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122.お嬢編06~お嬢の復讐心~

Allお嬢視点。


 お嬢編、半分終了です。見捨てないで、読み続けていくれている皆様、激・感謝です!!あと半分もどうか耐えてください。お願いします!!

(なんのなよ、あの子・・・・・・・・!)

私、狂結嬌狐は自宅のベットでイライラしていた。全て、・・・・・・月影真夜のせいだ。


 昨日のこと。聖魔高校にきたからには、学園について知る必要がある。が、実達は学園については話しても、自分達については全く話さなかった。なので、クラスの人々にそこらへんについて聞いた。1人でいれば、私の美しさに惹かれて、男ならば誰でも話しかけてくる。そこから情報を得た。

 総務会には2人の女子がいる。

 1人目は、〝百合人形(リリー・ドール)〟の名を持つ、日陽百合恵。人形(ドール)の名を付けられた理由は、表向きは人形のようにかわいらしい容姿をしていることだが、実際は総務会での立ち位置が空いている場所の飾りに人形を置くのに似て、ただの数合わせに入ったみたいだからだとか。そのせいで、数人の女子からいじめを受けているようだが、ある人物とそこそこ仲が良いことから目立ったいじめはないようだ。ある人物にばれないように小規模なのだ。現に、かなり鈍感なその人物には知られていないらしい。それを聞いて、見た目は目障りだけど私に敵ではないことが分かった。

 そして、2人目。〝妹姫君(シスター・プリンセス)〟の名を持つ、月影真夜。百合人形(リリー・ドール)のいじめの牽制になるくらいの人望がある。姫君(プリンセス)。それを聞いただけでイラついた。それは、私にこそふさわしい。まぁ、その名はすぐにでも私に付くし、それならば、少し痛い目に合わせるくらいでいいと思っていた。だけどあの子は人形(ドール)のようにお飾りではない。ドジだが仕事はでき、素直で裏表がなく、誰とも壁を作らないことから、男女問わず誰からもかわいがられている。特に総務会メンバーからかわいがられているとのこと。総務会、ということは、実達からもかわいがられているということ。鈍感でそれに全く気付くこともなく、さらに、実のことが好きだとか。これもまた、鈍感で皆にばれていることが全く分かっていない。

(人のものに、勝手に手を出そうとしてるんじゃないわよ・・・・・・!!)

私は月影真夜を潰すことにした。


 そして、早速、生徒会室に行ったら、あの子はいなかった。

(私がわざわざ出向いてあげたというのに、いないとはどういうことなのよ!!)

なので、たのんで次の日に会わせてもらうことにした。


 あった第一印象は、見た目はどちらかというと(・・・・・・・・)平凡で、美人という言葉からかけ離れていて、かわいらしい部類に入る。人によっては、こちらの方が好みだというのがいる感じだ。女子には確実に私より好かれそうだ。人が妬むような美人ではないのにかわいらしい、安全安定なレベル。そう、一言で言うならば、プチ美少女。この言葉がぴったりだ。

 そして、聞いていた通り考えていることが顔に出やすすぎる。

 私を見た瞬間、「何でこの人が!?」というのが顔に書いてあるし、呼び出すと「とっとと帰ってくれ。」という顔をした。社会に出で大丈夫なのか、と思うくらい分かりやすすぎる。

 私は嫌味のように姫君(プリンセス)と呼んだ。すると、あの子は「やめてくれ」と言ってきた。

(私に逆らうとは、やはりお仕置きが必要ね。)

私はそう判断し、魔法を使った。

 まずは、腕に軽い痛みを与えた。こうやって、何か嫌なことが少しあるだけで人の精神感覚が変わることを私は知っていた。普通だったら何となく、逆らってはいけないと思うところだ。なのに、あの子は私を睨んだ。これが意味すること。それは、あの子が痛みの現況が私だと分かったということ。何で分かったのかは、分からない。そのことを広められる前に、私はあの子を黙らせることにした。人の中心核である頭、というより脳に痛みという攻撃を仕掛けた。いつもの相手だったらこの時点で床に膝をつく。だが、あの子は、苦しみながらも立ち続けた。多分、あの子は痛みは魔法でまやかしだと知っていたのだろう。だから、効きにくかった。そう、この魔法はまやかし。だから、気に持ちようで効果が大幅に変わってくるのだ。ならば、まやかしだと思っていても誤魔化せられないくらいの痛みを与えればいい。そう考えた私は、さらに威力を増大させた。流石に、あの子も、体制が前のめりになった。

(初めからこうなっていれば、こんなに苦しまなくてよかったのに。かわいそうな子。)

私はいつもの優越感に浸った。

 が、あの子はそれで終わらなかった。

 どうやったのかは分からないが、私があの子に与えている痛みという、1本の線に似た川のような魔力の流れに壁を作ったのだ。その壁を動かし、魔力というよし魔法を私に跳ね返した。私は痛みで倒れこんだ。

「な、なんなの・・・・・・・・!?この子・・・・・・・!!」

私がそう言うと、あの子は勝ち誇った笑みを浮かべて倒れた。

 ざまぁ、みろ。と思った。だが、私は初めての体験にガタガタと震えることしかできなかった。さらに、腹が立つことがおきた。

「ま・・・・・・・、月影・・・・・・!!」

実が私ではなくあの子に駆け寄った。実はあの子の手首をつかみ、脈拍を測った。どうやら正常だったようで、ほっとした表情を浮かべた。それを見た、慧と睦も安心のため息をついた。

 気が付くと他の生徒が群がっていた。結わえる、野次馬というやつだ。野次馬度もがひそひそと話していた。どうやら、ほとんどの人間があの子を心配しているようだ。噂どおりの人望だ。

 実があの子を横抱きにし、

「保健室に連れて行った来る。」

と慧と睦に一言言うと、私を1回見た。

(な、何!?)

実のそのときの表情は、思い出すたびにゾッとするくらい怖かった。今までに見たことがないくらい、怖い顔をしていた。ただし、一瞬のことだった。というか、私を見たのが一瞬だった。でも、確実にその表情は私に向けられたものだった。

 そして私は早退させられた。


 今、思い出しても背筋が凍るくらい怖かった。とても彼らしくない表情だった。彼をああしたのはあの子だ。

(・・・・・・・許さない。)

私は復習を心に誓った。 

次話は明後日、30日土曜日の午前10時にup

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