確信
ある昼下がり。ナナはなんとなく外を歩いていた。
まだ答えを出せないでいた『神様問題』。それについて一人悶々と悩んでいた。それでなのか、何を思ったのか男友達…みーちゃんに聞いてみようとしていた。神様が、いるか否か、と。
*
学校への、30分ほどの道のりの通学路。
ナナは唐突に切り出した。
「神様っていると思う?」
急に訊かれたせいか、ちょっと迷ってみーちゃんは答えた。
「わかんない。でも…………いたらいいなって、思う。」
「へーぇ?なんで?」
「…なんとなーく」
みーちゃんは…ちなみにこれは苗字の宮崎の頭文字だ…そう言いながら笑った。
「適当だね」
そう言ってナナもちょっと笑った。
ナナは、前を見た。
「みーちゃん」
ナナは少し間をおいてから、続けた。
「神様がいようといまいと、それは大した問題じゃないのかもしれない。神様がいるから希望を持つ、だから頼るなんていう生き方は私の性には合わないよ。私ってそういうキャラでしょ?それに誰も見ていなくても神様が見ているからいいことをするなんて根本的に間違ってるし、そんな風に誰かに優しくしたくないし、自分もそうされたくない。」
ナナは、そういってみーちゃんを見た。
「そっか。なんか知らんけど、それでいいんじゃん」
「ありがと」
どこかに残った後ろめたさは無視して、ナナは歩き続けた。