120.お嬢編04~私vsお嬢、第1ラウンド!~
「こんにちは、妹姫君。私は、3年生の狂結嬌狐よ。」
「は、初めまして、月影真夜です・・・・・・。」
何で私は、お嬢に挨拶をされているのでしょうか・・・・・。何故、私の教室にお嬢が来て、私は呼び出されているのでしょうか・・・・・・・。あぁ、もちろん、お嬢の後ろには17期生3人組がいる。
(えー、私はどうしたらいいのでしょうか・・・・・・?)
と助けを求めようとする。だが、3人とも私から目をそらす。もう、対処不能なんだね!お嬢にお手上げ状態なようだ。だからって、私に助けを求めるなって態度はどうかと思うよ!!?私に、丸投げしないでー!!
「妹姫君はお菓子が好きなのよね?だから、お菓子持ってきたのよ!」
「あ、ありがとうございます・・・・・・。」
毒入りとかじゃないよね・・・・・!?これ。
「あのー・・・・・・・、お、・・・・・狂結先輩」
ヤバイヤバイ。お嬢と呼びかけた。
「何、かしら?」
「で、できたら、そのー・・・・・・・、妹姫君って、呼ぶのはやめてもらえないでしょうか・・・・・・・。恥ずかしいので・・・・・。」
私が躊躇いがちにそう言うと、お嬢は私の耳に口を寄せ小声で
「調子に乗ってるんじゃないわよ、プリンセス。」
と冷ややかに言った。
――――これは警告だ。
呼び名のことだけじゃない。私にお嬢は「逆らうな。」と警告したのだ。
私を気に入らないに理由の1つが、姫君という呼び名なのだろう。その座は自分のものだということなのだろう。だから、わざわざ妹姫君と私のことを呼ぶのだ。こんなのはただの呼び名にすぎない、という意味がお嬢の妹姫君の中には含まれているのだ。
(私だって、あげられるものならあげたいよ!!)
あげられるのであれば、喜んで渡すどころか、土下座して「もらってください!!」とお願いしたいくらい、あげたいです。この本心を言ったら許しては、・・・・・・・・・無理か。
私は背中に冷たいものを感じた。その直後、片腕に痛みを感じた。多分、お嬢の魔法だ。私が顔をしかめると、
「あら?どうしたの?」
とお嬢は心配したように言う。わざと心配してることを取り繕ってるようにしか聞こえない。イラッてきた。私はお嬢を睨みつけた。何故、自分がこんなけんかを売るように睨もうと思ったのかは自分にも全く分からない。理解不能。
すると、今度は、頭に痛みを感じる。やはり、原因はお嬢だろう。こんな卑劣なことをする人間なんて、この場にはお嬢しかいない。私は痛みで頭を片手で抱え、もう片方の手で壁につかまり、やっとの思いで立ち続ける。ここで膝を床につけてしまったら負けとなる。だから、私は苦しくても立ち続けることを選んだ。
でも、いくら私に姫君の名が付いているからって、ここまで怒るか?まさか、他に何かあるのか?痛みから考えてることをそらしたら、少しだけ楽になった。気の持ちようだ。が、私が楽になったのはお嬢もわかったようで、お嬢はさらに痛みの威力を上げた。
「ーーーーっ!!」
少し体制が前かがみになったか、私は立ち続ける。
何か、いつの間にかギャラリーができている。そのギャラリーからも17期生3人組からも私の名が聞こえる。声の感じから言って、私の意識は限界に近いことが分かる。近くなのに声が遠くから聞こえる感じがするからだ。どうにかしないと・・・・・・。
(ゲームみたいに弾けないかなぁ・・・・・・。)
ふとそう思った。この世界の魔法にはそういう概念がない。でも、私にはある。ゲーマーにはある。だが、やったものなんていない。だけど、やってみる価値はある。
私はお嬢の魔力の流れの筋を探した。
(・・・・・・、あった。)
次に、その流れの筋に自分の魔力で壁を作りせき止める。川の流れをせき止めるために仕切りを作るのに似ている。
(できた!)
あとは、その壁をお嬢の魔力の流れに逆らう方向に壁を動かせばいいのだが、ダメだ。魔力が足りない。壁でせき止めるだけでもかなりの魔力を消費したのに、まだいるようだ。気付いたら、どこからか分からないが魔力が沸いてきた。すると
「っう!!」
お嬢のうめき声が聞こえてきた。それと同時に、私の頭痛か軽くなる。少し、跳ね返すことに成功したようだ。お嬢の魔力の流れが途切れた。そして私から頭痛が消え去る。つまり、お嬢が魔法の使用をやめたのだ。
「な、なんなの・・・・・・・・!?この子・・・・・・・!!」
お嬢がそう言ったのを聞いて、私は勝ち誇り、少しの笑みを浮かべた。その後、意識を途切れさせた。
時話は明後日、26日火曜日午前7時にup




