不思議な君との出逢い
なんのために僕は生まれてきたのだろう…。
僕は時々考える
僕になにか使命があったのだろうか。
それとも何処かから転生してきたのだろうか。
そんなこと僕にはわからない。
みんなにとってそんなことどうでもいいはず…。
なのに僕は答えもない疑問に何故かずっと頭を悩ませていた。
僕は平凡な毎日を過ごす。
毎日変化のない日々を...。
つまらない日常を...。
僕は高校生の 夜空 星輝。
ごく普通な毎日を過ごす。
特に変わったこともないし彼女もいない。
成績も普通だし、スポーツが出来たりとかそういう才能はない。
だからそんなに友達がいる訳でもなかった。
部活も帰宅部でなにもやることがない。
朝起きたら宿題をやってご飯を食べて学校に行く。
学校についたら勉強して昼食を摂る。
委員会とかに入っていないから皆より早めに家に帰ってくる。
帰ったら夜ごはん食べてお風呂入って寝る。
毎日それしかない。
時々親が話しかけてきたり、近所で子供たちがさわいでこっちへ走ってくるだけだ。
遊ぶわけでもないし、やることも無い。
僕は片親だから親はずっと働いていて会うことが珍しいくらいだ。
なんの変哲もない毎日…同じ日々の繰り返し…。
そんな毎日にうんざりしていた。
時々生きていることがつまらないと感じるようになっていた。
何故だか分からないがなにも変わらない毎日は僕にとってとても辛い日常であった。
そんなとき僕のつまらない毎日が変わることがおきたんだ。
今までの平凡な日を取り戻したい。そんなことを思うことが…。
それはあまりにも突然のことであった。
高校生活にも慣れてきた頃、学校の屋上に来てみたんだ。
教室で本を独りで寂しく読んでいるのがなんだか虚しく感じたんだ。
蒼く鮮やかな色の空。澄んだ空気。淡い色の山々。
とても小さく見える家。
屋上から見る景色は僕の辛い思いをかき消してくれた。
何度みても飽きないすごく綺麗な青空だった。
僕には綺麗すぎる景色だ。
桜が舞い散る季節が過ぎ、太陽が青空を照らす
そんな季節になっていた。
もうそろそろ青々とした木々が沢山そびえ立つ季節になる。
暑さが過ぎると朝夕寒さが身にしみる季節になり、紅葉がとても綺麗になるだろう。
そんなことを想像するとこれから先が楽しみになってきた。
ちょっとした季節の変化にも僕は感動するようになった。
とても綺麗な景色をながめているとどこからか見たことのない少女が現れたんだ。
スカートが風でひらひらと靡いていた。
何処からとなく現れた少女に僕は目を離せなかった。
髪の毛がサラサラで綺麗な色をしている。
とても可愛い女の子だ。
その子が僕に近ずいてきた。
フワッと香りがただよう。
とてもいい香りがした。
そんなことに気をとられていた僕は遠くを眺めている彼女に慌ててたずねる。
「君はだれ?名前を教えてくれる?」
すると彼女が
「私はこの学校の生徒だよ!
未来って名前。
確か…星輝君だったよね?」
といった。
彼女の声は、とても可愛らしかった。
何処かで聞いたことのあるような優しくてあたたかい声だった。
何故かとても懐かしく思えた。
この子には心をひらけるかもしれない。
そう思えた。
けど…。
僕はふと疑問に思ったんだ。
この子(未来ちゃん)は何処から来たんだろう?
それより…なんで屋上に居たんだろう。
僕が来た時は誰も居なかったのに...。
何故僕をしっているんだ...。
黙り込んでいる僕に彼女は、
「私は昔あなたに会ったことがあったんだけど…。
覚えてるかな?あの時のこと。
私はあの時に会った子じゃないかな?って思ったからここに来てみたたんだ!
けど…その様子じゃ覚えてなさそうだね…。」
...僕は話が理解できなかった。
「いつ会ったの?僕は君に初めてあった気がするけど...。」
戸惑いながら僕はそういうと、
彼女は「これをみても?」
と言い、胸元にあるポケットから小さくて綺麗な色をした石を取り出したんだ。
その石はとても綺麗に輝いていた。
何色か分からない。
様々な色が交り合い、とても綺麗な光を放っていた。
ぼくはどこかで見たことがあった気が…。
…!?
僕はとても驚いた。
「えっ!!なんで君がもってるの?」
そう言って驚いている僕に未来は
「ほら!覚えてるじゃん!」
とご機嫌に話す。
その石をどこで見たか思い出した僕は驚きのあまり混乱してしまった。
小さい時のことだったがとても鮮明に記憶に残っている。
驚いた様子で僕は彼女を見つめる。
「えっ??なんで君が知ってるの?なんで持ってるの??」
綺麗に輝くその石は昔、僕が仲良くしていた子が持っていたものだった。
その子はこの石には、不思議な力があるといっていた。
その子の名前は...。確か...。
.....み....ら...い...。未来!!
今とは髪の色も香りも肌の色も違った。
もちろん顔もだ。
あの時よりとても可愛くなっていた。
「えっ!あの仲良くしていた未来なのか?そうなのか?」
僕は彼女に尋ねた。
まさかこんな所で出逢えるとおもっていなかったからだ。
驚いて目が点になっている僕をみて彼女は、
「やっぱり覚えてたんじゃん!」
と笑いながら僕に言った。
僕は何故今まで思い出せなかったのか疑問に思ったが、再会出来たことがとても嬉しかった。
あの時に仲良くしていたあの子が今此処にいるなんて想像もしていなかった。
そんなことはどうでもいい。
僕は久しぶりにあった未来とまた仲良くしたかった。
あの時独りぼっちだった僕に唯一話かけて仲良くしてくれた未来に…。
「これからよろしく!」
僕は彼女にそう伝えた。
「これからよろしく!」
彼女も照れくさそうに笑いながら僕に言った。
僕はこれからどんな日々を送れるのかドキドキしていた。
けどこの時僕ははまだこれからおこる悲劇など想像もしていなかったのだ。
ピピ…ピピ…ガタン
朝日が昇った頃、目覚ましがなった。
まだ眠い目を擦りながら僕は目覚ましをとめる。
目をあけると目の前が歪んで見えた。
一瞬異世界にいってしまったのではないかと心配になったほどだ。
この間僕が生まれた理由を考えた時に転生したのかも…。
とか思ったからかもしれない。
おっと…話が逸れた。
えっと…今までこんなことは1度もなかったんだ。
めまいかな?と一瞬おもったが、違った。
めまいの時のようにクラクラもしていないし、目の前の景色だけが歪んでいたからだ。
その景色はとても奇妙で興味深かった。
そんなことはおいといて…一階に降りると、未来が迎えに来ていた。
未来の胸元が黒く渦が巻いているように見えた。
目を瞑ってすこし落ち着くとその渦はきえた。
…ちょっとまて!
まず未来が此処にいること自体おかしいのだ。
僕の家を彼女に教えたことが無かったのだ。
彼女は家がとても遠いと小さい頃に言っていたから家の場所さえも知らなかったのだ。
朝の出来事といい、今の出来事といい、今日は不思議なことばかりだ。
もう頭がいっぱいでなにがなんだか分からないよ…。
朝食を急いで食べながらそんなことを思っていた。
その後、未来と一緒に学校へ登校した。
授業中今朝の出来事を思いだしていたら先生に怒られちゃった。
おっと…また話が逸れた。
授業が終わり、チャイムが鳴り響く。
ガタッ…。
皆席を立ち、号令を終えた。
廊下がざわついてきた。
僕はリュックを背負って未来のクラスへ向かった。
僕は彼女を屋上に呼び出したんだ。
何故かって?
ちょっと疑問があり過ぎて色々聞きたかったのだ。
屋上に未来がやってきた。
僕は早速彼女に質問を開始した。
「どうして僕の家を知っていたんだ?なんで?」
ちょっときつく問いすぎたかもしれない…。
ちょっと後悔した。今から後悔しても遅いんだけどね…。
しばらくしてから彼女は「あなたの家くらい知ってるよ!」
と僕に言ってきた。
君に僕の家を教えたことあったっけ?
そう聞こうと思ったが聞けなかった。
また彼女を傷つけてしまうかもしれないと思ったからだ。
…。
いったい誰が僕の家を彼女に教えたのだろう?
不思議でしょうがなかった。
僕は友達もそんなに居ないし、誰も家によんだことがなかった。
なんで彼女が??
そう考えると頭が痛くなってきた。
ズキン…ズキン…
鈍い痛みがはしる…。
だんだん前が見えなくなっていって…
『ガタン!』
…。
どうやらめまいがして倒れてしまったらしい。
それからの記憶がない。
意識が遠のいていった…。
…。
ガタッ…。
何処からか変な音がした。
僕はその音で目を覚ます。
気づくと僕は知らない家の中で眠っていた。
「此処はどこ?」
そうつぶやくと、彼女が
「やっと気づいた。よかった…。
あっ!ここは私の家だよ。
いきなり倒れちゃったからビックリした。
ごめんね。無理させちゃって…。」
と僕に告げた。
(謝らなくていいのに…)
そう思いながら何故ここまで来れたのか考えてみた。
どうやってここまで来たか覚えていない。
それはそうだ。僕は倒れてからの記憶がないのだから。
けど、それを知らないぼくは何故ここにいるのかさえも曖昧だ。
彼女が僕を担いでここまで来れるわけないし…。
色々考えたらまた頭が痛くなってきた。
僕は彼女について知らないことばかりだ。
いや、なにも知らないかもしれない。
それなのに何故彼女は僕のことをそんなにも知っているんだ?
疑問に思った僕は彼女に聞いた。
「あなたは誰なんだ。」
なんか聞いちゃいけない様な質問だったきがする…。
ぼくは言ってから後悔した。
彼女はゆっくり口を開いて
「それを聞いちゃうか...。
...。
分かった。教えてあげる。」
とつぶやく。
とても悲しそうな顔をしていた。
僕はやっぱりいいや。と言おうとしたが、かなしそうな目でみつめてくる彼女の瞳を見ると何故かそう言い出せなかった。
彼女はゆっくり話し出した。
「信じて貰えないかもしれないけどね、
私はここに居ちゃいけない人なんだ。」
僕は話の意味が分からなくて首を傾げた。
彼女はそんな僕に構わずに話を続ける。
「私は困っている人を助けるためにこの石を使ってるの。
私がこの石の本当の力を知ったのはあなたと出会ってからしばらくしてからのことだったんだ。
この石を使うとね...。ほら。」
そう言って服を脱ぎ捨てた。
僕はやめろよ!
と彼女に言った。
けど、彼女はやめなくて…。
バサッ…。
脱いだ服が布団に落ちた。
チラッ…。
僕は顔を赤くしながら彼女のいた所を見た。
けど…僕の前にいつも見ている彼女の姿はなかった。
目の前にいるのは、からだにたくさんの傷跡がり、皮膚は、とても透明に近い色をしていて、目と髪の色は綺麗な紅色をしている少女がいた。
「なんでこんなことに...」
僕は言葉を失った。
彼女の姿を見るととても辛かった。
何も罪のないはずの子がこんなめに遭うなんて...。
彼女は話を続ける。
「私はね、あなたと出会って仲良くしてたよね?
あの頃は、まだこの石の力はぜんぜん分かってなかったんだ。
ただの綺麗な石だと思って大切にしてた。
…。
ねぇ?話変わっちゃうけどさ…。
私が突然いなくなったのおぼえてる?」
僕はその時のことは鮮明に覚えていたのに何故か途中から記憶がとぎれていた。
僕は曖昧な記憶を探った。
…!
僕は頷いた。
彼女はそんな僕をみて話をつづける。
「何も伝えずに居なくなってしまったのは悪いと思っている。
ごめんね…。
実はあの時私はとても重い病気にかかっていたんだ。
私はそれを知って君を悲しませないようにどこかへ消えたよ。
君にあえなくて寂しいのといつ死ぬのか分からなくて辛いので毎日いっぱい泣いてたんだ。」
泣きそうな顔をしている彼女の頭を撫でた。
彼女は目を瞑りながら、またゆっくり話をはじめた。
「…。
ある時何処かで君の声が聞こえた気がしたんだ。
聞こえるはずのない君の声が…。
私は幻聴かと思った。
病気が進んでて聞こえるはずのない声が聞こえているのだと…。 そう思ってた。
けどね、何故だかそうだとは思えなくてわたしはふらふらしながら病院を抜け出して声のする方へ行ったよ。
君の声だと信じて…。
沢山転んだ。血を流し、目の前がぼやけてきて…。
ふらふらして道路を渡っていたら事故に遭いそうにもなった。
そんなことは気にせずに私は声のする方へ一歩一歩歩いていったんだ。
やっとの思いで君を見つけたのに…。
そこにはとても暗い顔をした君が居たんだ。
涙を流して蹲る君にどうしたの?といって私は君の頭を撫でた。
すると君は
『僕は独りなんだ。
僕の味方なんて誰も居ないんだ。
僕の唯一の友達もどこかへ消えちゃったんだ。
その友達が消えてしまってから僕はその後いじめられたんだよ…。
そしたらね、いじめられたくないからってみんな僕を捨てたんだ。
辛い思いをしたのは僕なのに...。』と言った。
私だと気が付かなかった君に私は何度あの時の未来だよ!と告げようと思ったか分からない。
けど、それは言えなかった。
私は病気のせいで昔のような姿ではなかったし、体中が転んだせいで血だらけだった…。
もうこの子が私が未来だと気がつくはずもない。
いきなり消えてしまったからきっと私を恨んでるのかも…。
そう思うとそんなこと言えなかった。
けど、今はそんなことはどうでもいい。
私が今思うのは…
《私は君を救いたい。》
そう願うと、君の胸元が私の持っている石の色と同じ色に輝きだしたんだ。
私はその時何が起こったのかわからなかった。
光がおさまり、君が無事か確認するために慌てて辺りをみまわした。
するとそこには不安そうな顔をする君がいたんだ。
「大丈夫?」
わたしは君にといかけた。
すると君は、私のことを見たことがないかのように私をみて怖がった。
誰?って聞かれた。
辺りをみまわして君はこう言ったよ。
「ここはどこ?」って
わたしのことは覚えていなかったとしても…。
私は恐怖に襲われた。
君の記憶は...悲しいって記憶と共に...消えてしまった。
私が願ったから...。
私があんなこと願わなかったら…。
私は自分を責めた。
何度も自分を殺そうとした。
けどできなかったんだ。
私がビルの屋上から飛び降りようとしたとき、石が私に話しかけて来たんだ。
“これから君は人を助けるために生きるんだ。”と言われたんだ。
だからどんなに辛くても死ねないんだって…。
それからというもの、ずっと苦痛の日々を味わい、何をしても死ねなくて、人を助けるためにしか生きられなかった。けどその人助けというのはわたしにとってあまりにも残酷で…そして、助けるたびに私は...。心も体も...。」
泣きながら今まであったことを話してくれた。
彼女がどんなに辛い思いをしていたか…。
僕はそんなこと覚えていなかったし、時がたつにつれ、だんだん記憶も戻っていたらしい。
いじめられていたということは除いて…。
けど彼女はそんな僕を心配して…。
僕は彼女が自分のためにしてくれた事で傷ついていたと知って涙が流れていた。
「話してくれてありがとう。ごめんね。辛いことを思い出させて...。」
僕は謝った後にぎゅっと君を抱きしめた。
君はとても暖かかった。
このお話はフィクションです。
初めて物語を書いたので少しおかしいところがあるかも知れませんがそこは理解いただけると嬉しいです。




