第三話 「連鎖の破裂 壱」
ガチャ
玄関の扉を開ける音が家中に鳴り響く
琉生無 「ただいまー...」
返事は無い
リビングから話し声が聞こえる
琉生火 「お母さん!みて!金賞!!」
母親 「まあ!すごいわね!」
父親 「どれどれ....おお!県の美術コンクール金賞じゃあないか!」
琉生火 「私の火を上手く使ったんだー!」
あー...最近よくみる火炎アートか
琉生火 「まあ、私はあのクソカス兄貴とは違って?才能に満ち溢れてるし!」
は?
母親 「たしかに!あの落ちこぼれはなにも出来ないものね!」
おい
父親 「全くだ...学費の支払いを止めたいくらいだ」
...
反論するのはやめよう
そもそも琉生火は火属性で父は岩属性、母は木属性なんだ。無属性の俺はそりゃ落ちこぼれだよな。
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次の日
水夜 「おお!琉生無居た居た!」
登校中の俺に水夜が話しかけてきた
琉生無 「おっはー、どしたん」
水夜 「それがな?学校でお前の話題が盛り上がってるんだよ」
琉生無 「俺の話題?」
水夜 「昨日の砕斗の件」
!?
琉生無 「ま、まじか...」
水夜 「しかもやばいのは、炎治先輩って分かるだろ?」
琉生無 「ああ、あの番長みたいな人だろ?」
水夜 「その人がお前のこと目付けてんだよ」
琉生無 「が、がちか...」
水夜 「とりあえず琉生無、お前は今日何処かに隠れておけ」
琉生無 「たしかに...一斉に襲ってくるかも」
水夜 「俺は情報収集でもするからさ、放課後落ち合おう」
琉生無 「了解」
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.....暇だな
12:15
学校は昼休み中か、俺....
学校近くの草むらに身を伏せている!!!!
くっそ..バレたら通報もんだぞ....虫居すぎだろ!
ピロロロロロ
琉生無 「電話?」
画面に映し出せれている相手は
琉生無 「水夜だ!」
ポチっ
琉生無 「水夜?なにかわかったか....ん」
画面を見るとビデオ通話になっていた
琉生無 「なんだ....は?」
画面越し 「おーっす!琉生無君かな!?俺は炎治って言うんだけどさー!」
炎...治?
琉生無 「あ、あの...水夜は?」
炎治 「ああ、こいつか?」
!?!?
水夜 「あ...がぁ...」
画面に映された水夜は、ボコボコにされ地面に伏せていた
琉生無 「ちょ...!どういうことだよ!!!炎治!!!」
怒りのあまり敬称を忘れてしまった
炎治 「どういうことって...コイツが俺達のことつけてたんだよ、だからボコした」
水夜 「琉生...無...」
チンピラ1 「喋んじゃねえ!!!!」
ドッ!
水夜 「ぐっ」
琉生無 「水夜!待ってろ!!今行く!!!!」
水夜 「く、来るな....死ぬ...ぞ」
炎治 「琉生無君...来るよね?」
そういう炎治の顔は、歪んだ笑顔を浮かべていた