32話 不味すぎるキャンディー
「お前等~、席につけ~。今から転校生とかを紹介するぞ~」
「『とか』って何ですか~!」
「『とか』は『とか』だ~」
「「「「あははははっ!!」」」」
「んで、2人いるから。もう知ってるヤツもいるかもしれねーし、もう1人は知らないヤツは、たぶんいない!つーわけで、入ってこ~い」
ガラッ
「ちょっ、アイツって・・・」
「なんでアイツがBクラスに・・・?」
「Fクラスじゃなかったの?」
「地味な方って桐夜様と空様に・・・」
やっぱり生徒会のこと、もう広まってる。てか、様って!でも、敦が来たほうが目立ってるみたい。グッジョブ敦!
「んじゃ~右の方からどーぞ」
「えっと、新堂伊阿です。よろしくお願いします」
「神崎敦」
「はい、紹介終わり。伊阿の席は、秋菜の隣な」
「ど、どこですか?」
「ほら、あの金髪の後ろ席」
金髪?
「敦は・・・その金髪のヤツの隣でいっか」
「テキトーに決めるなよ」
あれ、玲がこっちに向かってくる気が・・・
「伊阿~!」
はぁ~~・・・お前は目立つから、大人しくしてろって言っといたに・・・やっぱりダメだったか。この技はあまり使いたくなかったが、しょうがない。
「玲!とってこ―――――い!」
そう言って出したのはキャンディー。しかも、玲が1番好きなコンポタージュ味。不味すぎて、あまりにも売れなかったせいで、今じゃ超、超、超貴重なキャンディー。一度食べたことがあるけど、不味すぎて、3日間食欲がでなかった代物。しかし、玲の場合は、味音痴なので普通に大好きな味になってしまった。
という、過去を持つキャンディーは、玲の席まで行って、今は玲の口の中。よく食えるよな、あんなの。
今のとってこーいで、周りが一気に騒がしくなった。
もちろんそんなことは無視して、笑顔で高田先生に振り返り言った。玲に対する苛立ちも込めて・・・
「先生、お騒がせしてすいません」
「あ、ああ(なんか、今恐かった)」
「敦、行くよ」
「へー、へー」
席に向かうだけでも、いちいち騒がれる。
「今の聞いたか?」
「てか、あの不良が言うことを聞いたぞ」
「ありえねー」
でも、玲と敦のおかげで緊張はほぐれたかも。こういうときに、バカ共は使えるな・・・
そう思いながら自分の席に座った。
「あら、顔のわりに人気者なのね」
「んなっ!」
席につくや否や、隣の子にそんなことを言われた。




