表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/46

第四話:地獄の料理と副作用

また、次の戦いのための前置き的回です

そしてその夜、森の中にテントを立てて寝る準備は整った。あとは夕食だ。その夕食はカレーらしいが、


「♪~~♪~♪」


リリアが作っているのは何?カレーのルーにニンジン、じゃがいも、玉ねぎ、あわって牛肉をそのまま放りこんで鍋で煮ているんだけど。


「ねえ?リリア?それは何て言う料理なの?」


「カレーですよ」


「………そうか…………ちょっと変わって」


「はい」


これを食べたら何だか取り返しのつかない事になりそうなので、僕が変わってカレーを作り始める。これでも前の世界では家庭科で5を取るほどの実力だ。

とりあえず直接放り込まれていた具材たちを鍋《地獄》から助け出し、細かく切り刻みとろ火で煮詰めた。

そして、そのカレーを食べたリリアの感想は

「…おいしいです」


好評だった。


「良かった、口に合って」


「はい……ゴホッゴホッ」


突然リリアの顔色が悪くなり、咳をして………血を吐いた。


「どうしたの?大丈夫?」


リリアの後ろに立って背中を擦った。すると少し楽になった用で少しだけ顔色が良くなっている。


「もう…大丈夫です……これは一体化の副作用の様な物なんです」


「副作用?」


「はい、ある条件を満たさないと一体化の後に体にダメージがやってきます」


それを聞いて頭に血が昇った。


「何でそれを言わなかったんだ!」


「ユウタ君がそんな性格だからですよ」


「!?」


「あの時、副作用の事を話したら絶対に一体化してくれなかったでしょう?最悪、勝てないと分かっていても1人戦ったでしょ?現に今だってそのことで怒ってくれたじゃないですか」


何も言えなかった。


その後は二人とも何も言わず無言でしゃがみ込んでいた。


その沈黙を破ったのは僕でもリリアでもなく、突然の来客だった。


「ガアアアアアアアアアア」


その雄たけびで僕らは同時に立ちあがった。


「「ジールグル!」」


「グガアアアアアアアアアア」


「グガアアアアアアアアアア」


「グガアアアアアアアアアア」


音が反射するから色んな方向から雄たけびが聞こえてきて、さらに辺りが暗いのでジールグルの居場所が全くつかめない。


「一体化してください!」


リリアが言った。けど……


「そんな状態で一体化したらどうなるんだよ!!」


さっきよりは大分マシになったけど、まだ足もフラついているし顔色も悪い。


「でも!」


「ガアアアアアアアアアア」


いつの間にか、声が近くからになっている。


「クソ!」


「グルルルガアアアアアアアア」


ひときわ大きい雄たけびと共にジールグルが飛び出してきた。爪の横なぎをスレスレで避ける。でもジールグルの狙いが僕じゃないことに気づき叫ぶ。


「リリア!避けろ!!」


「キャアアアアアア」


リリアはジールグルの攻撃を避けきれず、爪がリリアの肩をかすめた。鮮血が飛び散り、リリアが肩を押さえてしゃがみ込んだ。

ジールグルはそのままの勢いで森を背にリリアと間合いを取った。すると、その背の森から更に2匹ジールグルが出てきた。


「ユウタ君、早く一体化を」


「ダメだ!」


「でも、そうしないと」


リリアは今にも泣きそうな顔をしている。


(なあ自称神、超能力を使っちゃいけないんじゃなくて、超能力がバレちゃいけないんだろ………じゃあ僕は超能力を使うよ………リリア《友達》を守るために!)


リリアに背を向け、目に一つ目の超能力発動の証である赤い星を浮かび上がらせ右手を握りしめた。

次、ジールグル達と戦います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ