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第9話

 親父の待つ食堂へ着く。


「おまたせ、着替え終わったよ。」

「「「「………だれ!?」」」」


 やっぱりそうなっちゃうかぁ


「俺だよ、アルナだよ!」


 今まではやんちゃな雰囲気だったが、今は妖艶さを醸し出している。


「ほ、本当にアルナなのか。」

「そうだって言ってるじゃないか、もう」


 ぷぅっと頬膨らませる。そんな俺の姿に食堂のメイド達は、


「「「「「ふわああぁぁ……」」」」」

 恍惚とした表情で気の抜けた声をあげている。


「父さんもボケっとしてないで早くいこう」

 結構王城に行くのが楽しみな俺は促す。親父は我に返って、


「そ、そうだったな、行くとしよう。」



 玄関から出て門の前で待つ馬車に乗る。我が家を振り返る。


「でっか………」


 まったくこの家は何坪あるのだろう……なんて考える。


 そんな俺の考えている事を読んだ父さんは、

「私も国王陛下にでかい家は要らないと言ったのだが、功績に合わんと押し切られてしまってな。」

 苦笑しながら言う。


 親父と母さんは何したんだよ……


 馬車に乗り込むと、走り出した。

 走るというよりはジョギングくらいの速さかな。


「だいたい何人くらい謁見にくるの?」

 俺は親父に聞く。


「まあ、王族だけだから、ざっと10人くらいか」

 ニヤニヤしながら答える。


 俺の性格を知っているのか、この人は……


 なんということだ。目立つのが苦手な俺は多数の人間に見られるのが嫌なのだ。


「はあ………はやく終わんないかな」



 15分くらい軽い談笑をしていると、大きな城が見えてくる。


「ふわぁぁ……ノイシュヴァンシュタイン城みたいだ」

 俺はそっと呟く。


 クレトリア王国の城はノイシュヴァンシュタイン城とは違う点が3つあった。、

 まず基調が白ではなく黒である点、城の四方に塔が建っている点、そして城壁がある点、であった。



 程なくして、俺たちは城に入る。


 城に入った俺は壁に違和感を覚える。

「へえ~、面白い紋章が入っているね。魔法陣かなにか?」


 親父は驚いたように、

「ほう……それにも気が付くのか、何の紋章かは王族しか知らないみたいだが」


 なるほどね、まあ効力が切れかかっているが、これも進言してみるかな


 城の中は人気がなく、抜け殻である。

 なんで人がいないんだ?巡回の兵士もいないし……


「ねえ父さん、誰にも会わないのはもう謁見の間に全員いるってこと?」


「そうだな、お、その扉から謁見の間に入るのだ、合図があるまでは大人しくしてろよ?」

 何かを悟ったのか釘を刺す親父。


 べ、べつに、別に何もしないし……


 扉を守護する1人の兵士は俺たちの事を視認すると敬礼をして、

「ご足労いただきありがとうございます、アスノ大将閣下!」


「楽にしてくれ、主役は私じゃないのでな」


 親父の言葉に反応した兵士は目を下に向け俺を見る。

「このお方は…もしや!」


 なに? この反応は……


「アルナ=アルヴアート、私の2人目の息子だ。」

「大将閣下の息子様でアーシリア大佐の弟様ですか。初めまして、私は『ゲイボルグ』の一員であるステラ=ユニーカ少佐であります。お二人にはいつもお世話になっております、アルナ様よろしくお願いします。」

「アルナ=アルヴアートです、ご丁寧にありがとう。ステラ少佐は女性なんだね。」

「そうです、他の軍人にはあまりよくは思われていないようですが……」

「男女の差で決めつける輩に任せるより君の方が絶対いいと思うよ」


 やべぇ、口説き文句になっちゃったわ……


 ステラ少佐は頬を少し染め、

「ありがたきお言葉です。で、では、謁見までもうすぐなので作法などをお教えいたします。」


 親父はいつの間にかいなくなってるし……

 ステラ少佐に作法を教わる、うーん……なかなかめんどい。




「ではアルナ様、謁見になります。」

 ステラ少佐が言うと、


『アルナ=アルヴアート、謁見の間に入れ』

 と謁見の間から渋いがよく通る声が聞こえる。


 ステラ少佐は頷くと扉を開ける。

 謁見の間はまるで天界に呼ばれた時のようにすべてが白に埋め尽くされていた。

 俺は目を伏せながら王座の階下まで歩く――王座は5段ほど高い所にある。


 俺はそこで跪き、王の言葉を待つ。

「アルナ=アルヴアート、頭を上げよ。」


 その言葉に応じ俺は頭を上げる。ステラ少佐に言われた通りの言葉を発する。


「我、アルナ=アルヴアート、勅命により馳せ参じました。」

「うむ、良く来てくれた。」


 王は畏れ多くも返事を返してくれる。

 クレトリア王国現国王は、左目に痛々しい傷を負い失ってるが壮健そうな引き締まった体に厳格な雰囲気を出している、少し怖い男だった。


 国王の左右には綺麗な金髪と赤髪、黒髪、青髪を持つ4人の女性が、さらにその脇には青年や女性が6人ほど立っている。


 俺が通ってきた道の脇には親父と母さんがいた。ニヤニヤするなよ……


 王が物静かな空間で発する。

「余は、……格式ばったのはここまでにするか、やあこんにちは、アルナくん…いやアルナちゃん」


 え? 国王フランクすぎでしょ、


「いえ、私は男なのですが……」


 王の左右の4人の女性たちは、

「「「「嘘ッ!」」」」


 そんなにびっくりすることかな?


「あんなに可憐なのに、おかしいわ……」

「まったくその通りだわ……」

「あの子が男なら私たちはなんなのかしら……」

「女の自信をなくしそうだわ……」


 三者三様ならぬ四者四様であった。


 何言ってんの? 俺が可憐だって?


「なにをおっしゃいますか、私は皆さまが美しいと思うのですが……」

「「「「バカにしてるのッ!?」」」」


 なんでそうなるの……


「まあまあ、落ち着きなよ、僕は君たちだけが好きなんだから」

「「「「貴方ったら……」」」」


 この始末である。

 人前で惚気んなや、俺帰っていいかな。


 なんて思っていたら、王は雰囲気を変える、俺でさえ身構えるほどの威圧感を放つ。

「ここからは他言無用である。城内の者にさえ言ってはいけない。分かった?」


 王様、身内に威圧してるし、女の子なんか泣きそう、だが皆が頷く。


 王は笑って雰囲気を戻す。

「じゃあアルナくん、ここからは我が国の最上級情報機密(シークレット)に指定する。だから安心して話してくれ。君の秘密を……」


 俺は親父を見る。頷く姿を見て、

「…………分かりました、ステータス・オープン」


 俺は王たちに見えるようにステータスを展開した…………。


 数字を見て驚くのは言わずもがな分かっていたけどね?

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