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月の森の物語  作者: 喜多彌耶子
望月の夜に
2/11

ラーニャがじっと視線を凝らす先、良くみればそれは小さな虫のよう。


ちらちらとそれが羽ばたくたびに、光の粉が舞い散ってゆきます。


そのあまりにも綺麗な光に、小さく感嘆のため息を漏らしながら、ラーニャがよくよく目を凝らしてみれば、それはとても小さな妖精でした。


さらさらと光と共に流れる髪をたなびかせ、ほんのラーニャの親指くらいのサイズの妖精が、かわいらしい器を手に手に持って、次第に集まってきました。


どんどんと集まるうちに、それはまるで光が集まってくるようで、あたりがうっすらと今まで以上に明るくなります。


その光が集まると、やがてその小さな妖精達は、一斉に同じ方向へと、飛びはじめました。



どこにいくんだろう。


ラーニャは好奇心をおさえきれずに、じっと視線を凝らします。

どきどきと心臓がなって、目をキラキラと輝かせながら、妖精達を驚かせないようにじっとそこにうずくまって、じっとじっと目を凝らします。


視線の先で妖精達は、まるで光の帯のようになりながら、森の奥へと進みます。


ラーニャは、そっと、後をついていきました。


光の帯のたどりついた先は、まるで鏡のように美しい湖でした。

きらきらと光を反射し、まるで夢のよう。


うっとりとラーニャが見惚れていると、妖精達は、せっせと何かをしています。


良くみると、妖精達は小さな小さな器一杯に満月の映る湖の水を、汲んでいるではないですか。



せっせと汲みあげては、思いのか、ゆらりゆらりと揺らぎながら、妖精たちは汲んだ水を運びます。


何をしているんだろう。何に使うんだろう。


光に誘われるまま、ラーニャは妖精達の一部始終をじっと見守りました。




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