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全ての終りの魔法の世界  作者: 碧夜 蒼
20/25

20 魔法についての基礎知識

魔武具っててっきりキルファさんみたいな杖のことだと思ってた。

常に身につけられるように、アクセサリになっているみたい。



私に続いて、セカイも同じように魔石を魔武具に変える。

神父さんはセカイに何かを言いたがってるように見えた。

でも、何事も無かったかのように儀式を始める。



セカイの魔石は、左手についていた。

左手の人差し指に指輪、腕にブレスレッド。それを繋ぐように掌と甲に鎖がされている。

ちょっと邪魔くさいわね、なんて言いながら手を開いたり閉じたりと繰り返す。


「・・・・・・これで、揃った・・・・・・」


緋色君が小さく呟いた。

これでようやくスタート地点に立てた。

これからいよいよ、魔法を使っていくことになる。

緊張もあるけど、やっぱりそれ以上にわくわくしてくる。



「それでは、私の役目はこれまで。お気をつけて」

「ありがとうございます!」

「あぁ、帰る前に一つだけ注意事項を。魔法とはとても強大なものです。人の命すら簡単に奪えてしまいます。ですので、どうか正しい使い方をしてください」





そうして私達は元の場所に帰ってきた。

帰るなり城を出て、昨日のギルドまで行くことになった。

昨日と同じような部屋で、また椅子に座り話を聞く。




「お二人には魔法を使う前に、魔法の基礎知識を教えたいと思います」



魔法には属性があり、大まかに火・水・雷・風・土・光・闇と分かれているらしい。

人には生まれ付き、得意な魔法の属性が決まっているらしい。

個人差もあるけど、全く使えない属性の魔法もあるみたい。

で、それは魔石の色によってわかると。



私は赤い色だったから火属性が得意。

セカイは緑だから風。みたいな感じで。



「後、ここでは魔石よりもわかりやすく属性の特徴が出る場所があります」

「特徴?」

「はい。地球の方々は皆真っ黒ですので、わかりにくいですが」

「あ、もしかして髪の色ですか?」

「えぇ、そうです。これも個人差がありますが、魔武具を身に付け始めてから、少しずつその色に寄っていく傾向があるのです」

「それって、色が濃い方が力が強いとかではないの?」

「力が強いと、断定はできませんが、魔力の量と質が多く高くあればあるほど、濃くなっていくと言われています。あぁ、あと同じく眼の色もですね」



キルファさんの髪は空のような青い色をしている。

定食屋で会った双子の二人はピンク色をしていた。

あれは、魔力の属性を表していたんだ。



「それって、ボク達もそうなっちゃうわけ?」

「えぇ、おそらく」

「でも、緋色君と折木君は変わってない・・・・・・?」



私達よりも前に魔武具を手に入れているはずの二人は真っ黒の髪のままだ。

そんなすぐに髪色が変わる訳ないとは思うけど、どうしてだろう。


「では、それを説明する前に三すくみの話をしましょうか」


キルファさんは黒板に絵を描き始めた。

火と水と雷と土と風を丸い輪のように並べて書いている。


その間には矢印が。

ゲームでよく見る弱点の図みたい。



「火は風に強く、水に弱い。水は火に強く、雷に弱い。といった図です。私達が使用できる魔法も、基本的にはこれに準拠しています」

「つまりどういうこと?」

「私は水属性の魔法が使えますが、雷属性の魔法は一切使えません。他の属性の魔法は、小さなものだけってところですね」

「あ、じゃあ私はキルファさんが使ってた水の魔法は使えないんですか!?」

「そういうことです」

「そうなんだ・・・・・・弱点か」

「もしも、魔法で対決をする場合があったとき、相手の属性がわかれば便利だと思いませんか?」

「それはもう、弱点突いちゃえばこっちのもんみたいなところじゃないですか?RPGは基本そうですよね」

「なるほどね、だから隠したいわけ?」

「えぇ。髪色なんてわかりやすいところに弱点があると不安なのです。そのために開発されたのが、髪色を魔力に左右されない薬です」



キルファさんは掌に小さな小瓶を持っていた。

中には白い錠剤がいくつも入っている。

緋色君と折木君はこれを飲んでいるから黒い色のままらしい。

確かに、弱点を晒し続けるなんて戦場では死んでしまいかねない。

けれど、この世界で人と人が魔法で争うなんてことあるのだろうか。


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