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097.春休みのライライ(1)

「はい、ライライ、お土産。」

「どーも。」

お互いが前世に記憶を持っていると分かったときの、春休みに話すと言う約束を今果たす。私たちがいるのは、私の家の最寄り駅の近くのファミレス。私はドリンクバーとケーキを頼んだ。ライライなんてドリンクバーだけだ。

「何で2人だけじゃないとダメだったの?」

アポをとるためのメールの返信にそう書かれていた。

「・・・・・、やっぱり連れてくる気だったのかよ・・・・・。一応聞くけど、誰を連れてこようとした?」

「瞬君」

「やっぱり・・・・・・。ダメだ。水原はダメだ。」

「何でよ。」

「だって、あんたが全部話さなくなるから。」

「何を?」

「風天副会長のこととか」

「っぶ!!」

危うく、飲んでた飲み物を吐きかけた。危ない、危ない。

「な、何で、そんなに聞きたがるの!!?」

「あの時も言っただろ?おもしろそうだから。」

ライライはあの時と同じいたずらな笑みを浮かべていた。

「で、でも、は、話さなくなるのは、誰がいたって同じだ、よ。」

「それはそうだ。だけど、誘導をかけるのはできないことじゃない。その点、水原はゲームでもリアルでも頭がいいから誘導に引っかからない。だからダメだ。」

「そんなことのために、私に瞬君を巻かせたわけ!?」

「そんな、騒ぐようなことじゃないだろ。」

「騒ぐことだよ!本当、骨が折れたんだから・・・・・・・・。」

「何で巻くのがそんなに大変なんだよ!水原はあんたのストカーなのか!?」

「・・・・・・・・。」

「なんだよ、その何ともいえない目は・・・・・・・。」

「やっぱり、ストカーっぽいよね・・・・・・・・。」

「おい・・・・・・・。」

「前々から、いろんな人にそう言われてたんだけど・・・・・・、私も最近そうなのかなって・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」

(やベー、否定できねぇ・・・・・・・。すまん、水原。正直、俺が謝るところじゃないけどな!今回は水原の日ごろの行いが悪い。)

何か空気が重たい。

「て・・・・・・・、ちょっと待って。さっきのライライの発言だと、私が誘導にかかるような馬鹿ってことだよね!?」

「なんだよ、否定する気か?」

「したくなるよ!!だって、私ライライより成績いいもん!昔は瞬君より頭よかったし。」

「昔っていつだよ・・・・・・・。」

「小学校のとき。」

「それ、頭が言いか悪いかじゃなくて、ただのチートだろ!!」

「っう!でも、ライライより成績がいいのは事実だよ!!」

「・・・・・・・分かった。言い方を変える。間抜けなんだよあんたは!!」

「うー!!否定できないのが悔しいー!!」

「・・・・・・・と、言うのは少しの理由だ。」

「冗談だとは言わないんだね・・・・・・」

「当たり前だろ。事実であるのには変わりはない。」

「じゃあ、大きな理由は?」

ライライが急に真顔になる。

「前世に記憶を持ってないから。」

「でも、瞬君には私が包み隠さず全部話したよ。」

「それでも感覚が違うだろ。実際持って、苦しんだわけじゃないからな。」

「っあ・・・・・・・。」

それを言われてしまっては何も言い返せない。

「さて、本題に入るか。あんたはどれくらい覚えてるんだ?前世を。」

「・・・・・・・全部。」

「え?」

「全部だよ。ゲームだけじゃなくて私の前世・佐野真弓の日常生活の全て。そのときの感覚から思ったことまで全部覚えてるの。ここにる月影真夜の6割が佐野真弓が占めてるの。ラブマジだけの観点でいくと、ソンじゃそこらのファンでも知らないことまで全部知ってるの。」

「何でそこまで・・・・・・」

「佐野真弓がすごく熱心なplayerだったから。全ルート、全パターンallクリアー。ファンブックの内容も全部覚えてるし、副会長様ならキャラソンとかポスターまで集めてた。」

「・・・・・それ、変態だろ・・・・・・。」

「だって、好きなんだもん・・・・・・。」

オタクなんだからしょうがない。

「あんたの前世の佐野真弓ってどんな人間だったわけ?」

「病院生活と言うなのに引きこもり生活を送ってた乙女ゲームマニア。何の病気かは忘れたけどかなり厄介な病気を抱えてて、幼稚園から引きこもり、小学校から死ぬまで病院生活してたの。そして18才になる前に死んだの。引きこもり生活の暇をつぶすために色々なゲームをplayしたり、ラノベを読んでたりしたらオタクになったの。でも、ちゃんと勉強もしてたんだよ。そのおかげで特進には入れたしオタクなんだ。」

「確かにあんたの大半はオタクでできてるもんな。勉強はやっぱりチートか。」

「ライライは?」

「俺もチート。だから、特進の下にやつらぐらいの成績は取ってるだろ?」

「そうだね・・・・・・。」

確かに高校に入ってから成績えを落とした特進ぐらいの成績だった。あれはチートだったのか。

「あとさぁ、あんたはゲームのキャラだから副会長が好きなの?それとも別?」

「別」

「ほーう。その根拠は?」

「他のキャラをね、playしているときはただ黄色い声を上げるだけなんだけど、あの人、あの人のときだけはね、ドキドキするしキュンてするの。今もそう。ドキドキするのをキュンってするのも風天先輩だけ。」

風天先輩だけ。触れられるとドキドキするし、私だけに笑顔を向けられてもドキドキするし、顔が近くてもドキドキする。照れたり恥ずかしがってるとキュンってする。隣にいるだけで幸せな気持ちになる。独り占めしたくなる。全部風天先輩にだけ。

「これは恋でしょ?つまり私が言いたいのはね、・・・・・・・前世から風天先輩に恋をしていたってこと。」

「・・・・・・・・・。」

ライライがムスッとしている。

「・・・・・、自分から聞いといて、何で怒ってるの・・・・・・・・。」

「・・・・・・・面白くない。」

「はぁ!?こっちは恥ずかしいのに頑張って、真面目に返したのに!!じゃあ、どう答えると思ってたの!?」

「・・・・・・、どっちだか分からなくて、あわてる。」

「ライライ・・・・・・、喧嘩売ってる・・・・・・・?」

「俺はいつもどおりですよー。」

「そうでしたね!!」

あーもー、めんどくさい!

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