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侍女として、乳母を目指します。

作者: satomi

侍女として、見守り続けます。 のスピンオフ作品です。殿下目線でお送りいたします。

よろしくお願いします!

 ジャスミンの侍女のリザは本当にできた主人想いの侍女だと、俺は評価する。

 おっといかん。俺はレイルール=レイル。名前が変だが、こういうものだ。公爵であるジャスミンを支えるべく隣国のヴェルフックの第2皇子だったが、婿入りした。

 ジャスミンの美しさの前では、王位継承権?何それ?美味しいの?という状態である。


 無事に俺と結婚したジャスミンの美しさときたら、それはもう!語り尽くせないな。外面だけでなく内面も美しく、知識や教養も兼ね備えている所がまた彼女の魅力の一つだと俺は思う。その内面の魅力が外面に滲み出て……おっとこのままでは一晩中語ることになりそうだ。


 それもジャスミンの手腕がかなりよかったのだろう。公爵代理のせいで荒れた領地、すさんだ領民のハートをジャスミンはここ半年足らずで再興してしまった。

 領民からの支持もかなりあり、ジャスミンに一生ついて行く!と意気込んでいる領民さえもいる。


 そうそう、最近やっと(?)我が家に長男が生まれました!

 リザ嬢は乳母をしたかったようで、ジャスミンが妊娠中にかなりの努力をしていました。

 その努力の小話を少々(笑)


 

 リザ嬢はどこから見ても完璧な侍女。だが、どうやら恋愛事には初心なようで…。

 ジャスミンの妊娠が発覚した時点で、『乳母になる!』と意気込んだのだが、どうにも相手はいません。というか、わかっています。本人は気づかれていないと思っているだろうがバレバレだ。ジャスミンの護衛をしているルックだろうね。二人はいつも喧嘩漫才のようなことをしているから、バレバレだ。

 ルックの方もリザ嬢のことはまんざらではないだろう。


 そんな二人だがルックはジャスミンの妊娠が発覚してからというもの、神経を尖らせて護衛をしている。

 俺も過保護だと言われたけど、そうなのかなぁ?なにしろ初産で、あのジャスミンだし。彼女にもしもの事があったらと思うと……。というのが俺の男心だった。

 ゴホンッ、俺のことはともかく、ルックも気を抜けるように俺も結構ジャスミンの方へ足を運んだ。これが『過保護』と言われたんだろうなぁ。

 それでだ!なんとか二人をくっつけたいと、ジャスミンとも相談。

「そうねぇ、リザはとことん鈍いから。以前も男性からのアプローチはあったのよ?ヴェルフックにいた頃。でも、鈍いから……。はっきりと言わないと伝わらないわね~。「付き合ってください」だったら、「どこに?」ってレベルよ?」

 俺はちょっと眩暈がした。どうすればいいんだ。ストレートに「抱きたい」はダメだろう?紳士的じゃない。「離したくない。離れたくない」は職場だと思うか?

 この口説き文句についてはルックと要相談案件だなぁ。


 こうして俺はルックと口説き文句について相談しようとしたのだが……。

「なんで、俺の気持ちを知ってるのですか?」

 こっちにも鈍い人が……。鈍い人が鈍い人に告白……。上手くいくんだろうか?


 結果的には上手くいったけど、どういう口説き文句だったかは教えてくれない。気になる。二人は籍は入れるが挙式はしないらしい。「「忙しい時にそんなことしてられません!」」だそうだ。

 リザ嬢の家は伯爵家だから、どうやって結婚の許可をいただいたのかも気になるところだが、その点も黙秘。俺は二人の雇用主で主人であるはずなのに、かなりの黙秘権を行使されている。

 ジャスミンには知らせているようだが、ジャスミンは俺に教えてくれない。「ゴメンね。口止めされてるの」と可愛い顔で顔の前で両手を合わせて言われたら、KOだ。



 それからというもの、ルックとリザ嬢は定時で帰宅するようになった。

 リザ嬢の目的である子作りか??

 ルックは護衛をするだけあって、かなりの体力があるがリザ嬢は大丈夫だろうか?

 ま、なるようになるだろう。



 俺はそのように傍観していた。本当にリザ嬢も妊娠した。ルックよ、それでいいのか?お前は種馬みたいな扱いだが?

 リザ嬢曰く、「私はルックのことをちゃんと思ってますよ、旦那様とはいえ失礼ですね!」と怒られた。

 ジャスミンは「めでたいことだもん。いいじゃない?」と言っていた。



 その後、ジャスミンは男の子、名をマーティンという。マーティン=レイル。語呂で選んだ。を出産した。

 リザ嬢は「出来るなら、女児を産んで、畏れ多くもマーティン様と婚約出来たら……と思ってしまいます。」それはどうだろう?本人次第かな?レイル家は公爵家だけど、実力主義を貫くよ。あと、俺ももう一人くらい子供欲しいし。その子が継ぐかも。


 リザ嬢は男児を出産した。名前をハル。元気な子でなにより。と俺もジャスミンも祝福した。リザ嬢としては女児が良かったかもしれないが、マーティンの遊び相手ができて俺は良かったと思う。公爵家の子としては‘遊ぶ’ことも上手くできないかもしれないからな。



 問題なのはこの後だった……。

 リザ嬢は乳母として、二人を授乳できてるよ。でもなぁ……オムツ交換とか下手くそなんだよ、俺より。ある意味芸術的な尻が二つ完成する。

 見ていられないと出産経験のある使用人がオムツ交換をしてくれた。ありがたや~。

 あと、着替え。何故だろう?力加減か?他の貴族から出産祝い(賄賂だろう)にと、いろいろとベビー服が届くのだが、リザ嬢……着替えさせると服が破れる。どうしてだろう?本人も「どうして?」と言っている。オムツ交換ついでにこれもしてくれている。

 他にも二人をお風呂に入れると、耳を塞ぐのを忘れていたり、首が座っていないのに無理に抱き起そうとしたり……。

 見ていられない!と出産経験のある使用人が数名代わりにやってくれている。


 結果、リザ嬢がしている事は授乳のみ!「何で~?」とリザ嬢は言うが、こっちこそ()()完璧なリザ嬢が何故できないのか知りたい。


 マーティンとハルは互いに切磋琢磨し成長した。

 その間、俺とジャスミンの間に女児も産まれた。名前をフローラという超美少女。嫁にやりたくない!

 マーティンが俺に似て騎士の才能がありそうだ。ハルとのチャンバラごっこを見る限り。だとすると、フローラが次期公爵か……。


 リザ嬢が思うレイル家と婚姻関係を結びたいって結構アリかもしれないぞ?俺は嫌だけど、フローラがハルとどうにかなればな。



END











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― 新着の感想 ―
口調がちょいちょい変わるのは、殿下の横で公爵閣下がちょいちょい口を挟んで来てるから? お話としては面白かったです。何故にリザ迄馬鹿力になってるのか…夫婦生活が体力勝負なのかな…。 ありがとうございまし…
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