第十九話:方法
来週からテスト前1週間になるので、来週か再来週は投稿できないかもしれません。
それからは激しい戦いがしばらく続いた。3人いる分こっちが有利だったが、シルバートはダメージをすぐに回復してしまうので時間がたつごとに僕らは不利になっていった。
「はあ……はあ…はあ」
「くそっ」
(何か、何か無いのか?あいつを再生させない方法が)
『ユウタ君』
先までずっと黙っていたリリアが話しかけてきた。
(何、リリア?)
『再生させない方法ですが……あることはあるんです』
(どんな方法?)
『まずは、シルバートが再生に使う魔力を全てなくす、もう一つはシルバートを跡形もなく消すことです……多分どちらもできません』
おそらく、それは僕にできない事だ。だけど
(たぶん出来る。僕には出来なくても……僕らには出来る)
『…はい!』
能力を水流操作に切り替え、床に手を付け
(行くよ)
『はい』
「銀世界」
能力をフルに発動させ床、天井、壁を凍らせた。
「「「!!!」」」
突然の足場の変化にサリー、シード君、シルバートは一瞬硬直した。
「サリー!シード君!下がって!!」
僕の声に反応し、サリーとシード君がシルバートから遠ざかったのを確認し、もう一度能力を使い部屋全体の氷を刃物のような形になる様に溶かし、何千何万もの氷の刃を作りだした。
さらに、能力を風力操作に切り替えて3メートルほどの竜巻を作ってそれを放った。その竜巻は氷の刃を巻き込みながらシルバートに向かって進んでいった。
「ダイヤモンドダストサイクロン」
「……ふん」
シルバートが右手を振り、竜巻を拡散させようとしたその時だった。
「?」
不自然に竜巻が消え氷の刃が地面に大量に落ちた。
その後ろに隠れていた僕が風力操作を使って一気にシルバートに接近し、目の前にある氷に触れ水に一旦戻し水をシルバートを包みこみ、再び凍らせた。
「永久凍結」
「……勝ったの?」
「いや、違うな」
ピキピキ、と氷がひび割れ中からシルバートが出てきた。
「ふふふ、その程度でこの私が倒せるとでも思っていたのか?それ以前に、お前たちごときに私が倒せるとでも思っていたのか?」
シルバートは一切の外傷も疲労もない。対して僕らは、サリーとシード君は疲労困憊で僕はいくらリリアの感情を合わせて能力を使っているとはいえ、そろそろ限界だ。
「サリー、シード君………逃げて」
「何言ってんの!」
「2人共もう限界でしょ?」
「お前だってもうヤバいだろ」
「それに………………これで決める」
その言葉に2人は黙り。しばらくしてコクリと頷いた。
これが、最後の攻防だ。
次でVSシルバートは終わります。