131.踏み出す準備
夕食を食べた後、瞬君とmy roomで勉強をしていて、ちょっと休憩しようかとなったときのこと。おやつをつまみながら、お茶を飲む。
「・・・・・・ねぇ、瞬君。」
「どうしたの?」
「彼氏に隠し事は良くないよね。」
瞬君はすぐには言葉の意味を理解しなかった。数秒後。
「・・・・・・まぁ、本来はよくないよね。」
「うん。」
「でも、この場合はしょうがないと思うよ。」
「うん。・・・・・・・でもね、私もそう思うんだけどね、それでも、こんなこと秘密にしてて、好きになったもらう資格なんてあるのかな?、って思うんだ。」
「うん。」
「だからと言って、本当のことを言って、チートで先輩にことを落としたと思われるのが怖いの。本当はそうじゃないけど。嫌われるのはもっと怖い。」
「うん。」
「そっからね、でもこれって、彼氏だけじゃないんじゃないかなって思ったの。」
「うん。」
「入学前はさ、基本的には第3者として傍観するつもりだったでしょ。でも、それはもうできない立場になった。ライライに言われたんだぁ、群れすぎだって。でもそれって何でかなって考えてみると、・・・・・・・・あの人たちのこと結構信用してるんだよね、私。」
「うん。」
「それに、自分で言うのも何なんだけど、結構信用されてると思う。」
「うん。」
「それなのに大切なことを秘密にしおて、私ってずるい人間だなって。」
「・・・・・・・・。」
「ねぇ・・・・・、どうしたら良いと思う?」
私は今までそのことから目をそらしてきた。考えるとついらいから。
「・・・・・・・・入学したてのころの僕だったら、秘密にした方がいい、て言ったと思う。」
数十秒の沈黙の後。
「でも、今は、・・・・・・・、真夜ちゃんのしたいようにしたらいいと思う。」
「・・・・・・・!!」
意外だ。だって、瞬君は・・・・・・。
「僕だって意外なんだよ。僕もあの人たちのこと結構信用してるなんてさ。」
うん、そうだよ。
「僕が心のそこから信用できるのはずっと真夜ちゃんだけだと思ってたから。・・・・・・・不思議だよ。」
「うん。私も同じだから・・・・・・。」
なんだかんだ言って、私が1番信用してたのはずっと瞬君だった。瞬君にだけは隠し事無しだった。
「だから・・・・・、本当のことを話しても、あの人たちは真夜ちゃんを信じてくれると思うよ。だから、真夜ちゃんのしたいようにすれば良いと思う。」
「・・・・・・うん、わかった。ありがとう。」
私の背中をお押してくれてありがとう。
「どういたしまして。」
私達は自然と勉強を再会した。
次話は明日、14日日曜日午前10時にup




