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Pandora Box -人造人間は異世界で「 」を知る-  作者: 電華
【世界は移り変わる】
5/5

理解のできなかったその現象に名前を付ける。

足を早め近づくその生物。

戦闘になればおそらく負けるであろう。

(どうすれば回避出来る……)

その思考も間に合わず、鼻先まで近づかれてしまい


「シャアアアア!」

その叫びと共に横になぎ払われる腕。

後ろへ飛んで避けるも、近づかれてしまう。

「次の攻撃は避けることが出来ない」

そう覚悟した次の攻撃は、僕の右腕を上へ払い除けた。

手から零れる石。

だが、ここで攻撃は終わる。


目の前の僕には目もくれず、弾き飛んだ石を拾い上げる生物。

そして大事そうに石を抱え、またしても威嚇を繰り返す。

今度は命が無いぞということなのだろう。


「ここにいるのは危険か」

そう思い、背を向けることなく後ずさりをしていく。

ジリジリと生物へ距離を取っていく間、目線を逸らさなかった。

ある程度離れた後に違和感に気づく。


石を眺めながらどこか泣きそうな目をしている彼は

一体どんな気持ちだったのだろうか。


------------------------


「君の中の考え方では理解できないんだろうな。自らに降りかかるであろうマイナス的要因……いわば敵を放置してまで何をしているのか」


自分が傷つく可能性をあの生物が理解できないとも思えない。

ましてや、人間よりも野生の世界で生きてきてるであろうあの生物がだ。


「生物に感情はあるのか。人間ですらあるというものもいれば、ないというものさえいる。君に答えが出せるのか。」


------------------------


あの場から離れ、思考を整理することにした。


開けた場所・ある程度の間隔をあけて置かれた石・マーク

これらが意味するものと、あの生物が考えている意味。


これが分からなければ……

「僕は先に進めないか」


しかし、どこか人間に近いその行為に名前がついているような気もした。

あのトカゲのような生物にある独特の習性だった場合、部外者が乱入した場合に威嚇だけで留めるものでもないからだ。ただ殺せば万事解決する。


「なにか、あそこで殺したくない理由でもあったのか……」


どう考えても、あそこはなにか特別な場所であろう。

そして森の中に刻まれたあのマークとは何か違うのだろう。

あの生物が几帳面に何かをする程の何か。


「1度森のマークと照らし合わせるか」


刻まれたマークの元まで戻り、あの場所で見たマークと同じものが無いか検索にかける。共通項があればなにかヒントが得られるかもしれない。そして……


「一致する……ものがある」


木とはまた別に置かれたマークされた石。一つではなく二つある意味。

あそこに集めておかないといけなかったからだ。

集める理由はどこか感情に委ねているのであろう。


「もしや、これって……」理解のできなかったその現象に名前を付ける。

あの生物が怒った理由も、あの場所の意味を知るために……



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