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160.2年生1学期期末テスト1~特効薬~

 7月には入って、期末テストがあった。今は廊下に張り出されたその順位表を見ている。

「う、嘘だろ・・・・・・・・・・!?」

とライライが。

「え!?え!?そ、そんなことが・・・・・・・!?」

と土田君。

「中学1年生以来だよ、こんなの・・・・・・・・・・!」

と瞬君。

「あ、ハハハハハハハハー・・・・・・・。」

私!

 そう、私がやらかしました。な、ななんと、私が総合順位1位に!ちなみに、瞬君が2位である。もっと言うと、数学ⅡB(必修)、物理(選択)、化学(選択)、英語(必修)、現代文(必修)、日本史(必修)でも、瞬君を抑えて1位になた。魔法理論学Ⅱ(必修)なんて2人そろって1位だ。

「り、理系科目ではともかく、日本史を真夜ちゃんに負けるなんて・・・・・・!!」

私が暗記科目が超苦手であることを知っている瞬君は本気で悔しがっている。

「いや、暗記科目は前世の記憶持ち(俺達)の方が有利だから、嘆くな水原。」

「ライライ、そうじゃないんだよ。」

私が言う。

「はぁ?」

「私はね、前世(私の前)からオタクなの。だから前世からのオタク知識が頭を占拠しているせいで暗記は苦手なの。」

「なら・・・・・・・、どうしたんだよ?」

「さーて、問題。私が2次元以上に好きなものは1つしかありません。それは何でしょう?」

「お菓子ー。」

「はい、2次元以下ー。て、何で土田君が答えてるの?」

「て、ことは・・・・・・・・・!」

「ハッハッハー。分かったかね、ライライ君。」

「いや、え・・・・・・?勉強に副会長様って、どう使うのか・・・・・・・!?」

私は携帯を取り出し、携帯にイヤホンをつけ、ライライに装着し再生する。

「・・・・・・・・、副会長様になにやらせてるんだよ・・・・・・・・・。」

「え!?何!?」

土田君と瞬君がライライから方耳ずつイヤホンを取り上げて、装着した。

「「・・・・・・・・・・。」」

「これはー・・・・・・・・・、真夜ちゃんには特効薬だね・・・・・・・・・・・・。」

はい、そうですよ、土田君。

「最近、ウォーク〇ンじゃ無くて携帯でなんか聞いてるな、て思ってんだんだけど・・・・・・・・・・、こういうことだったんだ・・・・・・・・。」

そんなこと気付いてたんだね、瞬君。

 読者の皆様に説明。

 この携帯にはあるものが録音されている。そのあるものとは・・・・・・・・・、実先輩の声である。実先輩に頼んで書店で売っている暗記ブックや教科書を音読してもらい、私はそれを録音したのだ。実先輩にイケボを楽しみつつ暗記もできる優れものなのだ!大大大・・・・・・・∞・・・・・・大好きな実先輩の声ならば、前日に聞いておくだけで一言一句間違えずに思い出せる。

「さらに特典つき!ご褒美トラック収録でお値段は・・・・・・・、一応無料!!」

「どっかの通販番組か!あと、一応って何だ、一応って!?」

「ライライ、バカップル事情を察してあげよう・・・・・・。」

「か、体で払ったのか・・・・・・・・。」

ライライが嫌らしい言い方をするからいけないことのように聞こえるけど、実際はあれだよ?1回の録音につき、私から実先輩のほっぺたにキス(その後のイチャつき付き)とか、私が実先輩の耳元で「大好き」て言う(その後のイチャつき付き)とかだからね!いつもとやってることはかわらないから!

 ちなみに、ご褒美トラックには「頑張って」とか「おつかれさま」とかの励ましの言葉が入っている。おかげで、乙女ゲームを我慢して勉強できた。彼氏様様だ。

 とご褒美トラック思い出して、脳内をピンク色にさせていると、

「それ、そんなに、効果あったんだ。」

といきなり耳元で声がした。

(み、実先輩!!)

そして後ろから、ギュッと抱きしめられる。

「俺も、次のテストから真夜にやってもらおうかなぁ。あ、御代はちゃんと払うよ。」

(ぜ、ぜひ、やらせてくださーい!)

と心の中で返しておく。御代が楽しみだ!

 暗記科目以外でも私は実先輩を頼っていた。分からないところがあったら聞いた。分かるまで丁寧に教えてくれて、分かるようになると褒めてくれた。しかも、イケボだなんて!

「み、実先輩はどうでした?」

「あ、俺?さすがに慧は抜けなかったけど、大分差は縮まったかなぁ。」

3年生の順位を見ると、実先輩は2位で、1位の金島先輩との差は大分縮まって10点、、逆に3位のお兄ちゃんとの差は20点ぐらいになっていた。

「すごいです!私の勉強もみてたのに!!」

「まぁ、あれくらい、必死こいてれば当然ですよね、実。」

「!さ、慧!!?」

金島先輩クククと楽しそうに笑いながらこちらに来た。お兄ちゃんも、

「何で、バカップルに負けたんだ・・・・・・・・・。」

とかなり小さい声でつぶやいていた。さらに、ライライが金島先輩を視界に入れたとたん、素早い動きで土田君の後ろに隠れて、顔を青くさせ、震えていた。ライライが1番怖いのは魔王なんだね。魔王の犬だから。

「必死こいてた?」

「はい。月影さん、あなたが言うとおり、実はあなたの勉強をみていたので正直大変だったんですよ。だからといって、今の成績から実が落ちたら、あなたは実を頼るのを止めるでしょ?」

まぁ、人として迷惑をかけるのはよくないからね。

「だから実は、テスト期間の間、あなたがといないときのほとんど時間は勉強していたんです。・・・・・・・・・と、いうことで、実を頼るのを止めたりしないでくださいね。落ち込むとこちらがめんどくさい思いをするので。ちなみに、これは勉強以外のことも含みますからね。」

私が「分かりました」と言おうとすると、金島先輩に目で止められ、

「それは私にではなく、実に言ってあげてください。」

と言われた。そして、目で近くの空き教室を示した。(本人的には)恥ずかしいことを言われて、機能が停止している実先輩を引張って、私は空き教室に行った。

次話は明後日、4日火曜日午前7時にup

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