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第6話

 あの後、俺たちは………

「じゃあ、俺から。ここの世界では皆も知っての通りアルナ=アルヴアートだ、異世界での名前は小野裕哉、称号でいいのかな……一応神の使徒としてこの世界を救いに来た、よろしく頼むよ。」

 使用人や騎士たちから拍手喝采を浴びる。


 結構恥ずかしいな……クラス替えしてすぐの自己紹介みたいな…………


 少し離れて聞いていた女性の騎士が挙手して

「お名前は今まで通りでいいと思うのです。あの、その……転生を信じて無い訳ではないのですが、向こうの世界にあるものとかを教えていただけないでしょうか。」


 ごもっともな意見でありここにいる全員の本音を代弁してくれたようだ。


「うーん、君たちは兵役を担ってきたから銃火器なんてどうかな」

「銃火器ですか?興味深そうです、それでお願いします。」


 日本人には疎い分野なんだけどね……


「銃は筒状の銃身から弾を発砲する武器のことなんだ。弾の速度はライフルって呼ばれる狙撃に適した銃だと音速を超える。」


 皆、おっかなびっくりして声も出ないようだ。


 この話題はまずかったかな?


「なにもこの世界には魔法がある、銃を流通させようなんて思ってないからさ、そこは安心してほしい。」


 皆安堵の表情だ、まあ銃があったら攻撃用魔導士なんて必要なくなるし


「では、次は私がしよう、アスノ=アルヴアートだ、クレトリア王国筆頭公爵アルヴアート家の当主だ、歳は45だ。《剣聖(ソードエスカトル)》なんて呼ばれていたせいか軍務大臣に抜擢され、今も務めている。」


「父さん、アスノって名前だったんだね、しかも《剣聖(ソードエスカトル)》か、ふ…ふふっ………」


「いうタイミングがなかったからな。」


 優しい顔してるのに剣の道の奥底まで辿り着いた者か、やばい人を親に持ったな

 怪しい笑いが出てきちゃった、あとで手合わせ頼もうっと。


「今度は私の番ですわね? エルカ=アルヴアートですわ、アルナ、貴方の母親よ。年齢は聞かないでね? 旦那様とは同じパ-ティで《戦乙女(ワルキューレ)》なんて呼ばれてたわ。今は、ただのアスノの嫁よ。」


 家族なんだから年齢くらい教えてくれてもいいのに……

 心を読んだかのように妖艶な笑みを向けてくる。


 絶対母さんの年齢は聞かないようにしよ……


 話題を変えよう。

「と、父さんと母さんが同じパーティって……冒険者やってたの?」

 普通に意外過ぎてびっくりしてしまう。


「昔の話よ、ねえあなた?」

「そうだな、エルカ」


 晩年までバカップルになりそうなほどいちゃついている、目に毒だわ。


「じゃあ今度は私! さっきはごめんね、いきなり抱きついたりして。オーディア=アルヴアート、あなたの姉よ! 歳は20、魔法大学に通ってるわ。教授たちにも国からも《精霊に好かれし者(スピリッター)》なんて呼ばれているわ。今までで私以外で精霊に懐かれた人はいないみたい!」


 絶対弟を溺愛していた感じだよな………


「じゃ、じゃあ、姉さんって呼ぶね、精霊なんてすごいなあ」

 俺は神に好かれてるみたいだが……


 あれっ? なんか俺の目の前で飛ぶ生き物が……


「え? でもあなたも精霊に好かれているっぽいわ、あなたにはまだ見えないだろうけど」


 これが精霊なのか、精霊というか地球の幻の生物の妖精にしか見えないけど………

「もしかして、目の前にいるこの子のこと?」


 聞いていた皆が

「「「「「「「「見えてるの!?」」」」」」」」


 皆の物凄い剣幕に頷くことしかできなかった。

「う、うん…なにか問題があるの??」


 姉さんは、慌てて出かける準備をする、

「これは一大事だわ……私、大学に報告してくるわ! アルナ、またね」


「え、う、うん、いってらっしゃい」



 場が騒然としているが家族であろう最後の人が話をしようとすると、静かになる。

「なんかインパクトが小さくなりそうだな、俺はアーシリア=アルヴアートだ。歳は24、国の軍務大臣、親父直属の部隊『ゲイボルグ』の隊長をしている。《聖騎士(パラディン)》を国王から承った。よろしくな。」


 ゲイボルグだって??


「兄さんか、もしかして『ゲイボルグ』は作戦失敗したことない?」


「ん? その通りだ、親父の采配のおかげだな。」


 やっぱりか、と俺は思う。


「それはいいずぎだぞ、アーシリアはよくやってくれる………アルナ、どうしたんだ?」


 不安な心配事を一応言っておく

「いや、俺の世界の神話にゲイボルグと呼ばれる伝説の槍があったんだ。投擲すると百発百中なんだけど、そのせいで親友を殺してしまうという話があるんだ……」


 兄さんと親父は深く考え込む。

「そんな話が……まさか名前も一緒とは、確かに何かあるかもしれんな」


「それには同意だ、親父。アルナ、貴重な情報をありがとな。」


 俺は元の世界の事や俺自身の事を他言禁止にと言おうと思ったら、親父が俺の方を見てから話し始める。

「おっとこの辺で今日は解散にしよう、アルナは精神的にもつかれているだろうしな、使用人の皆は明日紹介しよう。」


 いきなり仕事?の顔になり

「今日やこれからアルナが話すチキュウの話は我が家の最重要機密指定とする、この家以外からの持ち出しを禁止にする。くれぐれも頼むぞ……」


「「「「「「「「はいっ!!」」」」」」」」


「よし、では解散」


 親父には隠し事はできないな、

「父さん、ありがとね、俺もそれがいいたかったから」


「ああ、お前は顔に出やすいからな、気を付けろよ?」

 おっとそれはやばいな


「あはは……」

 もう笑って誤魔化すしかなかった、そんな時新しいスキルが解除された気がした。


 おずおずと見てみる。

「ステータス・オープン」



 new! 偽装(カムフラージュ)



 それ出るのもうちょっと早くしてほしかったな……


 今頃思ったがこの家全員二つ名持ってんじゃん……活躍しすぎだろおお!



 なんだかんだで忙しい一日だった。




アルヴアート家最強ですね

剣聖に戦乙女、聖騎士、精霊使い


アルナは一体何の称号を受け取るのか!?

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