③
何も言ってくれないのは放置プレイ♡とポジティブに考えてみました♪
正解はっ!
『その男には片腕がない。
傭兵だったころに切り落とされたのだと本人はいうが、鵜呑みに信じることはできない。
失った左腕に振り回されるようによろよろと歩く姿は滑稽で、愚鈍ですらあった。
ただ、何かの折に見せる目つきの鋭さは、ぞっとするほどに冷たい戦士のそれであった。』
んん? どこが変わったかって?
二行目の『今の彼を見ていると』を削りました。
腕を切り落とされたと語る『本人』と『今の彼』は同一人物なので、同じ文中に書いておく必然性はないのです。見た目的にも美しくないし……
見た目的に美しくないと言えば、後ろの二行の締めがどちらも「あった」なのも見苦しいなあ……「あたあた」言っていいのはケ○シロウだけなのです。
前半二行も「ないない」になっとるし……というところを少しずつ、少しずつ修正していくのだから、推敲とは実に地味な作業です。
ここまでは短い文章で例をあげてみましたが、長編も原理は同じです。
全体の1割を削った『箱』を作って、その中に必要なものだけを拾い上げてゆく。その作業の繰り返し。
その結果、一章全て削除なんていうこともざらにある。
え? そのせいで尺が足りなくなった?
じゃあ、書け! 書き足すのだ! アザとーはそうしとるっ!
それも、削る分を見越して多めに書き足します。100文字削るつもりで200文字書く、一章は削るつもりで二章書く。そうして再び推敲を行う……練習としては気の遠くなり過ぎる作業ですな。
だから短い文章で繰り返し練習をするのです。
例えば、なんかもたついているな~と思う長台詞。文字数をカウントして1割を削ろうとしてみると、突然、不要な部分が見えるようになる。そうしたら次はもたついている1小節を……というように練習を積み重ねれば、作品の中からばっさりと一章でも二章でも削る覚悟が身につくのです。
さあ、レッツ☆トライ!
レッツ☆トライするのはご自由ですが、我流なんでアザとー程度の文章力しか身につきませんよ?