アリエス・ミラーは夢へ戻る
ホロスコープ・シンフォニア攻略wiki
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ホロスコープ・シンフォニアあらすじ
舞台はシグヌム魔術学園。主人公のスピカ(デフォルト名)は今まで病弱で学校に通えていなかったが、学園長と親戚だったため、試しに1年間この学園に通ってみないかと打診があり、2年生から編入することになった。そうして出会っていく黄道十二星座の名を持つイケメンと過ごすスピカの一年間のお話。
ゲームジャンル
スマートフォン育成カードゲーム
『長らくのご愛好ありがとうございました』
そんな声が頭の中に響いたかと思えば、アリエスの視界は急に晴れた。
まるで、今まで同じところを延々とループしていたかのような、言いようのないもやもやとしたものが一瞬で流された気がする、不可思議な感覚だった。
「アリエス? どうしたの?」
目の前の女生徒が様子のおかしいアリエスに首をかしげている。
これは誰だったか……そうだ、確か『ツバキ』だ。いや『さゆさゆ』だったような……違う、『レオくんの太ももになりたい』だったか……いや違う。なんださっきのは? まるで理解できない言葉だったぞ。
そうだ思い出した。確かこの女生徒の『デフォルト名』は『スピカ』だ。
デフォルト名ってなんだ? まぁどうでもいい、とにかくスピカって名前だ。
学園長の親戚で、病弱で普通の学校には通えていなかったが、魔法適正があったからこの学園に来て一年過ごした…….一年だけだっただろうか? 確かに俺は一年だと思っているが、何度もクリスマスや17歳の誕生日の行事を行った記憶があるし、『祝!四周年』とかかれたたすきをつけていたような記憶がある……何が四周年だったのだろう。
とにかく、彼女が来てからの一年間が思い出せるようで思い出せない。
というか一年? 一年も経ってしまっていたのか!?
入学式の準備のために呼び出されてから先輩達の卒業式まで丸一年、全く領地に帰っていないなんて、今までそんなこと無かったのに。
「俺は戻らなければならない!」
「ちょ、アリエスくん!?」
スピカの引き留める声も聞かずに、ばたばたと廊下を走り、自室へ戻って最低限の荷物だけ入れた鞄をつかむと、俺は『レンタル空飛ぶ絨毯』に飛び乗ってまっすぐにあの方の待つ領地へと向かった。
絨毯に乗っている間、俺はぐるぐると渦巻く思考の中で、あの方のことを思い出していた。
……あの方について話をしたのは、友人のキャンサーと、あの女生徒スピカだった気がする。
俺自身、あの話をどうしてその二人にできたのかわからないけれど、それほど信頼していたということなんだろうか。
今となってはわからない。どうして言ってしまったのか。あんなに大事な話を、どうして他の人間に……。
「くそっ」
俺は、騎士としてお仕えするあの方の妹を、殺してしまったから、学園に来たのに。
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「君達には、話しておく必要があります」
アリエスがそう切り出したのは、4月の入学式後、この街で1番大きなお祭り『花祭』のメイン『春の精霊の舞』も終わった後の事だった。
『春の精霊の舞』は毎年シグヌム魔術学園の生徒から『舞手』を選出して踊ることになっている。
この国を守った春の精霊と、その傍らに控えていた騎士に扮し、
今年の舞手はアリエスと、キャンサーが選ばれていた。
「どうしたアリエス? 思い詰めたような顔をして?」
キャンサーは柄にもなく茶化したような口調で問いかける。
それほどまでに、アリエスの声音は深刻そうだった。
「キャンサーは昨年一緒に過ごして、信頼できると感じたから、それで、スピカは……会ったばかりなのにどうしてかわからないですが、これから長い付き合いになる、そう俺の直感が言っています。だから、聞いてほしい」
俺の守れなかった、あの方の妹の話を。
――回想の中に出てくるのは、今より5つは幼いアリエスと、彼より十ばかり幼い、小さな少年少女。
「アリエス! この子たちを連れて逃げなさい!」
「ですが主! この館はもうじき包囲されます! 主も共に……!」
「王子と王女さえ生き残れば、我が王家は何度でも復活します。だからアリエス、行きなさい」
「っ……!」
俺は、主に忠誠を誓い、主のために生きてきた騎士だった。
でも、主の覚悟を、無碍にすることはできなかった。
「っ、必ず、生きてお会いすることを願っております、我が主」
「もちろん。私も君達にまた会えることを祈っている」
そうして俺は、幼い双子の王子と王女を抱えて、敵の迫る城から逃げ出した。
全て、この双子と主の叔父に嵌められてしまったのだ。
国王も王妃も突然の馬車の事故で儚くなり、弱冠十歳の若い君主が統治する国は、混乱を極めた。
この時にはもう、王家にロクな家臣は残っていなかった。
そうでなければ、俺のようなまだ見習い少年兵のような年齢の騎士が、主と双子の弟妹をお守りしているわけがない。
この国の西側にある『常春の国』は、王妃の――双子の母親の生まれ故郷なので、常春の国にさえ逃げ込んでしまえばあちらの国の庇護下に入ることができる。
俺は双子の手を引いて逃げた。
城に残っていた空飛ぶ絨毯を操縦し、迫りくる追っ手を引きはがしてひたすら西を目指した。
この国と常春の国の境には、深い谷がある。
その谷さえ超えてしまえば、俺たちの勝利だった。
しかし――
「畜生! 逃がすか!」
敵の放った魔法が絨毯をかすめ、ふわりとたなびいたその瞬間。
「あっ――」
「王女――!」
絨毯の外に放り出された王女は防護魔法の範囲外に出てしまい、そのまま敵の魔法が閃光を放ち、それで――
「……俺は、騎士失格なんです。王女をお守りできなかった俺は、殺されても仕方がなかったのに。それでも、主に赦されて、それで、こうして普通に学園にも通わせてもらっている……そして、長らく着ていなかった騎士の服まで、こうして着ることになるなんて……」
「赦しても、いいんじゃないかな」
そういったのは、スピカだった。
「え――」
「アリエスが赦してほしいのは、主君でも、王女でもなくて、自分だろう? 自分を赦してもいいんじゃないか、スピカはそう言っているんだよ」
キャンサーが補足するように言葉を足し、肩をすくめた。
呆れたようなキャンサーと、真摯な瞳を向けるスピカ。二人を交互に見て、アリエスは少し笑った。
「ありがとう……でも、今は赦されたいわけじゃないんだ。いつか、自分を赦せるときが来たら、今日のことを思い出してみるよ」
それが、今の俺の精一杯かな。
そう言ったアリエスは、今まで見た中で一番、やさしい顔をしていた。
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「我が主」
「あら、アリエス。ちっとも帰ってこないから、私の元から逃げ出したのかと思ったわ」
空飛ぶ絨毯でおよそ2刻。アマタス公爵領のネペレー家にたどり着いた。
恐る恐る顔を出した俺を見て、ころころと笑うこの方が、俺の主人、元『聖夜の国』女王――そして、現『常春の国』公爵令嬢リリー様。
栗色の巻き髪にヘッドドレスを付けた姿は精巧なビスクドールのようで愛でたいと思う人間は多くいるが、喪に服している証拠の黒一色のドレスが近寄りがたい雰囲気を出しており、いまだに婚約者はいない。
昔は――女王だった頃は、男のような話し方をしていたが、こちらに亡命してからは力が抜けたのか、元のご令嬢のような話し方に変わっていた。
「……長らく顔を見せず、申し訳ございませんでした」
ゆったりと籐の椅子に座るリリー様の前に膝をついて、頭を下げる。
「いいのよ。アリエスも、過去にとらわれてばかりでは未来を失うわ」
「いいえ、そのような!」
主の許可がないのに、思わず顔をあげてしまった。
「そのような――」
「アリエス、もういいのよ……ヘレーも、あなたのせいにはしていないわ」
主の凪いだ視線とぶつかる。
俺はその時、どんな顔をしていたのだろうか。わからないが、リリー様は悲しげな笑みを浮かべて、俺の方へと手を伸ばしてきた。
俺の白い髪の毛をすくように手を頬へと滑らせると、下瞼のふちをそっと涙をぬぐうようになぞった。
「泣かないで」
「リリー様、俺は泣いていないですよ」
「でも、貴方なんだかすごく、今にも泣きそうな顔よ」
「どうしてでしょう……俺は今まで、リリー様も、他のことも、忘れていたような気がするんです」
「そのまま思い出さなくてもよかったのに――貴方はもう自由なのよ」
その一言で、俺は察した。
「リリー様……もしかして俺に、忘却の魔法をかけましたか?」
何年リリー様の騎士をやっていると思っているのか。
彼女は俺がリリー様の妹を助けられなかったから悔やんでそばに居ると思っている。
俺が望んで傍にいるなんて、ちっとも思ってやしないのだ。
ああそうだ、彼女はそういう人だ。自分のことなんて、誰もかえりみないと思っている。
彼女の思考回路なんてとっくに知っている。それだけ傍にいたのに、いることを許していたのに、どうして今更突き放すのか。
リリー様は困った顔で笑っていた。
「馬鹿ねぇアリエス。自分で魔法を解いてしまうなんて」
「どうしてですかリリー様! 俺が、俺がお傍にいるのは許されないのですか!?」
「そうじゃなくて、私なんかを気にする必要なんて無いって言いたいのよ」
「俺の幸せは、貴女のそばにいることです」
「いいえ、それは違うわ。貴方は私を通してヘレーに贖罪しているたけ。そんな無意味な奉仕は貴方の心がすり減るだけ――」
「わからずやリリー! ちげえっつってるだろ!? 俺はお前のことがす……」
かっとなり思わず立ち上がって怒鳴ってしまった俺は、自分が何を言おうとしているのか反射で察し、口元を手で覆った。
リリー様はきょとんとした目でこちらを見ていた。
ああ、畜生。かわいいな。
「なんだか、昔のアリエスみたい」
「……失礼しました、リリー様」
「リリーって呼んで。敬語もイヤよ」
「しかし」
「わからずやはアリエスの方でしょ。もう私、女王じゃないし偉くもないもん。『ただのリリー』が欲しいのは騎士でも従者でもなくて……友達と、こ、こいびと、なんだけど……」
最後の方は声が小さすぎて聞き取りにくかったけれど、俺には聞こえてしまった。
リリーも顔が赤いが、きっと俺は全身赤くなってしまっているのだろう。
「あー、もう、俺すっげぇ格好悪い」
「なんでよ」
騎士になりたかった。
彼女だけじゃなくて、彼女の大切な人も全部、まるっと守り切れる。そんな騎士になりたかった。
でも、リリーがいらないっていうなら、騎士じゃなくていい。
何が言いたいかってつまり、俺を赦すのは自分自身じゃなくて、リリーしかいないなって、改めて思ったってこと。
「リリー。俺は、この国に伝手のあったお前と違って、爵位とかもねぇぞ」
「元々あなたのお家一代限りの騎士爵でしょう? この国でも保護してもらっているけどただの厄介な亡命者よ。逆にあなたに大した爵位が無いのはありがたいわよ。それに、あのまま女王でいたらどこの馬の骨と結婚させられていたかわかったもんじゃないわ」
「女王の配偶者を馬の骨扱いかよ」
「それより、あなたも知っている通り、私は『聖夜の国』の奪還を……弟が15歳になる5年後には、戦略が全て整うように準備をしているの。私についてくるなら、あなたにも茨の道を歩いてもらう覚悟が必要なのだけれど……」
「今更過ぎるっての。俺はずっと、断られたって、ついてくるなって言われたって、リリーと一緒に戦うつもりだったよ」
「まあ! 今まで聞いた中で一番の口説き文句だったわ」
「口説っ……」
きっと今の俺の顔は見れたもんじゃないだろう。
「――っ、ああ、そうだよ。口説いてるよ。俺はリリーのことを愛してる! リリーと一緒なら地獄の底にだって行ってやる!」
「あはは、私も、昔から私のことが大好きなアリエスが好きよ」
「っ、本当にもう、勘弁してくれよ……」
俺のことをからかって笑うその顔は、女王じゃなくて、俺と同じ17歳の少女だった。
それが、昔の何も知らない、女王と騎士でもない、ただのリリーとアリエスに戻れたみたいで、俺は泣きそうになってしまった。
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キャラクター
キャラクター:アリエス・ミラー
擬人化元星座:牡羊座(Aries)
CV:梶裕貴
年齢:(7月1日時点で)17歳
誕生日:4月7日
タイプ:アタック型
総合力トップカード:SSR『騎士の威信にかけて』(20××年『栄光の花祭』イベントガチャ排出カード)
概要:ゲームのメインキャラクター。主人公のことを当初から信頼しており、色々と学園生活の手助けをしてくれる、心優しい性格。意外と熱くなりがちな性格で、運動会イベでは騎馬戦の大将として活躍し、アリエスらしくない言動をする一面もある(「ぶっ殺すぞてめぇ事件」「ブラック羊様」参照)。過去にとある国の王家で従者をしており、その時に幼い王女を守り切れなかったことを後悔している。この設定はギリシャ神話の牡羊座の由来である、殺されそうになったプリクソク王子とヘレー王女を助けようとした羊(ゼウスが向かわせた)が、王女だけ途中で海へ落ちてしまった話からきていると考えられる。
コメント欄
・アリエス君結局最後まで謎多すぎワロタ
∟それな、結局主君男か女かもわからんし
∟元の神話で兄だけ生き残るから主君男説が出てた気がする
∟いや双子の兄はイベントで出てきてたじゃん
・マジ花祭イベしんどかった(2重の意味で)
∟ストーリーわかってたけどしんどかった
∟ランキング上位報酬は悪い文化(花祭アリエス君ゲットできませんでした)
∟アリエス君イベの中でも過去最高激高ボーダーでしょイミワカンナイ
∟ていうかランキング500位以内でSSR報酬とかホロシン足元見過ぎ無理すぎる
∟だからサ終したんでしょ
∟キャラは愛したいけど運営が無理
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