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第67話

遅くなってすいませんっ!

 

 第ニ〜五階層はアルナとアイネル、2人の殲滅戦により大体2時間掛からずにここまできた。

 第ニ階層のボスはオーガキング、全身が鮮血に塗れたような赤い皮膚に覆われ筋肉が隆起しており得物は棍棒を持っている。

 第三階層のボスは石人形(ゴーレム)、全身が石で出来ており、全長は約3メートル。無骨なデザインの為、力強さが目立つ。

 第四階層のボスはホブゴブリン、緑色の皮膚で体長は2メートル強。ただのゴブリンとは大きく違う点は保有魔力量で魔法攻撃を得意とする。

 第五階層のボスはイフリート、精霊に近い存在でありながら魔獣に指定されている、人間のような姿をしているが髪は言葉通り燃えており男性体。怪力に強力な魔力を保持。上層では一番の難敵。



 そして、アウストラリス・地下迷宮(ダンジョン)第六階層にてアルナたちは階層ボスの部屋の前まで来ていた。


「よいしょっと」


 アルナは軽い感じでボス部屋の扉に力を入れ、開ける。床と扉が擦れ、不穏な音を立てて開く。


「次は何が出るんだ……?」

「そろそろドラゴンとか出たりして……」


「ギャァァァアアアッッ!!」


 佳奈の言う通り下級のドラゴン、翼爪種(ワイバーン)が部屋内に10体も宙で飛翔しており、アルナたち武器を持つ冒険者を見て威嚇の声を上げる。


「ギャァァッ!」


 10体のうち1体が怒りの篭った叫び声を仲間に掛けると同時に10体がアルナたちに向かって突進してくる。アルナは背にある【魔大剣ニーズヘッグ】ではなく右手に【魔法大槍 ブリューアロウ】を生成した。アルナの一連の行動を見たその他5人も迎撃の体制をとる。


「1人1体倒せ、俺とアイネルは3体潰す」


 アルナの声と同時に全員が翼爪種(ワイバーン)に向かって行く。



 下級ドラゴン 翼爪種(ワイバーン)

 前肢と翼が一体化していて深緑色をした全身を包む鱗、鏃のように尖った尻尾には毒があるとされている。毒は耐性の無い者だと半日で死に至る。

 Aランクモンスター



 セリカは細剣(レイピア)を右手に構えると、エルフの秘密魔術【飛行魔術(フライ)】を使い、セリカの近くまできた翼爪種(ワイバーン)の翼を狙って3連突きをかます、その攻撃は寸分の狂いもなく翼を貫通した、Aランク冒険者の名は伊達ではない。浮力に綻びが出来た翼爪種(ワイバーン)は地面に向けて真っ逆さまに墜落していく。地面までの身動きできない僅かな透きを狙っていたセリカは一気に肉薄し、細剣(レイピア)に魔力を流し込み切れ味を強化し、首を横に薙いだ。強化された刃がいともたやすく竜の鱗に食い込み、そのまま首を刎ねた。セリカ――討伐完了。



 悠馬は勇者召喚の副産物、光り輝く長剣【宝具 クラウソラス】を手元に顕現させ、鞘から抜き放つ。両手で下段に構えると敏捷をフルに活用し、地上近くまで下りてきている最寄りの翼爪種(ワイバーン)のガラ空きになった脇に向かって薙ぐ。しかし宝具を限界まで能力を引き出せていないので鱗にめりこむだけで、引き裂くには至らない。致命傷を避けた翼爪種(ワイバーン)は身体を器用に動かし、毒を含んだ尻尾を悠馬目掛けて振ってくるが既にそこに悠馬はいない。自分の剣だけではやれないと見た悠馬はすぐさま魔法を追加した攻撃に変える。


「【音速の突進(ソニックラッシュ)】」


 無属性中級魔法【音速の突進(ソニックラッシュ)】。移動速度を一時的に速める魔法で、最大速度は音を超えると言われている。

 悠馬は一瞬にして10メートルの距離を詰め、翼爪種(ワイバーン)の横を通り抜けざまに下段から剣を入れる。腹から頭に掛けて一閃――翼爪種(ワイバーン)は真っ二つになり、魔石を落とした。それを確認した悠馬は【宝具 クラウソラス】を鞘に納める。悠馬――討伐完了。



 佳奈も勇者召喚の副産物、灼熱の炎を催す赤い籠手【宝具 ツェンデュアル】を両手に顕現させる。自身の拳を打ち付け、火花を散らせる――佳奈は気合を入れると一直線に翼爪種(ワイバーン)に走り出す。多少距離を詰めると咆哮を上げながら飛翔してくる。佳奈は立ち止まり、半身になると右腕を身体の後ろまで引き絞り、身体を捻りながら、突進してくる翼爪種(ワイバーン)の頭に向かって拳を打ち出す。

 “キィィィィン” と甲高い金属音が部屋中に響き渡る、思ったよりも加速があったのか佳奈の態勢がのけ反るが、それも束の間、態勢を立て直した佳奈は左の拳を顎に向けて打ち込む。頭を揺らされた翼爪種(ワイバーン)は攻撃を止め、態勢を立て直そうと羽ばたこうとする。

 しかし佳奈はそれを狙っていたようで翼爪種(ワイバーン)よりも高く飛び、宙で一回転すると重力に伴い落下する。その勢いを利用して翼爪種(ワイバーン)の頭目掛けて踵落としを食らわせた。“ゴッ” と鈍い音がしたかと思うと、そのまま姿が消え、魔石が落ちた。佳奈はそれを確認すると【宝具 ツェンデュアル】を解除した。佳奈――討伐完了。



 沙織も勇者召喚の副産物、反りを持つ刀【宝具 妖刀・村雨】を腰に鞘に納刀した状態で顕現させる。しかしすぐ傍まで翼爪種(ワイバーン)迫っている。両目で対象の動きを見定める。既に距離は1メートルと攻撃されてもおかしくない。しかし沙織は素早い動作で左手を鞘に掛け、親指で鍔を押し上げ右手で鍔を握り、右足を踏み込み一気に抜刀する。 “しゃりん” と涼やかな音と共に透き通っているように見える刀身が露わになる。それも束の間、抜刀された刀は寸分の違わず、翼爪種(ワイバーン)の首に吸い込まれてゆく。鱗に弾かれると思っていたようだが沙織は既に【宝具 妖刀・村雨】の性能を十分に引き出せていたようで吸い込まれていった刀身は簡単に首を刎ねた、黒い煙に包まれたかと思うと元々あった死骸の傍には魔石が落ちていた。沙織は丁寧に鞘にしまい込むと【宝具 妖刀・村雨】を解除した。沙織――討伐完了。



 アイネルは背に掛けている武骨なデザインの大剣を片手で持ち、闘気を放っていた。それに伴い身動きが出来なくなった翼爪種(ワイバーン)は翼を羽ばたかせることも出来ずに地面に墜落する。アイネルは3匹に近づいていき、一体ずつ丁寧に首を落としていく。時間にして僅か30秒。アイネル――討伐完了。



 アルナは言わずもがな、声を掛けてから一瞬で葬り去っている。

【魔法大槍 ブリューアロウ】を無造作に投げるとキルライト自身がわざわざ動いてくれて3体を分厚い鱗を貫き、魔石をアルナが拾っていた。キルライトはそのまま狼の身体に姿を変え、アルナに甘えていた。




「お疲れ~」

「いやいや、アルナくん。何やってるんですか?」

「何って……キルライトの毛並みを堪能してました?」


 戦闘が終わり、一息ついている悠馬たちとは違いこんな会話をしているがアイネルにセリカ、アルナは次の階層について考えている。


「それより、アルナ様……恐らく、冒険者たちは次の階層で遭難していると俺は考えます」

「その根拠は?」

「この地下迷宮(ダンジョン)はBランク以上でないと入れないとされています。この層のボスが翼爪種(ワイバーン)。このモンスターはAランクになる時には絶対と言ってもいいほど倒しています」

「ふむ…………よくわかんないけど、アイネルの長年の勘だと次の階層が怪しいか……」


 顎に手を置き、深い溜め息をつくアルナ。そんなアルナから波状に魔力が地下迷宮(ダンジョン)中に広がる。どうやら何かに引っかかったようでアルナはばっと立ち上がり下の階層を見るように地面を見つめる。しばらくするとアルナはセリカ達5人に向けて焦ったような表情で言う。


「次の階層に、ギルドマスターの旦那さんたちがいる! 早くしないと!」


 アルナは敏捷全開で階段を降りていくのを見て、5人も慌てて移動を開始した。


次回の更新は2日後になります。

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