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余命6年

作者: シンドゥー

ある日、静まり返る病院の中ひとつの命が誕生した。

けれどその新たな命の誕生に喜びつつも少し悲しげな顔を見せていた。それもそのはず、その子供が産まれる前から医者に「深刻な話なんですが。お子様が産まれるのですが。先天性心疾患の可能性が・・あるんです・・・」この言葉にも親は目に涙をみせながらも真剣にあいづちを打ち聞いていた。

話が終り病室を出ると涙が溢れて止まらなくなった。

産まれて少ししてから親は病室に呼ばれた。

その子供には余命まで告げられてしまったのだ。「長くもって6年でしょう・・・」そう聞いて親も黙ってはいられない。「どーにかどーにか幸希を助けられる方法はないんでしょうか!お願いします!!」泣きながら医者に聞いた。でも医者は何も答えることができなかった。今の段階では治療方がなかったからだ。医者の目にも次第に涙が出てきた。「本当にどーしよーもないんです。私たちの方でも治療が出来る医者を手当たり次第探したんですが・・いなくて・・・本当にすいませんでした・・・・」深々と医者は頭を下げた。それを見て親は頭を抱えて声を出して泣いた。


余命後4年・・・・


それから保育園に連れて行くようになった。それまで子供の前では笑顔を見せひとつも涙をみせなかった。

保育園では友達も出来て、幸希くん幸希くんと親しくされてとても幸せだった。

保育園で作った絵で表彰状を貰ったり駆けっこ大会で一位になったりと大変素晴らしい成績を残した。また、保育園で書いた手紙には『おとおさんおかあさんありがとうだいすき』という様な言葉が書いてあった。

それには親も泣いてしまった。


余命後1年


幸希も小学生になりランドセルを背負い学校に行く様になった。幸希は「1年生になったーらー一年生になったーらー友達100人出来るかな〜」と毎日のように歌っていた。


余命後1カ月


思った通り幸希には友達は100人以上出来ていつも元気に遊びに行ったり家に友達が来たりと楽しそうに遊んでいた。


余命後1週間


幸希は1週間後に「運動会で100メートル走に出る!!」っと走るのを頑張っていた。「応援するからな!一位になるんやぞ!!」とお父さんが幸希に言った。すると幸希も「当たり前やん!!一位に絶対なるもん!!」と言った。お父さんは笑顔で「約束な!」と小指を出した、幸希も小指を出して「約束!!!」って言って小指をつけると「ゆーびきーりげんまんウソついたらはりせんぼんのーーますゆびきった!!」と2人で言った。


運動会当日 余命日


ぱんぱんっ!!

朝、天気のいいなか運動会の合図を花火を打ち上げていた。幸希もウキウキした顔をして学校に行った。

親が運動会に行くと、ちょうど100メートル走だった。「ええ時に来たな!!」とお父さんは笑顔で言った。「うん!そうね!!」と返すと同時に『・・2レーン桜木 幸希・・3レーン』という放送が流れた。

「おっ!!幸希〜〜〜〜!!!!」とお父さんは幸希に大きく手を振った。

すると幸希も笑顔で手を振りかえした。

位置についてよーーーい・・・パンっ!

幸希が5人で走るなかだんとつで一位だった。

お父さんも「いいぞーー行け行け〜〜!」と応援していた。

幸希がゴールする直前のことだった。

ばたり

幸希が倒れてしまった。

「こ、幸希!!!!!!!!!」

お父さんとお母さんが声を揃えて幸希の元へ向かった。いくら幸希と呼んでも返事をしない。救急車を呼び病院へ運ばれた。

親が病院に行くと幸希が寝ていた。

幸希が小さな声を出し「お父さん、お母さん・・」幸希は涙を流しながら「約束守れなくてごめん」と言った。

お父さんは「幸希は一位や!!よく頑張っとった!」と言った。

いつもなら返してくれる幸希の返事が無い。

親は声を出して泣いた。

病室には心電図の音と2人の泣く声が響いていた。


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