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雨のち雨、時々台風

作者: 雑草

この世には二種類の女がいる。かわいいか、ぶさいくか。もちろん私は後者だ。というより、後者は私一人なのかもしれない。

見る子も見る子もみんなかわいくて。自分にはないものを持っている。

「かわいくなりたいなら努力しろよ。」

そんな声が聞こえてきそうだが。もちろんかわいい子は努力をしていないと言っているわけでもない。

ではなぜ、すっぴんがかわいい子がいる?ではなぜ、つやつやサラサラの髪の毛を持つ?

努力をしなくても備えられているもの。

これをぶさいくの場合金と時間と労力を駆使して手に入れなければならない。


では毎日努力したとして?もとからかわいい子に勝てる?そのためには何年何十年かければいい?そんなことしているうちに青春と呼ばれる日々は終わってしまう。


ぶさいくだって青春したいのに。


毎日毎日鏡を見ては涙があふれてくる。そんな気持ち、わかるか?


「かわいくないよ~。」褒められたかわいい子は決まってそういう。


本当に思ってますか?いいんですよ。嘘をつかなくても。あなたはかわいい。私と隣に並んだら、いやでも自覚するでしょう。


かわいく生まれたかった。何度もそう思う。遺伝子を憎む。


小さい目。一重の目。低い鼻。厚い唇。歯並びの悪さ。どれも母の持っているものではない。


ではなぜ自分には巡ってきたの?


たまに思うんだ。この遺伝子は自分で断ち切らなければ。と。


イケメンにはかわいい子と結ばれてほしい。


仮に結婚して子供が生まれたとして、ぶさいくだったら?自分と同じ苦しみを、わが子に背負わせることができるのか?


毎晩毎晩泣き、たまに自分で自分を傷つける。そんなこと、わが子にできるのか?


できるわけない。つらさは身をもって知っている。


「プリ機しか勝たん。」「SNOWしか勝たん。」

そんなこと言える君は幸せ者だぞ。


本当のぶさいくは、何をしても勝てん。


どんなに角度調整しても光りあてたとしても、かわいいスタンプでごまかそうとしても、ぶさいくは、にじみ出てくるのだ。


仮に、もし仮に、盛れたとして?後に残るのは醜く腐った自分の顔だよ。


『かわいいと人生得する』残念ながらそれは本当だよ。

少なくとも、ぶさいくがされることのない扱いを、君たちは受けている。


なんでこんなにぶさいくなのかな。何をしたら、かわいくなれるのかな。そんなことばっかり考えてしまう。

気づけばかわいい子を目で追ってしまっている。結局そういうこと。かわいければ、目に入るんだよ。


顔が悪いならせめて性格だけでも。そう思って真面目に生きて優しく生きて。でも結局かけられる言葉は「まじめ。」「つまらない。」


意味なかった。


どうすればいい?どうすればぶさいくは恵まれるの?


誰かに抱き締めてほしい。誰かに好きだってそういってほしい。


そんなに強欲かな?いけないこと望んでるかな?


たった、一度でもいいんだよ。誰か、私を好きだと言って。


悩みなんて何も聞いてくれなくていい。


ただ、そっと抱き締めて。私だけを見て。

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