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第34話

今回も前半はグロい描写が出てきます。

途中まではアメリア視点になります。

 時は戦闘時に遡る――――


 いきなりナニカが潰れる音が外から聞こえ、その音に気を失っていた人も起きる。どうやら戦闘が始まったようだ。


「うっぷ……」

「おええっ」


 見なきゃよかったと全員が思う光景が広がっていたのだ。


 首がないオークに肉塊になって何者か分からなくなるほどグシャグシャになっているモノ、挽肉のように斬られてあるモノ。

 地面は血の海になっている。

 自然豊かで緑が綺麗な森が真っ赤な鮮血を浴びて仰々しい雰囲気になっている。


「アハハハハっ、雑魚どもがあああ! 消え失せろおおお!」


 快楽に浸っている叫び声が聞こえるが高速移動のせいか姿が見えない。

 だかその人物が立ち止まる。

 そこには返り血を全身に浴びた真っ赤に染まった殺戮に恍惚な表情を浮かべるアルナがいた。しかも2メートルもの大剣に、電磁加速砲(レールガン)、30本の【魔力剣(スペルソード)】を携えて……


 全員が凍り付いた。後続にはなんとざっと1000体ものオークがいるのだから。


「あれは流石のアルナでもキツくないか??」

 アメリアは腰に剣を差して援護に向かおうとするが、オルターが止める。


「今の彼に近づいたら殺されるわよ」

「でも……」


 そんなことはないと、きっぱり言おうとしたが自分でもなんとなく分かっているせいか曖昧な事しか言えなかった。

 そこに追撃するようにオルターは言う。


「恐らくだけどまだ彼はあれでも全力を出していないわ……」

「なっ……!」


 あれで全力じゃないのならどうなるのだろうとまた窓の外を向く。

 1000体の中には50体ずつオーガジェネラルとオーガキングがいたのだ。これは前回の災厄でも見られなかった。


 それを一人で相手をしているアルナ。

 電磁加速砲(レールガン)を撃ち、【魔力剣(スペルソード)】を操る姿は言ってはいけないが、まさに彼こそがこの世に災厄をもたらすのではないかと思わせるほどだった。


 200メートルの距離を一瞬で詰め、その間にオークを切り刻む。

 オーガキングの筋肉の詰まった脚をいとも簡単に斬り、脳天をぶち抜くなんてどこの誰が出来るのだろうか。

 オーガキングはSランク指定の災害級モンスターのはずなのにアルナの前ではただの大きいオークに成り下がっている。

 超級魔法【全属性矢(フルエレメントアロー)】を無詠唱で200本近く放ち絶命させる。まるで魔力が枯渇する様子を見せない。

 本人はオーガキングやジェネラルと闘っているはずなのに【魔力剣(スペルソード)】が下位オークを次々に薙ぎ倒していく。まるで30人の剣士が剣を扱っているかのように。

 下位オークは900体ほどいたのが全滅、オーガキング、オーガジェネラル互いに半数が死滅。


 こんな結果誰が見て聞いても信じることは出来ないと思う。

 エルフの戦士全員集めてこのオーク達と闘ったら男は殺され、女は慰み者になっていただろう。


 ここまで力の差があると悔しいなぁ……


 アメリアはそんな事を考えていた。


 だが次の出来事に目を瞠った。

 なんとアルナが何かボソッと呟いたと思ったら黒煙にのまれたオーク達が重力を無視して宙に浮いたのだ。向かう先には何やら漆黒に包まれた空間。

 それを見た者は息を呑み思った。あそこに入ったら二度とここに戻っても来れない、死ぬことも出来ない、と。


 辺り一面がオークの叫び声やらでうるさかったのが嘘のように静まる。血の海や肉塊はまだ残っているが……


 私達はすぐに安全を確認した後アルナの居る方へ赴くとアルナの身体がブレた、と思ったら急に倒れた。


「アルナくんっ!」


 セリカが誰よりも早くアルナの傍に近づくがいきなりアルナの居る場所を中心に魔法陣が広がり、魔法陣が彼を包み込んだと思ったら、操り人形のように起き上がる。


 瞑っていた目を開くと金色に光っていた。


「あ、あなたは、貴方は誰ですかッ!」

 セリカはアルナの様子の変化を敏感に感じ取ったようで絶叫交じりの声で言う。


「我はアルナ=アルヴアートであり違う存在でもある。」

 機械じみた形式的な声だったのだが流暢に話し始めた。


「我はこの者が怒りに身を任せ破壊衝動に駆られた故に我が止めに入ったと言うべきか、彼が本気を出したら本当にこの世界は滅ぶだろう。神々も余計なことをしてくれたものだ。」


「神々?? 貴方はアルナくんという人間であり神でもあるのですか??」

 セリカは物怖じせずに追及する。


「その問いは我に答える事は許されていない禁忌故答える事は不可能だ。」

「アルナくんは、アルナくんは生きてるんですよねッ!?」

「肯定である。ところでそこの2人は我に聞きたいことがありそうなのだがいいのか??」


 オルターとアメリアの方を向くと意を決したようでまずアメリアが口を開く。


「彼は、アルナは私達の敵になる可能性はあるのか?」

「それは肯定であり否である。この者は自分の家族や親愛している者を傷つけられた時のみ報復行動に出る。そちらが敵対しない限りは大丈夫であろう、それにそこの者に一種の感情を持っている為敵対の可能性は皆無に近いと思われる。」


「では次は私が、貴方は、彼は一体何者なのですか??」

 今度はオルターが口を開いた。


「その問いにはアルナ自身が答えると言っている、我に答えられるのは神々と付き合いがあると言う事だけだな」


 衝撃を受けるには十分破壊力のある発言だったらしく、全員が身動きを取れなくなった。


「む、そろそろ我はアルナに主導権を返さねばならぬ、また会えたら貴殿らの質問に答えてやろう」

 それだけ言うと、目を瞑る。


 そして膝から落ち崩れるアルナ。

「アルナくんっ!? ねえアルナくんってばっ!」


 泣き叫ぶように言うセリカ、その声に反応するように俺は瞼を開ける。


 瞳は黒に戻っていた。

「……っつ…………あれっ? セリカ? なんで泣いてるのさ……うわっぷ……」


 後半の変な声はセリカに強く抱き締められた為に抜けた声が出た。血が付いているにも関わらず抱き締めてくれる。


「ううっ……アルナくん頑張り過ぎだって……もっと頼ってよ……君がいなくなったら私は……」

 消え入りそうな声で言う。


「ごめんね、俺は君たちを守りたくて……俺に出来るのそのくらいだからさ……」

 セリカの背中に両手を回し抱き締め返しながら囁く俺。


 抱擁から俺は解放されると、セリカは一世一代の大決心をしたような顔で口を開く。

「アルナくん、正式に私とこんや――むぐっ……」


 俺はセリカが言おうとすることが分かったので途中でセリカの唇に俺の人差し指をあてる。


 ちょっとだけかっこつけてから言う。

「その先は俺に言わせて? でもその前に……セリカ、こんな訳の分からない俺でもいいのかい?」

「もちろんですっ」


「分かった、セリカ、俺の、いや私の一生涯の伴侶に妻になってくれませんか??」

「はい、是非私をアルナくんの妻にしてください。」


 そこで俺たちは口づけを交わそうと互いの顔を見つめながら顔を近づける。セリカの顔が近くにあって俺は心臓が飛びあがりそうだ。

 あと少しで口づけが交わせそうだったのだがいきなり声を掛けられる。


「おい、お前たち。よく人前でプロポーズしてキスまでしようなんて考えに行きつくんだ。」


 溜息交じりで後ろからいきなり声をかけてきたアメリアに俺たちは、


「うわああああああっ!」

「ひゃああああああっ!」


 飛び上がるくらいびっくりする。いやまさに言葉通り、アルナとセリカは飛び上がった。

 そこにいる皆はニヤニヤして俺たちの様子を見ていたようだ。俺とセリカは顔を真っ赤にしてうずくまる。


「ようやく付き合うと思ったらいきなり婚約とかやばすぎだよおお~」


 相変わらずマイペースな母親だな。


「てっきり反対されると思いましたが……」

「いいや? こんなに互いを思いやっている2人を引き裂くほど嫌な奴ではないつもりさ。」


 クールな感じで言うが、顔がにやけているのでもういろいろ台無しだよ。


「取り敢えずアルナは温泉に行ってその血を落としてきな、あとそのローブはセリカが洗ってあげな」


 やれやれといった感じでアメリアが言う。

 セリカの方を見ると腕まくりをして任せてと言わんばかりだ。 俺はお言葉に甘えて頼む、そして温泉に直行した。



「娘もとんでもない人と婚約したもんだ」


 そんな緊張やら呆れやら色々な感情を孕んだ声で呟くオルターだった。

はなしが一気に飛躍した感じが否めませんがお許しください。

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