表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/46

第三十九話:大将

一旦城の前まで戻ってきた僕は、シャルアさんに大将についてを聞こうとして逆に質問された。


「キリヤマ君。どこに行ってたの?」


「え……敵の本陣です」


僕がそう言うと、シャルアさんは少しあっけにとられた様子だったけれど、すぐに次の質問をしてきた。


「じゃあ、指揮官は見た?」


「え、シード・ガリアスっていう魔族らしいです」


「やはり………」


シャルアさんはそれっきり黙りこんでしまった。これでは質問出来ないので僕は立ち去ろうとしたが、シャルアさんに止められた。


「キリヤマ君、君は前線に出てくれない?無茶はできるだけしないようにして」


「あ、はい」


「あと、もし大将やそれ以外でも強敵が来たら、すぐに助けを呼んでね。すぐに誰かが助けに来てくれるから」


「はい!行ってきます!」


発動させっぱなしだった風力操作ウィンドコントロールで空を駆け、高速で前線へと向かった。

そして、前線に着いた僕が見たのは地獄だった。

兵の死体がそこらじゅうに転がり、瀕死の仲間を気遣いもせずに兵は戦いを続ける。その兵士たちだって無傷ではなく、血を流しながら戦っている兵士だって少なくなかった。


(ッ!!)


『……これが、戦争です。これが今、この世界で起こっている悲劇です。これが、私達が止めようとしていたものです』


(うん、早く終わらせよう。ここも、世界も)


『はい』


僕は地上に降りず、そのままさっきの本陣に向かった。独断専行だけど、今はそんなこと構っている場合じゃないことはさっき分かった。

幸いにも本陣の場所は帰られておらず、僕はすぐに本陣を見つける事ができた。


(行くよ)


『待ってください。ユウタ君』


(何?)


『このまま行っても多勢に無勢です。この風の力で、敵を吹き飛ばしましょう』


(分かった)


周りの風を集めて凝縮し、目の前に風の塊を作った。そして、それを本陣にブン投げる。

風の塊は本陣の真上で爆発し、周りの兵士達を吹き飛ばした。敵を殺してしまうような威力はないから、周りの敵を吹き飛ばしただけだ。


(今度こそ、行くよ)


『はい!』


まず、柄だけの剣の先に風を凝縮させて風の剣を作り次に、風力操作ウィンドコントロールを使って高速接近した。

そのままの勢いで剣を振るい、大将の背中を狙う。だが大将は剣が当たる寸前に振り返り、そのまま大剣を振るった。その大剣は赤い光を纏っていて、風の剣をあっさりと突き破って僕に向かってくる。


「お前が……人間か?」


僕は風力操作ウィンドコントロールで無理矢理体をねじらせ、大将の大剣を交わした。僕はすぐに柄の先に風を凝縮させて風の剣を作り、出来たのと同時に破裂させた。

空中にいた僕はモロに風を受け吹き飛ぶ。それによって大将の一閃を間一髪で交わし、そのまま数メートル先の場所に着地した。


「お前は人間か?」


「…そうだ」


「……………」


大将が次の質問をしてこないので、僕は聞きたかった事をきいてみる。


「もしかしてお前は……シード君、いや、シードガブリアスの……父親か?」

次は1週間後の投稿になると思います

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ