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全ての終りの魔法の世界  作者: 碧夜 蒼
15/25

15 私が決めたこと

「おはよう!」

「おはよう」

「おはよう……」


朝になり、ロビーへ行く。

もうすでに皆は揃っていた。


「すっきりした顔してるじゃない」

「セカイのおかげ。昨日はありがと!」

「お礼なんて別にいいわ」


私とセカイとは違い、緋色君と折木君は不安そうな顔をしている。

今日は魔武具をもらう日だから。

でも、昨日きちんと考えた。

それをしっかり伝えよう。


「緋色君、折木君、話があります!」

「……うん」

「聞くよ」

「昨日二人から話を聞いて、魔骸っていうのが危険なものだってわかった。二人が私達を心配してくれる気持ちも」

「それじゃあ……」

「でも!!だからって、黙って見てるなんてできない!帰るために、魔石を集めるために、魔骸を倒さなくちゃいけないなら、私も戦う!」

「……傷つく、かもしれない」

「大丈夫!私が皆を守る!!」

「うん……?」

「ふっ……あっははははは」


私が二人に戦う意思を告げたところ、折木君は大声で笑いだした。

変なことは言ってないつもりなんだけど……。


「そこまで言われちゃしょうがないよな」

「……話が少し、ずれてる気がするけど」

「確かに……くくっ、守るか、それはこっちの台詞なのに……はは」


ひとしきり笑い終わった折木君は、緋色君と目を合わせて頷き合った。

なんとなくタイプの違う二人だから、仲が悪いのかと思っていた。

でも、そんなことは無いみたい。


「……僕も君を守る。無事に地球に帰れるようにする」

「俺も。絶対に無事に帰す」

「二人とも……!!」

「ちょっと、それボクも入ってるんでしょうね?」

「ミハは俺達のなんかいなくても無事だろ?」

「ちょっと!なに言ってんのよ、そんな訳ないでしょ!」


この4人になって、初めてかもしれない。

こんなに笑い合えているの。

皆でなら、絶対に無事で帰れる。

そんな気がした。


「それじゃあ、行こうか……」

「うん!」


私達は研究所を出て、キルファさんのところへ向かった。

キルファさんは昨日どこに泊まったんだろう。

緋色君と折木君について歩き続ける。

街の雰囲気は少しづつ厳かなものへ変わっていた。

いつの間にか城の近くまで来ていたようだ。


私がお城に見惚れていると、セカイに背中を押された。

セカイは顎で前に進めと言った。

緋色君達はなんの躊躇もなくお城の敷地内へ入って行った。


城門を通り、中庭を通り、城の中へ。

門番の人は敬礼をしている。

門番が形だけなのか、緋色君がすごいのか。

私は怯えながら二人の後についていった。


お城の中は、想像通りというかなんというか。

まるでアニメや漫画に出てくるお城そのものだった。

広い空間に大きなシャンデリア。

二階の中央に向かって横から伸びる階段。

こういうところで舞踏会なんかが開かれるんだろうなと思う。


扉の近くに執事のような老紳士がいて、緋色君はその人に話しかけている。

彼はご案内します。と言って歩き出した。


二階へ上がり、中央の扉を開け、進んで行く。

まるで迷路みたいになっている。

一人だと絶対に迷ってしまうだろう。


そうしてしばらく歩いて、老紳士は扉の前で止まった。

ごゆっくりどうぞ。と言って何処かへ消えていく。

ああいうのを仕事人と言うのだろうか。


緋色君は扉をノックして中に入る。

私達もそれに続く。

キルファさんはソファーで本を顔に乗せて眠っていた。


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