0.少年の軌跡
はじめての投稿です(^^)
上杉綺都は一言で言えば天才であった。父の隆章は裁判官、母の恵梨香は大学教授。
その二人の間に生まれてきたのが上杉綺都という存在だった。
綺都は生まれてすぐ周囲の人間たちに期待を抱かれた。
天才との間に生まれてきた宝は、どのように育っていくのだろうかという好奇心と共に。
彼のセンスは周囲の人間たちの、両親の予想を遥かに上回った。大人でも出来ないようなことを彼は平然とやってのけたのだ。
この子は非凡である。
この子は普通の子供とは違う。
周囲の人間たちは彼を特別視するようになっていった。
上杉綺都はわからなかった。
何故皆が自分をこんな扱いするのかを。
小学校に上がっても、彼のセンスが劣ることはなかった。
それと同時に、同級生からも羨望の眼差しを向けられていた。
勿論彼は勉強以外も出来た。
運動、美術、書道、華道、機械、人間学。
全てのものに彼の右に出るものは、誰一人としていなかった。
そこでも彼はクラスのかけがえのない存在となっていった。
上杉綺都にはわからなかった。
何故皆が自分を頼りにしてくるのかを。
自分はただ普通にやるべきことをやり遂げているだけだ。
宿題だってやらなければいけないからやってる。
体育も健康を気遣ってしている。
美術も綺麗な作品にしたいから描いている。
なのにどうして皆自分を頼ってくる?
どうして宿題をうつす?
どうして自分にリレーのアンカーを任せる?
どうして自分を遊びに誘ってくる?
少し優しくしただけなのにどうして好意を寄せられる?
上杉綺都にはわからなかった。
今まで人というものを意識したことがなかったから。何も考えずに生きてきたから。
そんな彼の心が初めて動いたのは中学2年の時だった。
中学校でも有名になった彼に、仲の良い一人の男子生徒が言ったある一言が彼を気づかせた。
「上杉ってさ、人生楽しいと思ってる?
いっつも皆からの推薦で学級委員とかパートリーダーとかしてるけどさ、嫌なら嫌って言っていいんだぜ?
上杉はなんか、優しすぎるんだよなぁ。自分の人生人の為に使ってる感じがするよ。自分の為に使えよ。」
「人の、為…?」
自分は今まで人の為に生きてきたのか。
それなら、ただの役に立つ道具として生きてきたのか。
確かに、今まで頼まれたことは断らなかった。
それは相手が出来なかったから自分がするしかないと思っていたからだ。
本当は出来ていたのか?自分は都合よく合わせられていたのか?
…………。
何が天才だ。
何が頼りにできる存在だ。
ただの、ちっぽけな存在だ。
何も出来ない。自分が何をしたいのかもわからない考えることが出来ないただの赤子ではないか。
上杉綺都はどうすることもできなかった。
誰かを頼ったことが無かったから。
何も考えずに生きてきたから。
そして彼は今、授業中だと関わらず
屋上へと足を進めていた。
はじめまして彩鶴と申します!!
そして読んでくださり感謝感謝です(*´∀`)♪
国語が苦手なのでちょいちょい気になる文章があるかもしれませんが楽しく読んでくれれば嬉しいです! こんな作品ですがよろしくお願いします!!(*´∀`)




