第十七話:互いの力
何か最近だんだんアイディアが浮かばなくなってきました。でも、頑張って毎週投稿を続けます。
「なっ!何で!!」
「おや、まさか今のが全力ですか?それは拍子抜けですね」
土煙りの中のシルエットが右手を振るのと同時に、土煙が消え去った。
「ところで、貴方はどうやって呪文も魔法陣もなしに魔法を使っているんですか?」
何か文字の様な物の書いてある、手袋の様な物をこっちに見せながらシルバートは聞いた。
「…………」
「答える気はないようですね。残念です、興味があったのに」
シルバートがまた右手を振るい、見えない何かが僕の方へ向かってくる。
ガギイイイイイイ
それを鞘で防ぎ、目に緑色の星を浮かび上がらせ能力を風力操作に切り替え空中に避難し、次の攻撃に備える。
「その鞘、どうなっているんですか?私の攻撃に耐えるだなんて……それにさっきの貴方攻撃の衝撃にも耐えていましたし……」
「これは、あっちの世界の金属の形を変える能力者の友達に作ってもらった特注だよ」
「あっちの世界?能力者?それは貴方の魔法に関係があるのですか?」
「さあ、どうだと思う?」
今の会話の隙に辺りの空気を圧縮し空気の弓と矢を作り、シルバートに発射する隙を窺う。
「さあ、分かりませんが……何故貴方はまた話の途中に攻撃を仕掛ける準備をしているんですか?」
「!」
「気付かないとでも思ったんですか?」
バレたものはしょうがないと、シルバートに向けて空気の矢を放った。
「効きませんよ」
シルバートが右手を振ると、空気の矢が弾けた。
(どうなってるんだ?あいつは?)
右手を振るだけであの圧縮矢を弾けさせたり、普通見えないはずの空気の矢に気付いたり、最初の超電磁斬をくらってもキズ一つつかないだなんで、ありえないはずだ。
「お教えしましょうか?」
「何を?」
「私がさっきの攻撃を見抜き、退けれた理由と貴方の最初の攻撃を受けて無傷だった理由ですよ。ただし、貴方の魔法の秘密も教えてもらいますよ」
「何でそんな事を?」
「私の力の正体を知ったところで、どうしようも無いからですよ」
「………」
少し黙って考えてみた。この状況をどうにかするにはどちらの方がいいかを。
「分かったそれでいい」
「そうですか、それは良かった。では、私から言いましょう。私が貴方の攻撃を見抜けたのは、見えるからです」
「何が?」
「空気の流れがです。そして私のこの魔法陣に書かれた魔法は風を圧縮、拡散させる魔法。これで分かりましたか?」
コクリと相槌を打ち、分かったことを伝える。
「そして、貴方の最初の攻撃を受けて無傷だった理由、それは………私の体は周りの魔力を取りこんで再生できるからですよ」
「再生!?」
「ええ、だから正確にいえば攻撃を受けなかったのではなかったのですよ。さあ、次は貴方の番です」
僕は、超能力の説明をあらかたの説明をシルバートにした。
「ほう、つまり貴方のその力は魔法ではなく超能力といい、呪文も魔法陣も必要ないのですか」
「まあ、そんなところ」
「そうですか、その力は生まれつきのものであり私たちには使えないのですか………では、貴方はもう用済みですね」
シルバートは右手を振り、空気を放った。
僕は、風力操作を使ってその空気を上に上げ攻撃を避け、風力操作を使い小さな竜巻を作り、それをシルバートに投げつけた。
「効きませんよ」
シルバートは右手を振って小さな竜巻を拡散させ防いだ。その隙に思いっきりでかい竜巻を作り、シルバートに投げつけた。
「これでどうだ!」
「だから、効かないと言っているでしょう!」
シルバートはさっきよりも大きく右手を振り、竜巻を拡散させた。
「ぐうう」
「うっ」
拡散された大きい竜巻は衝撃波となり、僕とシルバートに襲ってきた。
「では……風の精、竜の魂となり我が障害を薙ぎ払え!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオという爆音とともに周囲の風がシルバートの前に集まっていき、肉眼でも確認できるほど風の密度が濃くなった。そして、その風は竜の形に姿を変え、僕へと向かって来た。
「うあああああああああああああああああ!!」
もうしばらくシルバートとの戦いは続くと思います。