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全ての終りの魔法の世界  作者: 碧夜 蒼
14/25

14 決めた

部屋について、ベッドに仰向けに倒れこむ。

私の心の中で引っかかっていたのは、緋色君の最後の言葉。

キルファさんについて。

緋色君を疑う訳じゃないけど、あんなによくしてくれた人を悪くは思えない。

一人で悶々としていると、扉がノックされた。

はーい、と返事をするとセカイが顔を出す。


「入るわよ」

「うん、どしたの?」

「あんたが要らないことで悩んでるんじゃないかと思って」

「あー……よくわかってるじゃん」

「それで、どうするつもり?」

「うーん……ねっ、セカイはどう?私が魔道具使ってもいいと思う?」

「良いか悪いかは決められないわ。何が良くて悪いのかもわからないし」

「いやーさー魔法は確かに魅力的だよ?でもさ、なんかただの地球人の私が、こう……そういうものに面白半分で手を出してもいいのかな、ってさー」


危険性は二人から聞いた。

二人は私達を心配して、魔骸退治には参加して欲しくないと言った。

なら、きっと大人しくしている方が正しいんだと思う。

でも、その代わりに二人が傷つくことになるかもしれない。

自分が安全な場所に居て、二人を待ってるだけなんて、そんなの……。


「……そこまで深く悩まなくてもいいんじゃないの」

「えー、だってさー怪我するかもしれないんだよ?死んじゃうかもしれないんだよ?」

「ボクは大丈夫よ。心配しなくても、いざとなったらあんた盾にするから」

「……怖くないの」

「私の代わりに緋色君達が怪我する方がよっぽど怖いわ。……あんたもそうでしょ?」

「……うん」

「なら、あんたの思う通りにしなさい」

「でも……」

「覚悟なら、とっくに決めてるわ」

「私が巻き込んだせいで……痛っ!!」


おでこに激痛が走る。

顔を上げると、セカイが悪戯っぽく笑っていた。


「巻き込んだとか言ってるんじゃないわよ。お互い様でしょ。……こっちこそ、突き飛ばして悪かったわね」


もしかすると、セカイはセカイで気にしていたのかもしれない。

私と一緒に落ちたことを。

お互い様、その言葉がストンと胸に落ちた。

セカイがこうして、励ましてくれている。

なら、私は私のやりたいようにやるしかない!


「決めた!」

「はい、どうぞ」

「キルファさんから魔武具を貰う。そして魔骸を倒して魔石を集める!緋色君達に全部背負わせない!」

「あんたらしいわね。付き合うわよ、ボクも」

「……いろいろ、ありがとうね」

「なーに言ってんの。しおらしいライバルなんて、張り合いがないでしょ?」


セカイはそう言って、自分の部屋に帰っていった。

考えて答えが出るなんて、私らしくない。

私は猪突猛進!真っすぐ突き進むのが一番!


一緒にここに来たのが、セカイで良かった。

おかげで私を見失わずにすんでる。


「よし!!」


今日はもう寝て、明日に備えよう。

緋色君達にも自分の考えを使えよう。

キルファさんが何かを考えていても、今は関係ない。

今は元の世界に帰ることだけを考えるんだ。


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