1話 噂話
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「なぁ、知ってるか?」
誰かがそう言った。
「あぁ、転入生が来るんだろ。
この学園に転入生が来るなんて珍しいよな~」
1人が答えた。
「あっ!それ私も聞いた!聞いた!」
誰かが答えれば、また1人、また1人と「知ってる!」「俺も聞いたことある!」なんて言って、噂話で盛り上がっていた。
まぁ、転入生でもなんだっていいけど、五月蝿くてしょうがない。
そう思っているときに、誰かがとんでもないことを言った。
「その転入生って、スポーツ万能で、頭よくて、なんと、武器の腕はあの新堂家の理事長と校長と互角って噂らしいぞ!」
は?今、何つった?
スポーツ万能、頭がいいってところはどうでもいいんだ。問題は、新堂家の理事長と校長と互角っていう事・・・
これ本当だったらアイツしかいないよな・・・
探りを入れてみるか。
「んな事あるかっ!!」
「つーか、そんな噂流したヤツバカだな~」
「新堂家の方々が聞いたらどうなんだろ」
「そんなん、怒るに決まってんだ・・・」
「ねぇ、その転入生の話、もう少し詳しく聞かせてくれないかな?」
誰かが言い終わる前に俺はいった。
ザワザワ・・・
「えっ!!え、っと・・・う、うん」
予想通りの反応。
自分で言うのもあれだけど、俺はクラスのヤツ誰1人話した事がない。
べつに、いじめとかじゃない。
ただ単に、アイツ以外の人間に話す価値なんて無いと思っているから。
今、話しかけちゃったけど。
でも、流石にここまで驚くことは無いでしょ。
もちろん、どうでもいいことだけどね。
「その転入生の名前ってわかるかな?」
単刀直入に言う。
「え、っと・・・。そこまではわからないかな・・・」
「あっそう」
あ~あ、期待して損した。
おもむろに嫌な顔をして見せた。
「す、すみません!」
何にもしてないのに、誤られちゃった。なんか不良みたいで嫌だな・・・
「で、でも、外見くらいなら少しくらい・・・」
「じゃあ、外見教えてよ」
「た、確か全体的に平凡って・・・」
「それ本当!!」
期待した目で見る。
「う、噂だから、本当かどうかはわからない・・・です」
「ふーん・・・。まっ、それだけでもいいか」
まだアイツとは限った訳じゃないけど、俺の中では約6割確定したかな。
「ぁ、あの~」
「なに?」
俺に質問するなんて度胸あるね。
「なんでそこまで、転入生にこだわるんですか?」
それを聞いた瞬間、少しイラついた。だって俺の命の恩人かもしれないヤツなのに、その言い方って、まるで「転入生なんかに」って言ってるみたいだったから。
「そんなの君達には関係ないし、話す必要なんてないでしょ」
アイツには、こういうときはちゃんと「あいがとう」って言われたけど、アイツをバカにするなら「ありがとう」なんて言葉言わない。
「いや、で、でも・・・」
「これ以上はなすことも無いでしょ」
そう言って俺は自分の席に座った。
タイミングよくチャイムが鳴った。それとピッタリに数学の教師の佐々木が入ってきた。
立ち歩いてた生徒達はすぐさま自分の席に座った。
はぁ~、こんな退屈な授業より、実習の授業でモンスターとか倒していくつがいいな。その方がストレス発散できるし。
ぼ――――っとそんな事を考えてたら、佐々木が「この問題解いてみろ」なんて言うからその問題を見たけど、うわぁーめんどくさそう。わかりませんで通すか。
「わかりません」
「こんな簡単な問題も解けんのか」
「はい、わかりません。
ですので、テストの問題をもっと簡単にしてください」
「貴様!!
生徒の分際で教師に逆らうつもりか!」
「それを言うなら、
教師の分際で生徒に「貴様」なんて言っていいんですか?」
「何!?」
「この先の未来を持つ子供と、この先、リストラされるのを待つか、死を待つ大人とじゃ、未来を持つ子供の方が上でしょ」
「年の差があるだろう!!」
「べつに今の時代、年の差なんて関係なく、佐々木先生より身分が上で、天才な人なんて普通にいますよ。それに今必要とされるのは、武器を持ち、その武器の力を活かすことができる人間・・・。違いますか?」
「っ・・・!
もういいっ!席にすわれ!」
「はい。
ありがとうございます」
俺はニコニコ顔で言った。
周りのヤツ等は「すげ―――」「あの佐々木に口喧嘩で・・・」などとコソコソ喋っている。
まぁ、口喧嘩で俺に勝つヤツなんて、そうそういないけどね。
はぁ~、つまんないな~。
もし、あの噂が本当ならお前はこの学園に来るんだよね。
そうなったら――――――――
毎日が面白くて、楽しくて、堪らないだろうな~
転入生、楽しみだな。
校長室
「校長先生!アイツは何者なんですか!」
「アイツって誰ですか、佐々木先生」
「アイツですよ!1年のBクラスの「鈴木玲」ですよ!」
「嗚呼、玲君ですか」
「お知り合いで?」
「知り合いも何も、私の息子の親友ですよ」
「は?」
「いや~、玲君は小さい頃からあそんでましてね~。
使用人は皆、玲君のこと知ってるんですよ。
それに玲君も、使用人の名前と顔全部知ってるんですよ。すごいですよね。
その彼が何かしましたか?」
「い・・・いえ、特に何も・・・」
「そうですか。
他に用件があるんですよね」
「はっはい!
えっと、この前出したテストの問題を手直ししたいので・・・」
「嗚呼、はいどうぞ。
確かに、この問題はBクラスの子達には、少々難しいですしね」
「はっはい!」
「では、がんばってくださいね」
「失礼しました!」
バタンッ!
「そんなに勢いよく閉めたらドアが壊れてしまいますよ」
1枚の写真を取り出した。6人の家族写真だ。
「ふふっ、あと1週間ほどで来ますね。
玲君に連絡しないなんて・・・まぁ、彼ならうすうす気付いてるでしょう。
それにしても、楽しみですね―――――――伊阿。
お前がこの学園で、いったい何をするんでしょうか。
楽しみでしょうがないくらいだ」
コンコン
「どうぞ」
「失礼します。校長、理事長がお呼びです」
「あぁ~、はいはい。わざわざすまないね」
「いえ、それでは失礼しました」
パタン
「はぁ~、めんどくさいなー。
でも、しょうがないか」
校長―――――凱は理事長室に向かった。
長々となってしまいました。
私、文字打つの遅いので何時間もかかってしまいました・・・