最果てのワールドリンカー
長編版もあるので見て下さい
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プロローグ
世界のとある場所にて。
「今日も学園が平和ですね。」
紫色の髪をなびかせながら女子生徒が言う。「そうだね〜、平和過ぎる程だね。でも、つまらないのもあるよね。」
金色の髪をくしゃくしゃとやりながら、相手の男子生徒が女子生徒に返す。
「会長、副会長、そろそろ新入生の初めての試験が始まりますよ。視察に行く予定では」
黒髪の女子生徒が二人に向かって走りながら言う。三人が話しているのは、国立帝ノ学園の中庭である。
「確か、今年の新入生にはいい人材がいると聞いたけど」
「一人、問題を起こして…、起こすかもしれない奴はいるけどな。
「未来さんは、新入生の特待生としてはどうですか?」
「はい、会長が言っている人は、新入生の中でも最弱で能力は転移系で一度しか使わなかったので、相手に完敗したそうです。
名前は確か、神人と言っていました。私的には気になる人だったり…」
新入生は入学の際に能力テストと実力テストで評価をつけられ、ランクは上から星、天、地、生、死の五つで、死のランクの者は無能の意味を持つ。また、無能の中でも最弱の者には虚のランクが与えられ、それは学園での進級もできず、授業も受ける権利すらない地位なのである。
「そうそう、その神人って奴、学園で五年ぶりの虚ランクを取ったんだろ。少し気になったから調べてみたら、なんだよこの結果は。
今までの公式も非公式も含め無敗っておかしいだろ。すごすぎだわ。」
「そうなの」
「ああ、勝利方法は開始と同時の一撃で全試合終了の一択だけ」
「それはすごいね。じゃあ、どうして虚ランクなんてもらっているか、不思議ね。」
「そんなの決まってるじゃん。手を抜いたんだよ。」
そんな三人の話を風が運び、中庭に静けさが戻った。そして、新入生による、初めての試練が始まる。
プロローグEND