表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

ぷろろおぐ そのに

どうなる主人公。


あの日。


あの日の暑さは尋常じゃなかった。

まあ仕方ない、クーラーぶっ壊れるわ、扇風機の羽が取れるわで冷やすものがなかったんだから。

まあそれはいいとして。

とにかく俺は、そんな灼熱地獄の中、デパートの前に並んでいた。

……目的?

そんなもん、新作アクション塗りゲーを買うために決まっている。

というか本体との限定セットだ。

え?あの今人気の某塗りゲー(イカが主役のス…ゴホッ)だよ。

まあそんで、並ぶのはいいが、暑いし、人は多くて………。


まあ、用を済ませに行けない状況だった。



そう、ここでトイレに行けば並び直し。だがもう………!!!!




――結局、顔面を赤くして近くの神社、姫桜神社に駆け込んだ。




そこは家も近く、幼馴染の神社だったためによく知っているし、遊びに行くときはなんとなくしなけりゃいけない気がして、お参りもしていた。

そしてそこには、狛犬の代わりに…。


狐が飾られている。




…………はずだったのだが、その日はなぜか、…突如として消えていた。

もともとは2体あったらしい。

幼馴染と出会う頃には1体は知らぬ間に消えていたという。


そしてその時、狐は台座を残して消えていた。

おかしい…が、もう俺の尿意は限界だったから、すぐ幼馴染………

いや、秋葉に伝え、駆け込んだ。



「悪い、ちょっとトイレ借りる!」


「…え、い、いいけど…」



用を済ませると、秋葉も気づいたらしく、境内の奥の神主、秋葉の父に狐について伝えに行ったみたいだった。



神宮寺秋葉は今年で16の桜京さくらぎ高校1年だ。

俺は2年。

校風も自由で緩い。

その割にワルが居ないのは、少しランクが高めの高校だからだろうか。

まあ平和だ。

俺は学力は普通だが、何か英検2級だからと推薦合格した。

英語だけは取り柄なのだ。

どうやら英語科目が優先扱いされるっぽい感じだ。

幼馴染の秋葉は内気めで、自己主張が少ない。

だが慣れた相手には結構な毒舌を吐くこともあるが、俺には…懐いているような感じなのか。

秋葉は結構可愛い。

ただいつも俯いているからよく分からない。

まあ他の奴らが顔だけで近づくよりマシだ。

んで、秋葉はそんなに頭がいい感じではないが、そこそこだ。

それでも、県14校中6位の桜京に必死に入ってくれた。

いや、家から近いからか…。



………………正直好きだ。




普通な俺にはちょっとハードルが高い。






さて、戻ろうか。


その後、秋葉と俺で改めて神社内、というか狐像の前に来た。

やはり、跡形もなく消えている。

ハンマーなどで砕けば少しは破片が残るはずだが、欠片さえない。

スポッと、狐だけ切り取られたみたいだった。


狐はご丁寧に、赤い羽織と金色の鎖が掛けられて、頭には狐面があった。

狐の横に狐面があってちょっとおかしかった。

その切れもない。


いや…物理的にやばかった。



そして、せめて、とお参りだけすまそうと拝殿の鈴を2人で掴み、鳴らした。


しゃららん、じゃらん。



    

『どうか、"狐"が帰ってきますように。』




祈り終えたときだった。










――突如として陣が現れた。





そして。





『――さあ、異世界の旅をご希望ですか?望んでいなくても強制的に送ります。どうかご武運を、そして良い旅を――!!』








澄んだ空気と女の声、そして俺達はパカリと口を開いたまま、眩い光に包まれた。








俺は1つだけ思っていた。











――まだゲーム買ってねえじゃねえかよおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!












そして、長い長い旅が、始まったのだ。






が…頑張れ、2人とも……(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ