17話 マジギレ・玲
売店
「ねぇ、伊阿。食堂に行きたかったんじゃないの?」
「生徒会の人達が、まだ近くにいるかもしれないだろ」
「ねぇ、伊阿」
「なに?」
「なんか、怒ってない?」
「べつに」
「怒ってるよね。絶対怒ってるよね」
「だから怒ってないって」
「俺が心の中で笑ってたのが悪いの!?それとも生徒会のヤツ等!?」
自分で「内心、笑ってました」って言っちゃたよ、この子。
「・・・・どっちも」
「ごめ゛ん゛ね゛~、い゛ぐま゛~」
泣きながら言われると俺、弱いんだよね・・・特に玲は
「わかったから。もういいよ」
「許してくれるの?」
この期待の眼差し
「うん」
そして、この一言ですんごい笑顔になる
「じゃあ・・・・」
あれ?なんか玲君の後ろから真っ黒なオーラが見えるんですけど・・・
「生徒会のヤツ等にも、謝らせないとね・・・・」
玲君・・・かなりブラックな笑みなんですが・・・
それより、今そんな事されたら俺、マズイよね?
「ス、ストップ!玲、生徒会の人達のことはもういいから!それより、早くおじい様の所に行きたいな~・・・」
「・・・まぁ、伊阿が言うなら・・・」
よかった――――
「おじい様に遅れたお詫びと、差し入れに何か買って行きたいんだけど・・・わっ!!」
売り物を見て歩いてたら、誰かにぶつかった。早く謝らないと・・・
「す、すいません」
「あ゛ぁ?」
銀髪、唇と耳にピアス、睨んだだけで殺せちゃう目付き・・・いかにも不良さんだよ・・・「骨折れた。慰謝料よこせ」とか言われたらどーしよう。それにしても、綺麗な銀髪だな~
「伊阿!大丈夫!?」
「え?う、うん」
銀髪に見惚れてた・・・
「鈴木玲!?」
なんか銀髪さんが驚いてる
「おい・・・お前・・・」
あ、ヤバイ。声が低くなってる。玲のヤツ、マジギレだ
「・・・・・れよ」
「あ゛?」
「伊阿に謝れよ!!」
いつもの玲なら声を張り上げるなんてことないのに・・・
「れ、玲?俺大丈夫だから!ね?後で玲の好きな物作ってあげるから!」
「・・・わかった」
「こねーのかよ。噂の鈴木玲もたいしたこともねーな」
あ゛?今、なんて言った?