第17話
国王の合図とともに俺は
「[身体強化][魔力障壁][思考加速][並列思考]発動ッ!!」
4つの古代魔法を同時に発動させる。それとともに俺の周りに魔力の暴風が吹き荒れる。
一気にスキル使うとこうなるのか。
なんて思っていると相手の魔導士達が信じられないという顔をしている。
「あの規模の魔法を多重展開するなんて……」
キャレックがいう。
じゃあ、もっと驚かせてあげようじゃないか。
「【全属性矢】」
わざと口に出して俺の周りに多重展開する。その数、200本以上。
こんな非現実的な光景を目のあたりにして
「なっ!? ぜ、全属性だと!?」
「全属性矢って超級よっ!? それを無詠唱ですって!?」
「しかも多重展開してる!?」
俺はそんな呆けた隙だらけの奴らに向かって矢を放つが、10人を包み込む広大な【物理障壁】が三重に展開され矢の軌道が阻まれる。
障壁と矢がぶつかると激しい衝撃と音が鳴り響く。音が鳴り止むと障壁はボロボロになって空中に霧散するが役目は果たしたようで中の10人は傷一つなかった。
さっきの【物理障壁】を展開したのはアリステアだった。さらに、
「『我は望む、異界からの星降り【隕石】ッ!』」
牽制として使ってきた。
まあこの程度どうにでもなるんだけど、ひっかかっとくか。
俺はバックステップで避ける。
「なにをぼさっとしているのだっ! 実戦だったらとっくに死んでいるぞっ! 公衆の前で……お前たちは恥をさらしにきたのか!」
アリステアに喝を入れられ、正気に戻る冒険者と魔導士たち。
「そ、そうだな。悪かった。」
「迷惑をお掛けした。」
などと謝っている。
ってかこいつらバカかよ、今この瞬間に殺せることを認識していないのか?
っていうか、あれっ? こっち陣営も動きがないぞ?
「なんで俺しか動いてないの?」
一切動いていない家族に疑問をぶつける。
「お前を援護出来るのは俺たちには居ないからな。好き放題やらせてみた。」
兄さんはそんな事をいう。
「精霊さんが、まだ動かなくていいってさ。」
姉さんは精霊の言う事を聞いてたみたいだ。
「いやいや、それでもだよ……まあいいや」
冒険者たちはまだ動きがない。
「じゃあ、あの作戦で行きますか」
おれがそう言うと、皆が頷く。
「[変身]ニーズヘッグッ!」
俺は新しい古代魔法を発動させ、武器の名を呼ぶ。みるみるうちに俺の身体が巨大化する、数秒のうちにこの世の災禍なんて呼ばれる黒龍になった。
全長10mほどで禍々しいほどの狂気、そして恐ろしい真っ赤に染まった眼をしている。眼のすぐ近くから生える角は漆黒に染まり、この世の終わりを告げているようであった。
「おいおい、嘘だろ……」
「まさか、伝説の黒龍!?」
「なによ、この魔法は……」
「こんなの無理じゃねっ!?」
そんな感想を言っている。
アリステアも
「こ、これは、さ、流石に予想できなかったぞ」
『グァアァアアア!!(じゃあ兄さん、乗ってくれ)』
俺は家族だけに分かるように吠える。他の人は首をすぼめ耳を塞いでいる。
「わかった……よいしょっと」
軽く膝を曲げジャンプしただけで高さ3mを軽々しく飛ぶ。
この瞬間、《聖騎士》は《龍騎士》になったのだ。
「では、第2回戦といきますか?」
兄さんは不敵な笑みを冒険者に向ける。
俺と兄さんで冒険者5人の相手を、親父と母さんと姉さんで魔導士5人を相手する。
それが俺たちの作戦だった。
兄さんは物理攻撃特化だし、姉さんの精霊行使による精霊魔法は超級すら軽く超える威力があるためだ。兄さんの補助を俺が、姉さんの補助を親父と母さんが、と言うことになったのだ。
まあとっとと終わりにしますか。
俺はわざと魔導士と冒険者が綺麗に分かれるようにブレスを放った。




