第5話
「アルナくん……これは一体どういう状況なのですか??」
俺の召喚によって下界に来た神システィーンは、ピクピクと引き攣った笑顔を張り付けている。
説明せざるを得ないよね。
「え、えっと、襲われたので返り討ちにしてステータスを見せたらこういう状況になりました、はい」
俺はやりすぎたのをこの雰囲気で感じていた。
なんか新しいスキル所得したっぽい……
なんでこのタイミングなんだよ。
『[記憶回想]を取得したんだけど……』
神さまに精神感応を送るが、
『………ちょっと黙っててもらえます?』
ひぃっと軽い悲鳴をあげてしまった。
「私は神システィーンです。私の使徒が大変な御迷惑をかけてしまったようで、申し訳ありませんでした。ほら、謝って」
「この度は迷惑をかけてしまいすいませんでした。」
神とともに頭を下げる。
そこにいたすべての人間が驚きすぐに
「「「「「「頭をあげてください!」」」」」」
「許して下さるのですか?それに私が神じゃないと思っているのでしょうか」
神は尋ねる。
親父が代表して
「許すのは当たり前です、私もこうなる事が分かっていながら止めませんでした。
もし罰せられる者がいるのならば私だけにお願い致します。アルナのステータスを見れば信じないものはおりません」
なんという素晴らしい人なんだ。
「ありがとうございます。では貴方に神託を下します。このアルナ=アルヴアートを魔法学院に行かせ常識を学ばせてあげてください。このバカをよろしくお願いしますね。」
そんなことを言うシスティーン。
なんという人任せな神なんだと、バカとはなんだと思っていると、
「さっきのご無礼をお許しください、アルナ様……」
一番最初に攻撃しようとしてきた魔導士が俺の前で跪いて謝る。
それに続いて全員が俺に向かって跪き
「「「「「「申し訳ございませんでした!」」」」」」
え? なんで謝っているのだろうか………
「いやいや、何を謝っているんだい??
謝るのは俺の方だ、さっきは済まなかった、今後の仕事に支障が出ないといいんだけど………」
「私の方からも謝らせてくれ、すまなかった、アルナがあそこまで出来るとは思ってもみなかった……」
「お二方、頭をお上げください! 私たちこそ不甲斐ない所をお見せいたしました。アルナ様が本当に暗殺者だとしたら私たちはみな亡き者でした、命があるだけ、主君の命があるだけで我々は十分にございます。」
「お前たち………」
いい指導者の下にいい弟子が集まるんだなぁ、
「では、さっきの話は終わりにしようじゃないか、ここには、アルナの回復を伝えにきたのだからな。」
おっとそうだった、すっかり忘れていた。
「もしよかったら、皆の事知りたいんだけど……」
「そうだったな、ステータスを見たから分かっていると思うがアルナは転生者だ、この世界の事は知らないという、また教育をよろしく頼むぞ。前の知識は無いようだからな」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
こうして俺の死神事件は幕を閉じた……はず………
沢山の方に読んでもらえてとても嬉しく思います!
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