第二十三話:VS隊長
今回2話目です。
「霧山裕侘です。よろしくお願いします」
「シード・ガブリエルだ、よろしく頼む」
「サリー・シルフィードです。よろしく」
今、僕らは文字通り自己紹介をした。ここはシャルマージ王国の王城の中庭、中庭と言っても広さは家一軒ほどで、東京〇ームの屋根なしみたいな構造をしていて、中央には決闘場がある。
「この3人が新しく私の近衛隊に入隊してくれた方たちです。仲良くしてくださいね」
「姫様、この三匹……ちゃんと強いんですか?大剣の君と杖の君はともかく、剣の君。君からは全然」
近衛隊の隊長が僕を指差して言った。歳は僕らの少し上、16歳位で蛇の様に舌が割れているのが見え隠れしなければ見た目はかなりの美人だ。
「ユ、ユウタ君は強いです!」
リリアが弁解してくれたが、隊長の目は厳しいままだった。
「なら私と決闘よ」
「え、何でですか?」
「貴方が強いという証明のためよ」
その後、何だかんだで結局決闘させられることになり、僕と隊長は決闘場の中央に立ち、その他近衛隊の方々とリリア、サリー、シード君は場外で見守っている。
「チャール、よろしく」
隊長が名前を呼ぶと、おそらくそのチャールさんであろう方が出てきた。年齢は隊長と同い年位の美少年で、犬の様な耳と尻尾が付いている。
「これより、シャルア・ヒュームとキリヤマユウタの決闘を始めます」
僕と隊長、シャルアさんの間に立ちチャールさんが告げた。
「始め!」
開始の合図とほぼ同時に、シャルアさんは後ろに下がって呪文を唱え始めた。
「この地に宿る聖霊よ、我の支配下で騎士の形となり敵を滅ぼせ」
そうシャルアさんが唱えると決闘場の一部が剥がれ、鎧を纏って剣を持った騎士の形になった。
「行け!」
シャルアさんの指示で騎士が僕に襲いかかってきた。
鞘でその攻撃を受け止め、風力操作を発動して右手に空気の塊を作り、それを騎士にぶつけて吹き飛ばした。騎士がバラバラに砕けて飛び、シャルアさんに飛んで行った。
「それがどうした!」
シャルアさんが手を前に突き出すと決闘場の床が盾になるように地面から突き出し、騎士の破片からシャルアさんを守った。
僕はその盾で視界が隠れている隙に、風力操作を使って高速移動をして盾に隠れた。
「隠れても無駄だ!」
突然盾が形を変え、僕を包む5メートル位のドームになった。
「潰せ!!」
シャルアさんの命令でドームが縮み始め、僕は風力操作でドーム中の空気を圧縮し、一気に解放した。
凄まじい音と共にドームが吹き飛んだ。
「なっ!」
今度は不意を突いた様で、シャルアさんはドームの破片をモロにくらった。
それで怯んだ隙に風力操作で接近し、能力を火炎操作に切り替え柄から炎を出して炎剣を作り、シャルアさんの首に突き立てた。
「僕の勝ちですね?」
「………分かったわ」
前書き、後書きで書くことが無くなってきました(笑)