結論
最終話ではありません
『日々は限りなく空虚で、罪にまみれている。』
ナナは原稿用紙を持ってきて、そう書き始めた。
『このまま死んでも構わないと思うほど、生きるのは辛いものだ。罪を償うためには許されないことだけれど。この人生という罰を、受けなければならないから。
人はきっと……否、私はきっと、そんな風に生きていくことになっているんだろう。生まれたとき既に罪を犯して、日々自分の無力さに泣いて、今日も虚しさに溺れて、明日もまた破壊して。
罪悪感と疎外感と、孤独感と違和感と、既視感と悲壮感。そんなものにさいなまれて。
私が生きてることに意味なんか無くて、悲しみ虚しさe.t.c.の十一字で表せる人生だ。誰かが人が生まれたのには理由があるって言ってたけど、それは違う。
私の存在に意味は無い。私の存在に理由は無い。
幼稚園児の頃からどうして死ねないのか悩んでいた私は、そもそも生まれるはずじゃなかったのだ。生まれる筈じゃなかったのだから、死ねるわけも無い。誰も殺してはくれなかったのは、それが私に対する罰だから。誰も助けてくれなかったのは、私が全てを拒んだから。誰も信じられないのは、それが私のしたことだから。
学校が楽しかったことなんて一度も無い。
家が平和だったことなんか一度も無い。
生きててよかったことなんか一つも無い。それだって私に与えられた罰だから。わかってる。だからもう全部、諦めるんだ。』
ナナは一気に書き上げると、その紙を一瞥し、丸めてゴミ箱に放り込んだ。そのまま倒れこむようにベットに突っ伏した。
次回、最初に『私』と話していた先輩視点です