第四十一話:新たな力
「俺がます突っ込んで隙を作る。その隙にお前たちがヤツをたたけ」
「分かった」
「OKよ」
まず、シード君がオーラを放出する高速移動で大将に向かって突っ込んでいく。そして、勢いを利用して回転切りを放った。大将はそれを大剣で防ぎ、オーラを放出して上空に飛んだ。
飛んだ瞬間にサリーの杖の攻撃で叩いたが、読まれていたようで、打撃を切り裂かれた。だが、その隙に僕が風力操作を使って高速移動で接近し、その勢いで腹を殴った。
「ッガ!」
「くらえ」
僕が殴って大将が怯んだ一瞬に、シード君がオーラの放出で大将に迫った。そして、大剣を振るう。僕はそれに巻き込まれないように地面に回避する。
ガン!とシード君と大将の大剣がぶつかり合った。
そして、2人の剣が離れた瞬間に2人共逆方向からオーラを放出した回転をし、またぶつかり合う。だが、大将の大剣がシード君の大剣を弾いた。
「シード君!!」
大剣を弾かれてがら空きになったシード君の肩から腰まで、大将の一閃が走った。ボタボタと血が流れ、僕の頬にも数滴落ちる。
落ちてくるシード君をキャッチし、高速移動で大将から離れた。
「シード君!シード君!!」
「う……ぁ…キリヤマ。俺は良い、早くアイツをぶっ殺して来い」
「そんな事よりシードーーーーーーーーーーー」
「隙だらけだぞ、人間」
「!!」
いつの間にか僕の真後ろに迫っていた大将が、僕に大剣を振り下ろす。サリーは不意を突かれていたようで、動けない。そして、僕も防御が間に合わない。
ザン
鈍い音がし、腕が宙を舞った。だけどそれは僕のではない。僕を突き飛ばして、そのまま切られたシード君のだ。
シード君は動かない。一瞬、死んでしまったのかと思ったけれど、気絶しているだけみたいだ。でも、さっきの傷に加えて腕からも出血して、命にかかわる事態である事は素人の僕でもわ分かる。
「シー君!!」
「何で……」
「?」
「何でこんなことができるんだ!!!?」
「これは裏切り者だ。殺すのは当たり前だ」
「アンタの……子供だろ!!自分の子どもなんだろ!!?」
「だから、どうした?」
許せない。こいつだけは絶対に許せない。そう、素直に思った。
『ユウタ……君』
僕は立ち上がり、宣言する。
「シード・ガリアス。僕はお前を、ブッ倒す」
そう言った瞬間、僕の中に力が溢れてきた。僕はこの感覚を知っている。これは、能力の覚醒だ。
「行くぞ!」
大将がオーラの放出を使って僕に高速接近し、僕に向かって横なぎを振るう。
僕は右手を上げ、振り下ろす。するとそれだけで、大将の大剣が真っ二つに割れた。
「!!」
「くらえ!!」
僕は右足を強く踏み出し、拳を握りしめた。そして、思い切り顔面に向かって放つ。
一体化によって強化された拳によって、大将は吹っ飛んだ。
「……人間よ、お前は私を本気にさせたみたいだな」
言い終わると同時、大将の体が巨大化し、赤い竜になった。