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全ての終りの魔法の世界  作者: 碧夜 蒼
10/25

10 よくわかんないけど、多分大丈夫

キルファさんは持っていた杖を宙に翳し、小さく何かを唱えている。

すると、杖の先から水が溢れてくる。

それは地面に落ちることはなく、蝶のように形を変えて舞っている。

まさしく私が望んだ魔法の光景だった。


「魔道具では無理でも、魔武具ならこういう事ができるんですよ」

「……すごい、すごいです!!」

「……えぇ、本当ね。でも、魔武具はその人専用なんでしょ?」

「そうです。そこで、お二人用の魔武具をご用意させていただこうと思いまして」

「えっ!!」


キルファさんの言葉に耳を疑う。

今、私達用の魔武具を用意するって言った?

なんで?そんな簡単にできることなの?


「そんなに簡単に出来るものなの?」


私の気持ちにシンクロするようにセカイが質問する。

流石戦友。

ふと右を向くと、折木君が深刻そうな顔をしていた。

何かあったのかな、と思っていると、彼は音を立てて立ちあがった。


「……反対です!こんな、女子に魔骸退治なんて!」

「それを決めるのは、君じゃないんだな」

「でもっ!」

「……ふふっ」

「……まさか、俺を呼んだ理由って」

「……パーティー編成は4人が相場だろう?」


なぜだろう。

キルファさんの笑顔が一瞬、恐ろしいものに見えた。

そしてまた新しい単語が出てきたぞ。

後で整理しておかないと絶対忘れる。


「とにかく、魔武具は用意できます。ただ、その前に君達に話しておかなければいけないことが、まだまだあって。例えば、魔骸のことだって――」

「あーいいわよ、そんなの。どうせ聞いたって、この子は魔法を使いたいって言うんだから」

「……セカイ」

「ミハラさんはそれでいいのかい?」

「しょうがないでしょ、付き合ってあげるわよ」

「せかいー!!!」

「あーもう、うっとおしいわね!抱き付くんじゃないわよ!!」


何か裏があるかもしれないのに、こんなにあっさりと良いよって言ってくれるなんて。

ただ純粋に嬉しい。ものすごく。


「それじゃあ、早速行きましょうか」

「……キルファさん。色々あって疲れてるだろうし、明日にしたらどうですか……?」

「む、それもそうか……」

「説明不足のところは、僕がしておきます……」

「ありがとうございます、ヒイロ殿」


ということで、質問とかは全部緋色君が引き受けてくれることになったみたい。

そして今日はお開きになったとさ。

まぁ、こういうのは焦っても仕方がないしね。

あれ、私達今日どこに泊まるんだろう。


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