心で・・・・・・。て、俺・・・・・・、何言ってるんだろ・・・・・・・・。」

先輩がプシューとなっている。

「え、えーと、つまり、嫌ではなかった、と。」

「うん。・・・・・・・分かってもらえた?」

「は、はい・・・・・・・・・。」

今度は、私がプシューとなる番だ。

「すみません・・・・・・、1人で勝手に慌てて・・・・・・。」

「いや、俺のほうこそ、誤解さちゃってゴメン。あと、さっきのすごく嬉しかった。抱きつかれたのも、キスしてくれたのも、すごく幸せ。」

幸せ・・・・・・・。大好きな実先輩が幸せと言ってくれたことが、幸せ。

「あ、誤解防止のために言っておくけど、俺が下心を持つのは真夜にだけだから。手を繋ぎたいのも、指を絡めたいのも、見詰め合っていたいのも、抱きしめたいのも、もっと触れたいのも、キスしたいのも、全部、真夜だけだから。安心し、・・・・・・・ある意味できないか。」

「いえ。とっても安心しました。」

(全部、私にだけ・・・・・!!)

嬉しくなってので笑顔で言ったら、先輩が顔を真っ赤にさせた。

「先輩」

「ん?」

「私のために頑張ってくれるのはすごく嬉しいんですけど、・・・・・・・無理はしないでください。」

「心配してくれるの?」

「当然ですよ!!私のせい、・・・・・・じゃなくても、実先輩に何かあったら、私、泣いちゃいます・・・・・・・・。」

私がそう言うと、何故か実先輩はフリーズした。え・・・・・、何で?今のセリフのどこに、(おそら)行き要素があったんですか?実先輩??

「実先輩?」

私が声をかけると、実先輩はハッとした。(おそら)から今戻ってきたようだ。お帰りなさい。

「ま、真夜」

「はい・・・・・・?」

「かわいすぎ!!」

と言って、実先輩は私をギュッと抱きしめ、私の身体の肌が出ている色々な部分にキスをしてきた。

(こ、これは・・・・・・・・!(おそら)行きだ!!)

先輩が私のネクタイに手をかけた。聖魔高校の制服は女子はネクタイとリボンが選べて、私はだいたいネクタイを着用している。中学のときは強制的にリボンだったのでネクタイに憧れてたんだよ。

「ぬ、脱がせるわけじゃないから・・・・・・・。」

と言ってから、私のネクタイをはずし、私のブラウスの第1ボタンをはずした。その後、ボタンをはずして現れた鎖骨の辺りを実先輩が自分の唇で強く吸った。

「っ!!」

数秒後、唇が離された。

「ご、ゴメン・・・・・・・。何か印、付けたくて・・・・・・・・・・。ここなら服の下だから、見えないから・・・・・・・・。」

と真っ赤になりながら言い、私の第1ボタンを締め、ネクタイを結んでくれた。


 次の日、私は鏡で鎖骨の辺りを見た。うん、くっきり〝印〟が付いてる。それを見て、私は幸せな気持ちでいっぱいになった。だって、これって・・・・・・・・、

(独占欲、てやつだよね・・・・・?)

と思った瞬間、顔が真っ赤になった。

(し、幸せ・・・・・・・!!)

大大大・・・・・・∞・・・・・・・大好きな実先輩からの独占欲ならwelcomeもんだ。むしろ、たくさんつけてもらいた。こんな人から見えないところじゃなくて、見えるところにも。おねだりするべきか、しないべきか、悩みながら朝ごはんを食べた。

『学園ラブアンドファンタジーをやってみたin乙女ゲーム』半周年記念企画予告


明日、8月5日水曜日で『学園ラブアンドファンタジーをやってみたin乙女ゲーム』が半周年を迎えます。なので記念企画を行います。企画内容は以下のとおりです。


1-1.0時にて、『学園ラブアンドファンタジーをやってみたin乙女ゲーム』の第6話の前編をup

2-1.7時にて、『Emotion~from:学園ラブアンドファンタジーをやってみたin乙女ゲーム~』の第0話をup

2-1.11時にて、『Emotion~from:学園ラブアンドファンタジーをやってみたin乙女ゲーム~』の第1話をup

1-1.17時にて、『学園ラブアンドファンタジーをやってみたin乙女ゲーム』の第6話の後編をup


『Emotion~from:学園ラブアンドファンタジーをやってみたin乙女ゲーム~』は新作です。真夜と水原の過去編で、水原のスピンオフです。今回はその序章をupします。

お楽しみに!



次話は6日にはupしたいとは思っているのですが、期末試験が5日までなのでまだ打ち込んでいません。なので、何時にupするかは分かりません。すみません。

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