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全ての終りの魔法の世界  作者: 碧夜 蒼
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6 街中の景色

「すごーい!!なにあれー!!」

「本当ねぇ……。うわ、蛇みたいなのも飛んでるじゃない……」

「セカイって動物駄目なんだっけ?あ、でも見てあれ!可愛いよ!!」

「可愛いわけないじゃないの……よく見なさいよ!目が四つもある……」

「それが可愛いんじゃん」


キュエリス王国の首都キュエリスに降り立った私達は、街の中心部に向かっている。

研究所から繋がっていた部屋のある施設も、この国の研究所らしい。

本部とか支部とか言っていたのを思い出す。

街を一望できる場所に建っているだけあって、中心部からはかなりの距離があった。

今は木で覆われた小道を通っている。



道を歩いているだけでも地球とは違うところが沢山あった。

まずは変な生き物。

蛇に羽が生えたような動物が空を飛んでいたり、ウサギに角が生えていたり、目が四つもある鹿みたいなのが歩いてたり。

漫画とかゲームの世界でしか見たことない生き物がうようよしてる!

脇道に生えてる花とかも、光ってたり、蔦が動いてたり、木と同じくらいの大きさだったり、ワクワクするようなことばっかり!


まぁ、緋色君もキルファさんも見慣れてるのか普段通りって感じの表情だ。

セカイに至っては、そもそも動物が好きじゃないらしくて、珍しくテンションが下がってる。

という訳で、今現在はしゃいでいるのは私だけ。

なんでこの感情を誰とも分かち合えないのかなー。



小道はどんどん開けて来て、民家も少しずつ見えてきた。

ここら辺になると人も住んでいるみたい。

そこからはどんどんひと気が出てきた。

家が増え、人が増え、やがて一番大きな通りへ出る。



露店には人が群がっている。

食べ物やアクセサリが売られている。

真ん中には大きな噴水が合って、綺麗に光っている。

あれも魔法なんだろうか。

そう言えば、これだけ魔法魔法って世界なのに、空を飛ぶ人って見たことないな。


「どうします?一度露店でも巡りますか?」

「え!!いいんですか!?」

「ええ、ここまで来るのにお疲れでしょうし。何か軽く食べられるものでも」

「やったー!!」

「何にしましょうか」

「うーんとー、どうせならこの世界のオススメとか食べたいなぁ」

「ね、ならあれは?」

「ん?」


セカイが指差した先にはのぼりが立っていた。

キュエリス発祥のお菓子、と目立つ配色で書かれている。


「あぁ、ドラゴンの。良いですね、あれにしましょうか。皆さんそこでお待ちください」


キルファさんはそう言うと颯爽と走ってお店まで行った。

店主の人と楽し気に会話をしながら。

手に4つ、細長いものを持って帰ってくる。


「お待たせしました、どうぞ」

「ありがとうございます!」

「ありがとう。でも、お金は良いのかしら」

「あぁ、気にしないでください。経費で落ちるので」


経費で……?流石研究所の所長さんだ。

緋色君なぜかむせている。

本当は駄目なことなんじゃないだろうか。

……とりあえずそれは置いておこう。


キルファさんが持ってきてくれた食べ物はクレープみたいなものだった。

クレープよりは厚い生地で、中には真っ白なクリーム。

所々に黒くて丸いタピオカみたいなものが混ざってる。

いただきます、と言ってセカイと同時に一口食べる。


「ふぁー、おいしい……何これ……」

「あそこは素材にこだわっていますからね」

「へぇー、どんな素材なんですか?」

「ちょっと待って、それは食べ終わってからボクのいないところで聞いてちょうだい」

「え?なんで?」

「世の中には知らない方が良いこともあるのよ」

「ふふっ、確かにそうかもしれませんね」

「えー、キルファさんまでー」


仲良く談笑しながらそれを食べ終えた。

美味しいものも食べられて幸せなぁ。


「さて、行きましょうか」


キルファさんに連れられて、広場から離れた場所へ向かう。

この国のお城がある方へ。


歩いている途中にそっと教えてもらったけど、さっき食べたものは食用のドラゴンらしい。

ドラゴンからとれた素材じゃなくて、ドラゴンそのものを使っているらしい。

どうやったらそんなことができるんだろう。

それにしても、ドラゴンって本当にいるんだなぁ。


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