010.生徒会
入学式の後のホームルーム(HR)が終わり、私は生徒会室、瞬君は風紀委員室に呼び出された。途中までは同じ道なので一緒に歩いていると、後ろから背中を突かれる。
「ひゃぁーーーーーーーー!」
びっくりして変な声を上げてしまった。振り向くとそこにいたのは、
「土田君・・・・・・・・・?」
土田光がニコニコしながら立っていた。瞬君が土田君に向かって眉をひそめる。
「もう名前覚えでくれたの?」
「まぁ・・・・・・・・、うん・・・・・・・。」
私が少し怪しみながら答えると、土田君はさらにニコニコする。そんな土田君を瞬君はにらみつける。時々やるんだよね、瞬君。
「・・・・・・・って、すごい形相だねぇ、み・ず・は・ら・くーん。」
土田君が瞬君の眉間をグリグリとした後、ツーんと突く。瞬君のイラポが貯まった。瞬君お怒りだ。
「コラ、瞬君やめなさい。」
私が仲裁に入る。初対面の土田君に注意は入れにくかったので瞬君を注意する。
「・・・・・・・・・。」
瞬君、睨むのはやめたがすんごーく不機嫌丸出し。とりあえず、立ち止まってると(主に瞬君の)空気が重くなりそうなので、私が歩くため一歩踏み出すと2人もついてきた。
「「「・・・・・・・・・・。」」」
重い。早く終わってくれと思うくらい、空気が重い。と思っていたら、生徒会室に着いた。風紀委員室はその先なので瞬君は、「じゃぁ、後でね。」とまぁ、一緒に帰ろうねと言っていってしまった。私は手を振って了解の返事をしておく。
「・・・・・・・・、とんだ忠犬だねぇ。」
「っえ?なんか言った?」
「・・・・・・、何でもないよ・・・・。」
と言って土田君はドアをノックし、「1年、土田です。」っと言ったので、私も「1年、月影です!」と言うと、「入って。」という返事が返ってきたので土田君がドアを空け入り私もそれに続く。
生徒会室内はとても広かった。この部屋の広さは、ゲームでは分からない。現実ならでわだ。主に部屋の半分を使っているぽい。もう半分は、グランドピアノや書物などがある。書物はともかくピアノはいったい何に使うのやら・・・・・・。
「おぉ、来たな1年。早速だが仕事をしてもらうぞ。」
前野会長だ。体の大きさと言うインパクトがでかい。
入学式早々に呼ばれた用事は一週間後に控えた新入生歓迎会のことと、普段行う仕事についてだそうだ。とくにこれといった仕事はないのだが学校のある日はほぼ毎日朝と放課後にここに集まる。仕事の多くは学校で配るプリントのチェックと枚数数え、部活動の管理、行事の運営などらしい。後は役どころによって違う。
その後、することも終わり、帰ろうかと言う感じになり数人出て行ったとき、
「月影!」
っと、呼び止められた。その相手は副かぃ、・・・・・・・じゃなくって風天先輩だった。
「ちょっと時間あるか?」
「は、はい!!」
びっくりしだー。本当にびっくりだー。少し時間がたつと他の人はいなくなった。会ちょぅ・・・・・・、じゃなくて金島先輩が最後に風天先輩の肩をたたいて先輩の耳元でゴニョゴニョと何か言っていた。すると風天先輩は顔を真っ赤にさせて「違う!!」といい金島先輩の手を軽く振りはたいた。そうしたら、金島先輩は、クククと笑い楽しそうな顔をして帰っていった。風天先輩を金島先輩がからかう(?)の図、ごちそうさまです!!
入学式は午前中に終わり、その後生徒会室にいたので現在午後2時頃。話しながら(遅い)昼ごはんを食べようかということになり、近くのファミレスへ。そのことを、一緒に帰る約束をしていた瞬君と昼食を用意しているはずの弟にメールを送る。注文を入れた後私の携帯から着信音がなる。この着メロ・・・・・・・、瞬君だ。
「もしも」
『ま、真夜ちゃん!大丈夫!?無事!?いま、ど』
ドカンと言う音が聞こえる。なぜ?Why?
『もしもし~』
「お、お姉ちゃん!?」
そう私が言った瞬間、風天先輩の顔が引きつる。お姉ちゃん、何かしたの!?
『瞬ちゃんはちゃんと私がつれて帰るから安心して遊んできなさ~い。』
「っあ、うん。ありがとう。」
『じゃあね~。』
そして電話が切られ、ツーツーという音がする。
(・・・・・・・・何の電話だったんだろう?)
「月影先輩からだったのか?」
「いえ。最初は瞬君・・・・・・、水原君からだったんですけど、ドカンという音の後急にお姉ちゃんになって・・・・・・・。・・・・・・・・っあ、月影真美と姉妹だって知ってたんですか?」
「・・・・・・・な、なぐったのか・・・・・・。」
「っえ?私何もしてませんよ!?」
「っあ、いや、月影じゃなくて月影せ・・・・・、って、どっちも月影はまぎらわしいな・・・・・・・。」
(た、確かに・・・・・・。)
風天先輩は〝月影" と〝月影先輩" で分けられるけど、お姉ちゃんと同じ3年生の場合どちらも〝月影" になってしまう。
「なら、下の名前で良いですよ。。」
「っえ?」
「お姉ちゃんでも私でも、どっちもでも下の名前でかまいませんよ。」
これなら区別がつくだろう。
「いや、先輩のほうは・・・・・・・。いやそれ以前に・・・・・・・・。」
(駄目だったかな・・・・・・?)
風天先輩にはぜひとも下の名前で呼ばれたい。何せ私好みのイケボだからね!
「じゃあ、分かった。二人で話すときは真夜って呼んでで良いか?他の人がいるときはそのー・・・・・、慣れるまで・・・・・・。」
そうそう。こういうのは恋愛系のゲームや漫画では定番だよねー。ヒロインが危機におちいたときに思わず下の名前で読んじゃって周りの人に冷やかされるの、うん。って、何で今そうなるきっかけが起きてるの!?・・・・・・・まぁ、いいや。風天先輩だし。
「は、はい!!」
そして頼んでいたものが来た。