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プロローグ

 

『7月8日

 今日はいつも通りの生活を送った。やっぱり平和が一番だね。

 昨日で期末テストが終わって勉強も一段落。多分今回も学年1位が狙えそうだし…

 この日記も書き始めてちょうど1年になる、時間が過ぎるのは早い…

 話は変わるが、一週間と少しでもう夏休みだ。高校生活2回目は有意義に使おうと思う。

 あと直感だけど明日は俺の誕生日なのに何か不吉な予感がするよ。気をつけて過ごしたいな。

 明日も何事もなく過ごせますようにと祈るばかりだ』


 俺の日記はこの日を境に書かれることはなかった。

 それは、俺自身が感じた不吉な予感が翌日、本当に起こったからである。




 ……意識が朦朧としていてここがどこだか分からない。だんだん意識がはっきりし、立ち上がり周りを見る。

 何もない真っ白な空間が広がっていた。


 なんだここ、こんな場所見たことないし……


 遠くから何かが飛ぶような滑空音がする。音の鳴る方を見ると、翼を広げ飛んでくる女性がいる。

 この世のものと思えぬような整った顔に腰まで伸びた長い金髪に胸はここぞとばかりに強調されている。


 胸に目が……やばいやばい…落ち着け。なんで翼が背中に生えてんの?


 翼の生えたヒトは俺の前に降りる。

「ようこそ、天界へ。先ほど地球よりお亡くなりになった小野裕哉さん。私は貴方の担当になったシスティーン、女神です!

 ……あのぉ、そんなに胸ばかり見ないでください!」


 頰を膨らませ、腕を胸の前で交差させて恥ずかしがる。

 なんか死んだ事になってるけどそんなことよりめっちゃ可愛い女神さま!!まぁ流石にもうあれだけガン見してたら気がつきますよね。


「え、ああ、ごめんなさい。あなたの魅力(むね)に見惚れてました。

 あと俺は……死んだんですか。……それで、あの、俺の担当って何の事ですか……?」


 若干棒読みになったのは気にしない。死んだと聞いて少しばかり動揺して、矢継ぎ早に質問してしまう。

 天使はぽかんとして呆けているが裕哉が言った言葉に顔を真っ赤に染めて恥ずかしがる。


「見惚れてたなんて、はずかしいですぅう…! いきなりそんなこと言わないでくださいよ!」

「あ、あの俺の質問は??」


 裕哉の焦ったような声音を孕んだ言葉に我に返る女神さまは、咳払いをしてから話し出す。

「……ああ、そうでしたね。貴方は高校への登校途中で交通事故に遭い、全身を強く打ち脳に多大な障害を負いまして……救急搬送されたのですが、搬送先で亡くなったという次第ですね。ですが貴方は勇敢にもある女性を助けに入って事故に遭いました。我々神々の決定により貴方に第二の人生をプレゼントすることになりました。」

「え?!あぁー、あの時の事故か……」


 俺の死因は事故だっけ……あの時助けた女の子無事かなぁ……


 女神は目を輝かせて言う。

「あの時の裕哉くんかっこよかったですよ?? それと君が助けた女の子は無事ですよ。わた……転生神が君を選んだ理由は人を救える強い精神と現代知識の詰まった貴方の知識です!」


 何か言いかけたようだが裕哉はあまり聞いてはいなかったので気づかない。


「え、それはどうも……あと選んだって俺はこれから何をやらされるの? しかも転生神って」

「貴方にはある世界を救って欲しいのです。」


 やっぱりそうか、まあまた生きることができるならいっか。

 困ってる(かみ)を助けるのは当たり前だし!


「わ、わかりました。俺にできることなら!」

「ありがとうございます! その世界は、地球でいう中世の時代くらい発展が遅れています。

 では、すぐに転生の儀に入りますね?」

「え!? ちょっとまってよ! そんな速攻で生き還るの? おれ!」

「えぇ、勿論ですよ? あの世界は危機に瀕してるみたいで…救世主のような存在が必要なのです。説明は向こうでしますから」


 なんか急いでるみたいだしあとででいっか

「そ、そうですか………絶対説明してくださいね??」

「はーい、魔法陣から動かないでくださいね?」


 ほんとに大丈夫かなあ……なんか軽い感じの神さまなんだけど。


 女神様が右手を俺に向けて詠唱とともに俺の足元に魔法陣が展開される。

「我、転生神システィーンの名の下に、小野裕哉をクレトリアに召喚す!」


 クレトリアってなんだし。って、おれを選んだのあんたかよ!

 というツッコミも出来ず、俺の周りを白い光が包み込み、そのまま意識を失った。



 どうやら、俺の新しい生活が始まるらしい。あ、向こうで日記付けられるかな。



 新しい人生を歩み始めるのに関わらず、いつも通りの裕哉であった。


初めまして!小野涼夏です。

初めて小説を投稿させていただきました。

まだまだ拙く、未熟でありますが、楽しく見ていただければ幸いです。

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