第7話
今日目覚めたベットに寝っ転がる。1週間分くらい動いた気分だ。
女神さまに精神感応を送る。
『女神さま? 今から下に来れます?』
『アルナくん? 全然大丈夫ですよ。召喚お願いしますね』
この軽い感じ好きだなぁ、最近女神ではなく普段からの友人のようだ。
「召喚、神システィーン」
夜のせいか光が抑えめになって下界に神が顕現したが若干疲れているように見える。
「女神さま? な、何かありました??」
「ま、また天界が選んだ新たな転生者がきたのですが、自己中すぎて適当にあしらって転生させちゃったんですけど、すぐに亡くなったみたいで、その処理をしてたら、疲れちゃって……」
それは神さま大変だったな、その転生者には同情はせんぞ! 自己中は苦手だからな!
「お、男がするのもおかしいですけど、あ、あの膝枕なんてどうです??」
なんとなく異性の疲れを癒す手段が見つからなかったのでダメもとで聞いてみた。
多分、結構です。とか言われてあしらわれそうだけど。
そんなことはなかったようで
「す、すぐに! お願いしますっ!!」
おぉ、凄い元気になったなぁ。逆に食いついてきたのだ。
ベットに正座し、神さまは膝に寝る。
「ふぉおおわぁああ……」
気が抜けるような声を発した。
「変な声出して、そんなにいいんですか? これ」
神は
「もちろんです! ま、毎日やってほしいくらい!」
大絶賛であった。
こんなので喜んでもらえるなら良いんだけどね。
膝枕をしながら
「俺がどんどんスキル覚えるのって女神さまのせいですか?」
ふと疑問を口に出す。
「ふぇえ? あ!? そ、ソウデスヨ?」
素晴らしいくらい分かりやすい動揺の仕方だな、
「俺に何したんですか……?」
若干あの名台詞っぽくなっちゃったけど………
「え、えっとぉ、そのぉ〜……」
これはしらばっくれるやつだな、
「教えてくれないなら、膝枕なしですからね!」
女神の肩を掴んで無理やり起き上がらせる。
「えぇ!?そ、それはないですよぉお〜……。
えっと神の力でこの世界のアルナくんの身体を再構成した時の副作用です、私は念には念を入れて全力で構成したら、人外になりかけちゃって、その、ごめんなさい」
お、おう、なんということだ。
「ま、まあ、きっとこの力が必要になる時が来るんですよね?」
神さまは今までの雰囲気とは打って変わって真剣な表情で
「もちろんです。この世界が破滅しかねない存在が放たれようとしています。それを倒すには今のアルナくんでも不可能でしょう、お願いしますっ! どうかこの世界のために、私の大切な世界のために…」
再び神さまの肩に手を置いて、膝の上に寝かせ、髪を撫でながら、
「俺もまだ今日しかこの世界を過ごしてませんが、この家族が好きです、システィーン様が好きです」
こほんと、咳払いをして笑顔をで
「俺は貴方の大切な世界を、家族を守りたい。その為ならなんでもやりますよ」
「あ、アル……ナくん…………」
「だから、その為にサポート、お願いしますね?」
「はいっ! もちろんですよ!」
いつも通りの元気な神さまになった。
「一ついいですか、アルナくん。女神さまって、他人行儀で嫌です。私のことはティーナって愛称で呼んでください! 敬語も不要です! 分かりました!?」
「わ、わかり……わかったよ、ティーナ。じゃあ俺のこともアルナって呼んでね、敬語もなし! おっけ?」
「いいわ、アルナ!」
女神様もといティーナと俺の関係はより一層深くなったのであった。
次の日の朝、
俺は、またもや昨日の続きである自己紹介を使用人達からしてもらっている。
今日はティーナも来ている。みんな緊張している。
「じゃあ私からしますね、私はシスティーン、この世界を司る神です。裕哉くんもといアルナくんを転生させたのは私ですね、あの事件は本当にごめんなさい」
「その話は終わりにしたじゃん、ティーナ」
「いいじゃないの、アルナ」
神とタメ口なんてすごいな、なんてみんな思っているだろう、顔に出てる。
「じゃあメイド長からお願いしようかな。」
俺が促すと、出て来たのはアイカだった。
「はっ! アイカ=ソルタリアでございます。不肖ながらメイド長を任されております。アルヴアート家当主アスノ様とは長くに渡り良くして頂いております。よろしくお願い致します。」
流石としか言えない綺麗な佇まい、話し方であった。
アイカは、黒髪が混じった茶髪で、目尻が少し下がっていて、おっとりした雰囲気の女性だ。
「ほかのメイド達や騎士、魔導師には俺から聞きに行くからその時まで待ってもらえる?」
手を合わせ、首を傾げて可愛く頼んでみる。
「「も、もちろんでございますっ!」」
メイド達には効果抜群のようだ、可愛い容姿は役に立つなぁと思い始める。
「じゃあ近衛騎士の騎士長にもしてもらおうかな」
「はっ! 私はライカ=ソルタリアでございます。アイカとは双子の兄にございます、次期剣聖と謳われておりましたが、怪我により退役しておりましたところをアスノ様に拾っていただきました、よろしくお願いします」
「次期剣聖だって!? すごいんだね、ライカは!」
「む、昔の話でございますよ」
心なしか照れている。
ライカは、アイカとは違い完全に茶髪で真面目で融通があまりきかなそうな頑なな男性だ。
次行きますか、
「次は近衛魔導師団の師団長にしてもらおう」
「はっ! 私はノギータ=テジリアです、得意魔法は炎属性でございます。《魔女》の異名で知られております。よろしくお願いします。」
「ノギータは女性だったんだね、昨日警戒したときは女性とは思えない雰囲気だったよ」
「よく言われます、結構気を付けてるのですが…」
ちょっと悲しそうに眼を伏せる。
「これは褒め言葉だよ、男でもここまで雰囲気を出せる者はいない」
ノギータは伏せていた目を輝かせ
「ありがたきお言葉です」
とても嬉しそうにいていた、
ノギータは美しい金髪で、男勝りな女性だ、元の世界だったら一目惚れしそうな美貌だ。
「みんな、ありがとね、今日はここで解散にしよう。明日から授業をよろしく頼むよ」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
このシンクロ率半端ないな、俺はまた紹介してもらった事を整理すべく部屋に戻るのだった。
一気に知り合いが増えて頭がこんがらがってたからね。
自己紹介も取り敢えず終了でございます。
必要だったかと言われると…どうなんでしょうね……
次回もよろしくお願いします。