北風が負けない イソップ童話『きたかぜとたいよう』
ある時、北風が太陽に力じまんをしていました。
「私は どんな物でも かんたんに 吹き飛ばすことばできる。世界で一番強いのはやはり私だろう」
すると太陽は言いました。
「ふふん。確かに あなたは力持ちだ。でも、一番 というのは どうかな?」
そこで両者は力比べをすることにしました。
「あそこにいる旅人の服を脱がせたほうが勝ちとしようか」
「よし、いいだろう。最初は北風さん、あなたの番だ」
北風は暴風で旅人の服を吹き飛ばそうと考えたのですが、服は脱げません。それどころか
「寒むっ!これはもっと着こまないと…」
旅人は寒がってコートを着込んでしまいまいした。
「北風さん。どうやらダメでしたな。今度は私の番…見ていなさい」
太陽はそう言うと激しく輝きはじめました。さんさんと日光が降り注ぎます。
「今度は暑くなってきた!全く今日は天気がころころ変わるな…どれ、スイッチオン」
「!?」
「さすがワー〇マン保冷剤入りの空調服。涼しい~」
「馬鹿な…!」
「ハッハッハ。ダメでしたな太陽さん。時代に合わせてアップデートしましょうや」(ポンッ)
「ぐぬぬ…」
「じゃあ今度は私のターン」
そう言うと北風は、ナイスバディの美女に化けました。そして旅人の前に出ていき
「旅人さーん。私と、イ・イ・コ・トしなーい?」
「喜んで!」
「じゃあそこの農機具小屋で…服を脱いでくださる?」
「もちろん!」
「ポカーン」(太陽)
こうして太陽は北風にまさかの敗北を喫して落ち込んでしまい、
顔にたくさん黒点ができ非活動期に入ってしまいました。
(終)