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全ての終りの魔法の世界  作者: 碧夜 蒼
9/25

9 魔法

この世界には魔力が宿っている。

花に、動物に、人間に。


魔法とは、その魔力を発現させること。

人を眠らせる花粉を出したり、口から火を吐いたり、空を飛んだりできる。


しかし、人間には魔力は有れど発現させる力が無い。

それを発現させるための道具が魔具と呼ばれる物。


魔具には二種類ある。

1つは、魔力を込めれば誰でも使える物。通称魔道具。

もう1つは、自分自身の魔力でしか反応しない固有の物。通称魔武具。

後者の魔具は魔力が結晶化した魔石から生まれる。


魔石は色によって魔力の濃度が違う。

そしてその魔石は洞窟や地下に落ちていることが多い。


魔道具は魔力を込めて使う物だが、大量の魔力を消費する場合には魔石で代用できる。

自らの魔力の代わりに魔石の魔力を使用する。


「と、簡単ですが、ここまで大丈夫ですか?」

「専門用語が多くてさっぱりだけど、要はその魔石ってのを使ってゲートを復活させるってこと?」

「そういうことです」


セカイは一回聞いただけでなんとなく理解したようだ。

魔がつくものばっかりでややこしい。

これって覚えた方がいいのかな。

いや、そもそもこれはこの世界の常識なんだ。

覚えといた方がいいに決まってる。


そう言えば、よく考えたら私達にも魔力があるって言ってたよね。

それって、つまり……。

「はい!キルファさん!!」

「はい、ツルギさん。なんでしょうか?」

「つまり、私達にも魔法が使えるってことですか!?」

「はぁー?あんたね、そんなことできるわけ」

「ええ、使えますよ」

「はぁ!?」


やっぱり、やっぱり、私にも魔法が使えるんだ!

これは今世紀最大の喜びかもしれない。

セカイは眉間に皺を寄せて、訝しんでいる。

確かに実感はないし、信じられないのもわかるけど。

私は喜びのあまり、セカイの背中をバシバシ叩く。


「ちょっと、テンションアゲアゲのとこ悪いけど、あんたちゃんと話聞いてたの?」

「ん?なにが?」

「人間が魔法を使うには、魔具ってのが必要なのよ。持ってないじゃない」

「あぁ、なんか魔道具とか魔武具とか……?魔道具なら使えるんでしょ?」

「やだ!理解してないの!?」

「……えっとね、鶴木さん」


緋色君の声が聞こえて来て正気に戻る。

まさかここで緋色君から説明してもらえるとは。


「魔道具はね、電化製品みたいなものなんだ……」

「テレビとか、電子レンジとか?」

「うん、そう。それを使うときに電気が必要だよね。それが魔力なんだ」

「つまり、あんたが望んでるような魔法って感じじゃないのよ!」

「え……水を操ったり、炎を出したりできないの……?」

「魔道具じゃ、無理かな……」


ここは魔法の世界のはず。

そんな、そんなことが許されていいはずがない。

私が目に見えて落ち込んだ。

まぁまぁ元気出しなさいよ、なんてセカイが慰めてくれる。


「……と、ここでお二人にご相談です」


涙目で前を向くと、キルファさんは笑顔で私達を見ていた。

初めて会ったとき、手に持っていた杖を握って。


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